『一流の人はなぜそこまで、靴にこだわるのか? (Business Life)』
(クロスメディア・パブリッシング)
「一流の人はなぜそこまで、靴にこだわるのか?」(著:渡辺鮮彦)より
弊社のスタッフを通して聞くお客様からの声で多いのは、靴のTPO、つまり「この靴はどのような場までなら履いて行って良いでしょうか?」という質問です。
確かにこれは、紳士靴を購入する際には選択の大きな基準になります。
「できれば多くの場面で活躍させたい」
「けれど、間違った場面で履き回して礼儀を失するわけにもいかない」
値段が高ければ高いほど、そう思うのは自然です。
このあたりは以前なら、父親や会社の信頼すべき上司が何気なくアドバイスしてくれるのを通じて共通の認識が得られましたが、昨今ではなかなかそうもいかないようです。
ビジネスパーソンならば、突然会合やパーティーに出なければいけなくなった、といった状況が起こるこもありえます。仮に今は、そうしたイベントへの出席の機会がなくても、ビジネスパーソンとしてさらなる飛躍を遂げるためにもこれらの知識は知っておいて絶対に損はありません。
そこで今回は、こうした靴のTPO、どのような場まで履いていける靴なのかを知るポイントを3つに分けて紹介します。この基準の3か条だけを覚えておけば、もう悩む必要もありません。ぜひ参考にしてください。
靴のTPOを考える上でポイントとなるのは「フォーマル度」です。これを大まかな目安として理解していれば、大事な場面で恥をかかずに済みますし、靴を購入する順序も意識できるようになるはずです。意識すべきは次の3つだけ。紳士靴のフォーマル度を見極めることは、実は非常に簡単です。
こう覚えておけば、まず間違いありません。
例えば全体のデザインでは、飾り穴の沢山ついたフルブローグ(ウィングチップ)よりもキャップトウ(ストレートチップ)のほうが、より格式の高い場に向いています。アッパーの革も肌目がシンプルでキメの細やかなシムースレザーのもののほうが、型が押されたスコッチグレインレザーや起毛したスエードよりも、明らかにフォーマル度が高くなります。
燕尾服を着用する際に履くオペラパンプスのような例外もないわけではありませんが、今日では概して、この認識で選んで間違いないと思います。さらには内羽根式のほうが外羽根式のものよりも、そして鳩目の数がより少ないもののほうが、格は高い傾向にあるようです。とはいえ、この辺りは履く人の足と靴との相性も無視はできませんので、そこまで厳密に捉える必要はないかと思っています。
フォーマルな場面では黒のスムースレザーの靴を履くのが常識です。茶系をビジネススーツに合わせても問題ありませんが、きちんとした場面では黒を選ぶのが基本です。また、ソールはラバーよりレザーの方がフォーマル度は高くなります。
以上が様々なシーンを念頭にした靴の選び方です。簡単で、考え方は実にシンプルだとお分かりいただけたと思います。靴選びに迷ったら、まずは「フォーマル度」で考える。装飾が少ないもとが「フォーマル度高め」。これら基本の知識を覚えて、あらゆるシーンでの靴選びに参考にしてください。
靴選びで迷ったとき、より良いワードローブを考えたいときには、ぜひこれらを念頭に「どこまでを守備範囲にするか」を基準にしてみましょう。また部下や後輩にもこうしたアドバイスをさらりとできれば、より頼れる上司や先輩になれることでしょう。一流のビジネスパーソンになるためにも、しっかり覚えておいてください。
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