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プーチン氏ら強権体制に警鐘=ウクライナ侵攻に影響―ノーベル平和賞に旧ソ連3個人・団体


 ロシア、ベラルーシ、ウクライナで人権擁護に携わる個人・団体3者へのノーベル平和賞は、市民を弾圧する「強権体制」に警鐘を鳴らした。ソ連崩壊から30年以上が過ぎても旧態依然の支配構造から脱皮できないロシアではプーチン大統領の長期政権が継続。アレクセイ・ナワリヌイ氏ら政治犯の投獄に加え、ウクライナ侵略に至った。  ◇再び市民目線を  「外国のスパイ」。ソ連時代の暗部を記録してきたロシアの人権団体「メモリアル」は2016年、侮辱的なレッテルを貼られた。  プーチン氏は12年、通算3期目に入ったが、全土で反政権デモに見舞われた。危機感を抱き、4期目に入ると弾圧を強めた。今やロシア軍に関する「偽情報」流布に禁錮刑を科し、反戦デモを封じ込める。  メモリアル創設者スベトラーナ・ガンヌシキナ氏は、ソ連崩壊前後の紛争に伴う難民問題に取り組んだ。しかし、プーチン政権はウクライナ侵攻で1000万人以上の難民を再び生んだ。メモリアルに光を当てたことには、市民目線に立ち返り、過ちを省みるよう促す狙いがあるとみられる。  ◇独裁者との闘い  ベラルーシの人権団体「ビャスナ(春)」創設者アレシ・ビャリャツキ氏は個人で受賞する。「欧州最後の独裁者」ルカシェンコ大統領は当初、前任者を舌鋒(ぜっぽう)鋭く批判するポピュリストとして政権を握り、次第に独裁化していった。ビャリャツキ氏は最初に立ち向かった活動家の一人だ。  ルカシェンコ氏は20年、無名だったスベトラーナ・チハノフスカヤ氏に大統領選で敗れるとみるや「8割の得票で6選した」と一方的に宣言。首都ミンスクのデモは最大20万人に拡大したが、盟友プーチン氏の支援で治安部隊が息を吹き返し、反政権派には逮捕か出国の運命が待ち構えた。ビャスナはデモの情報を国外に発信し続けたが、ビャリャツキ氏は獄中にいる。  プーチン氏に都合の良い体制が存続した結果、ロシア軍が合同演習と称して集結し、ウクライナ侵攻のルートに利用された。北部キーウ(キエフ)州ブチャの民間人殺害など「戦争犯罪」にもつながった。  ◇いつか裁くために  二つの強権体制のしわ寄せを受けるウクライナでは、人権団体「市民自由センター(CCL)」の受賞が決まった。オレクサンドラ・マトビーチュク氏が率いる。13~14年の欧州連合(EU)加盟要求デモを支え、南部クリミア半島でロシア当局に拘束された映画監督の解放も訴えた。紛争に伴う女性への暴力の問題にも取り組んでいる。  戦争犯罪の証拠を一つ一つ積み上げていく―。戦争の出口はまだ見えないが、市民目線で「戦犯」を裁く準備は着々と進められている。 【時事通信社】 〔写真説明〕ロシアの人権団体「メモリアル」の創設者スベトラーナ・ガンヌシキナ氏=5月撮影 〔写真説明〕ベラルーシの人権団体「ビャスナ(春)」創設者アレシ・ビャリャツキ氏=2006年1月、ミンスク(EPA時事)
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