＜阪神2－8ヤクルト＞◇26日◇甲子園
阪神森下翔太外野手（23）が本塁打キング争いトップに並ぶ5号ソロで超満員の甲子園を沸かせた。5点を追う4回にヤクルト先発小川をとらえ、左中間席へ連続試合安打を9に伸ばす反撃ソロ。スコアボードが平仮名表記になった「ゴールデンウイークこども祭り」の初日に詰めかけた子どもたちを喜ばせた。試合はまさかの4失策などで完敗したが、背番号1が描いたアーチは今日への希望だ。
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森下の放った打球は子どもたちの夢を乗せ、ぐんぐんと伸びた。左中間スタンドへ吸い込まれる特大アーチ。5点を追う重たい空気を跳ね返す1発で、満員札止めの甲子園を笑顔にさせた。
0－5と一方的展開になりかけた4回2死。ヤクルト先発小川の低め139キロ直球を完璧に捉えた。「少しバットの先でしたが、うまくバットに乗せて打つことができました」。打球速度162キロ、推定飛距離121メートルの特大弾で、本塁打争いでヤクルト・オスナに並ぶリーグトップタイに再浮上した。
ルーキーイヤーの昨季の5号到達は8月15日の広島戦で、自身57試合、219打席目だった。今年は自身24試合、94打席目。昨季の2倍以上のペースで量産している。19日中日戦（甲子園）以来6試合ぶりの1発に「久しぶりにホームランも出て、感覚としては悪くない」と手応え。「大事な場面で回ってきた時に集中力を保って明日のゲームは行きたい」とすでに次戦を見据えていた。1年目に10本塁打を放った男は今季どこまで数字を重ねるのか、期待が高まる。
子どもたちのヒーローになった。27日からはゴールデンウイークに突入。26日からのヤクルト3連戦は、毎年恒例「ゴールデンウイークこどもまつり」として開催され、大型ビジョンの選手名がひらがなで表示された。3日間すべてで限定デザインの「KIDSユニホーム」を小学生以下の入場者先着7000人にプレゼントされるなど、多くの子どもたちが来場した甲子園。前日25日に「夢を与えられる職業なので、勝つことが1番楽しんでもらえると思う。勝って子どもたちにいいところを見せたい」と力を込めていた背番号1。豪快な1発で有言実行した。「家族連れが多くいる中で、いいところは見せれたのかなと思う。明日勝っていい試合にしたい」。
9回にも左翼へ大飛球を放ち、最後まで虎党を湧かせた。チームの連勝は7でストップも、森下の好調が希望の光り。27日から勝利をもたらす一打でファンを喜ばせる。【村松万里子】
