2020年の7月15日は、新生日産の船出となった日として多くの人の記憶に刻まれそうだ。期待の新型クロスオーバーEV「アリア」が発表されただけでなく、日産のブランドロゴが刷新されたのだ。この新しいロゴには、どんな日産の決意が込められているのだろうか。

クロスオーバーEV「アリア」から新車に続々採用

デジタルとの親和性を高めるべく、2次元で表現された新しい日産のロゴ。

20年ぶりに新しくなった日産のロゴの制作作業が始まったのは、2017年夏のこと。グローバルデザイン担当専務執行役員であるアルフォンソ・アルバイサ氏の下、アドバンスドデザイン部の松尾 勉主管がデザインチームを結成し、様々なデザイン案がスケッチされたという。従来のロゴを微修正したものから、まったく異なる大胆な案まで、ありとあらゆるデザインが検討の俎上に載せられた。

1959年から使われていたロゴ
1983年から使われていたロゴ
1990年から使われていたロゴ
2001年から使われていたロゴ

2年間の試行錯誤の末、完成したロゴは二次元のシンプルなもの。余分な装飾や立体感のないアプローチを「フラットデザイン」と呼ぶのだが、最近は日産のみならず様々な企業が取り入れている。フォルクスワーゲンやBMW、スターバックスのブランドロゴのほか、身近なところではiPhoneのアプリのアイコンもフラットデザイン化されている。

フォルクスワーゲンの新しいロゴ。
BMWの新しいロゴ。

フラットデザイン化の目的は、デジタルメディアとの親和性を高めることにある。影やグラデーションを用いて立体感を表現したリッチデザインよりも、スマホなどの小さな画面でも容易に認識することができるのだ。

日産の新しいロゴもデジタルとの親和性の高いデザインへ移行したわけだが、それは同時に、日産が伝統的な自動車メーカーとしてだけでなく、モビリティとサービスを提供する会社へと進化していくことも示している。

アリアのフロントマスクに装着された新しいロゴは、20個のLED(ロゴのデザインが生まれ変わるまでの年数と同じ数)によって光る仕掛けとなっているのだが、その実現にも苦労があったようだ。例えば、イルミネーションでロゴの輪郭をはっきりと表現するためには、輪郭の厚みをどれくらいにすればよいのか。また、イルミネーションは各国の法規制に適合しているか、といった課題をいくつもクリアしなければならなかったという。

イルミネーション付きのロゴ。光り方や輪郭の厚み、車両のエンブレムとして使う際の法規適応など、様々な角度から検討された。

新しいロゴは、『至誠天日を貫く』という日産の創業当初からの理念を一貫して継承しているという。『至誠天日を貫く』とは、「強い信念があればその想いは太陽をも貫く、必ず道は開ける」という意味だ。これから日産は、この新しいロゴととにも新しい道を切り開いていくこととなる。

情報提供元:MotorFan
記事名:「 日産のロゴが20年ぶりにリニューアル! その狙いはデジタル世界への対応にあり