高松市から運行される高速バスは、1988(昭和63)年の瀬戸大橋の開通で増え始めました。その後、1998(平成10)年の明石海峡大橋の開通で、特に関西方面への高速バスが多数運行されるようになりました。

中でも約14年間の歴史を誇るのが「フットバス」神戸うどん線です。今回は、JR三ノ宮駅前の三宮バスターミナルから乗車します。

ざっくり、こんな「フットバス」神戸うどん線

  • 遠くからでも目立つ車体デザイン
  • ゆったり3列独立シートにコンセント、トイレも! 充実の車内設備(一部車両のみ)
  • 神戸~高松間最安3,140円! ネット限定の事前購入割引も

高松エクスプレス「フットバス」神戸うどん線
高松エクスプレス「フットバス」神戸うどん線


「フットバス」とはどんなバスなのか

「フットバス」は、香川県高松市に本社を置く高速バス専業のバス会社「高松エクスプレス」が運行する高速バスの愛称。

2000(平成12)年に船舶会社などの共同出資で会社が設立され、2002(平成14)年8月に南海バス(大阪府堺市)と共同で高松~大阪なんば間の高速バス「たかなんフットバス」の運行を始めます。

運行開始当初の「たかなんフットバス」
運行開始当初の「たかなんフットバス」

神戸との間を結ぶ高速バスが運行を開始したのは、それから約3年後の2005(平成17)年7月。神戸フェリーバスと共同で「高松フットバス号」「神戸フットバス号」の運行を始めます。

その後、停留所の新設や運行区間の延伸、運行会社の変更などを経て、現在は高松エクスプレスが「フットバス」という愛称で以下の4路線を運行しています。

■運行路線

●「大阪うどん線」(なんば~淡路志知・高松)
※一部の便はユニバーサル・スタジオ・ジャパン、神戸三宮経由
※淡路志知バス停は、大阪発が降車のみ、高松発が乗車のみの扱い

●「大阪あわじ線」「あわじうどん線」(なんば~淡路志知~高松)
※一部の便は神戸三宮、高速舞子経由
※大阪~淡路志知間および淡路志知~高松間の区間利用が可能

●「神戸うどん線」(神戸三宮・高速舞子~高松)

路線名に名産の「うどん」を用いているのが面白いですね。

なお、今回ご紹介しない「大阪うどん線」「大阪あわじ線」の大阪側ののりばは、「湊町バスターミナル(なんばOCAT)」「なんば高速バスターミナル」「大阪駅前(桜橋口アルビ前)」の3カ所となっています。
一部の便は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンや神戸三宮(三宮バスターミナル)、のちほどご紹介する高速舞子にも停車します。

大阪側のりばのアクセス方法は、以下のリンクを参考にするとよいでしょう。


一部の便限定! 3列独立シート車の車内と充実した設備

「フットバス」は、原則としてトイレ付き4列シート車で運行していますが、実は一部の便限定で3列独立シート車を導入しており、現在は、大阪発着の「大阪うどん線」で1往復と、神戸三宮発着の「神戸うどん線」で4往復運行しています。

3列独立シート車両で運行しているバス便

今回乗車したのは、3列独立シート車両・神戸三宮9:50発の便。「フットバス」の愛称をイメージしたカラーリングが、遠くからでも目立ちます。

高松エクスプレス「フットバス」3列独立シート車
高松エクスプレス「フットバス」3列独立シート車

「フットバス」神戸うどん線は、三宮バスターミナルの6番のりばから発車。発車の5~10分前にはバスが入線し、乗車改札が始まります。「うどん県 高松」のLED表示が、旅人をわくわくさせてくれます。

「フットバス」神戸うどん線は6番のりばから発車
「フットバス」神戸うどん線は6番のりばから発車

乗車改札中の「フットバス」神戸うどん線
乗車改札中の「フットバス」神戸うどん線

早速、車内に入ってみましょう。

車内は、幅広の3列シートが並びます。黒系のシートモケットと木目調の床、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

