ドイツ連邦政府は2019年末までに予定していた水素戦略の発表を2020年初めに延期した。当該戦略は、連邦経済省、連邦環境省、連邦交通省、連邦研究省が共同で策定しているが、年内に合意できなかったもよう。

ドイツ連邦政府、水素戦略の発表を延期
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ドイツは現在、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と社会民主党(SPD)による連立政権となっている。独経済紙『ハンデルスブラット』によると、水素戦略の策定では、CDU/CSUが大臣を務める、経済省、交通省、研究省と、SPDが大臣を務める環境省で意見の相違が生じており、合意できなかったことが発表延期の理由とされている。

CDU/CSU側は、再生可能エネルギー由来の電力から生成した二酸化炭素(CO2)フリーの水素(グリーン水素)を多様な用途に活用することが有効であるとの見解を示している。その際、国外からの輸入も計画しており、特に、アニャ・カルリチェク連邦教育研究相(CDU)が同案を支持しているとされる。カルリチェク教育研究相は、『ハンデルスブラット』紙への寄稿文の中で、アフリカ諸国における持続可能な発展に向けてグリーン水素の分野での協力可能性を調査する方針を示していた。その際、グリーン水素の現地での需要に加え、ドイツへの輸出の可能性を視野に入れると言及していた。

これに対し、スヴェンニャ・シュルツェ連邦環境相(SPD)は、グリーン水素の輸入に慎重な姿勢を示しているとされる。グリーン水素を輸入する構造が構築されると、ドイツにおける再生可能エネルギーの拡大に向けた意欲が減速するとの懸念があるもよう。すなわち、グリーン水素だけでなく、ドイツにおける風力発電の拡大にも注力すべきとしている。グリーン水素は(貴重なエネルギー源として)主に産業プロセスや大型トラックなどに集中的に投入すべきであると考えているもよう。

[提供元/FBC Business Consulting GmbH]

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