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マツダの低ドラッグ化したリヤデフの回転トルクを体験してみよう:モーターファンフェスタ2018


見た目に大差のないリヤデフがふたつ並んでいて、いかにもという具合にシャフトがこちらを向いている。だれがどう見てもこれは両者を回してみてくださいというのに相違あるまい。そう思って回してみたら案の定──。

マツダのAWD仕様に備わるリヤデファレンシャルユニット(RDU)およびパワートランスファーユニット(PTU)は、従来テーパローラベアリングを用いていたところ、ボールベアリングに切り替えています。その目的は回転トルクの低減。実際に両者を回してみると、従来構造が「ん?回らんぞ……あ、やっと回った」というのに対して新型構造はこともなげにクルクルといった具合に、驚くほど異なります。




AWDのリヤデフ入力シャフトとなると、オンデマンド式であってもマツダの方式ではクラッチをなんとなーく繋いでおく応答速度を重視した設定だけに、回転トルクが小さければ小さいほどありがたいのは明らか。だったら最初からボールベアリング化して軽くすればいいじゃないと思われるかもしれませんが、それはそれでいろいろと越えなければならない壁が存在するのです。




まずは、製造現場における改変が必要ということ。RDUおよびPTUは完成後に全数検査がなされるそうなのですが、大トルク高ドラッグ時代の計測機器に比べて低トルク低ドラッグ仕様の機器はOKを出す範囲が当然ながらシビアになります。およそどの会社でも理想を追求するエンジニアと実績を重視する生産部門は仲が悪く(笑)、今回の件でもボールベアリング化には生産部門からの物言いが予想されました。しかし、SKYACTIVのかけ声のもと一丸となったマツダのこと、今回の改変はいわば今後の前哨に過ぎず、さらなる高機能化を図るためにも導入しなければならないとなったそうです。




もうひとつは寸法精度の問題です。テーパローラベアリングは寸法と対荷重性に優れているのが美点、いっぽうで線接触ゆえの抵抗が大きいという性質があります。それをボールベアリングに置き換えるとなると、ケースの作り方にも工夫が求められたのではと訊きましたら、モデルベース開発をフルに活用することで課題をクリアできたそうです。このあたり、最先端の技術を活用しているのがよくわかりますね。




本仕様によるRDUおよびPTUはCX-5から導入、続きCX-8、CX-3に採用が広がっています。今後はロードスター(RWDだけに恩恵も大きいけど仕様を固めるのが難しいとおっしゃっていました)、デミオまでを含めて検討しているようです。

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