座り心地のよさそうな1人掛けシートが並ぶ車内
座り心地のよさそうな1人掛けシートが並ぶ車内

シートは、夜行バスでよく見かける1人掛けシートを採用しています。シートモケットにもこだわりが。なんと、「さぬきうどん」のマークが散りばめられています。「うどん県」へ行くバスであることを実感します。

「さぬきうどん」のマークが散りばめられたシート
「さぬきうどん」のマークが散りばめられたシート

レッグレストとフットレスト(足置き台)も完備しています。フットレストは、靴を脱いで使用します。

レッグレストとフットレスト
レッグレストとフットレスト

肘掛け下のレバーを引きながら、シートをフルに倒してみます。リクライニングの角度は浅めですが、夜行便でないことと、2時間半あまりの移動時間を考えると、これでも十分という気がします。

フルリクライニング時のシート
フルリクライニング時のシート

各座席には可動式枕が装備されています。これが首を上手い具合に支えてくれて、個人的には大変楽な姿勢でくつろぐことができました。

各座席には可動式枕も設置
各座席には可動式枕も設置

携帯電話やスマートフォンの充電に便利なコンセントは、肘掛け下に設置されています。

各座席にはコンセントを完備
各座席にはコンセントを完備

トイレは、車内最後部の進行方向左側に設置されています。決して広くないため、あくまで緊急用と考えた方がよさそうです。

トイレは車内最後部に設置
トイレは車内最後部に設置

車内では、Wi-Fiサービスも提供されています。備え付けのリーフレットに記されているSSIDとパスワードを設定することで利用できます。

シートポケットにはWi-Fi設定に必要なSSIDとパスワードが
シートポケットにはWi-Fi設定に必要なSSIDとパスワードが

以上、高松エクスプレス「フットバス」3列独立シート車の車内をひと通り紹介しました。所要時間2時間半程度の路線にしては十分過ぎるくらいの車内設備を有しているといえましょう。

旅の始まりはJR三ノ宮駅前の「三宮バスターミナル」

駅を出て目の前にあるビル「ミント神戸」の1階にバスターミナルがあります。東京、信越、中京、関西、中国、四国、九州へ向かう高速バスが発着する、関西有数のバスターナルのひとつです。

JR三ノ宮駅前のビル「ミント神戸」の1階が三宮バスターミナル
JR三ノ宮駅前のビル「ミント神戸」の1階が三宮バスターミナル

三宮バスターミナルへのアクセスは、JR三ノ宮駅からが一番便利です。東口改札を出て海側に進むと、案内表示があります。

東口改札を出てすぐのところに案内表示が
東口改札を出てすぐのところに案内表示が

外へ出て左に折れると、エスカレーターが見えますが、エスカレーターは使わずに、横の通路を直進します。

エスカレーターの横を直進
エスカレーターの横を直進

すると、三宮バスターミナルの入口が見えてきます。

三宮バスターミナル入口
三宮バスターミナル入口

詳しいアクセス方法は、以下のリンクを参考にするとよいでしょう。

バスターミナル内には、待合スペースや自動販売機、乗車券カウンターが設けられています。「フットバス」の乗車券は、日本交通の窓口で購入できます。

待合スペースの近くには自動販売機も
待合スペースの近くには自動販売機も
乗車券カウンター
乗車券カウンター

乗り遅れのないように、ターミナル内のサイネージ表示で、発車時刻は事前に確認しておきましょう。

発車時刻を知らせるサイネージ表示
発車時刻を知らせるサイネージ表示


明石海峡大橋、淡路島、大鳴門橋を経由し、高松へ一直線!

9:50定刻に三宮バスターミナルを発車した「フットバス」神戸うどん線は、新神戸トンネルを経由し、乗車扱いのために神戸市の箕谷インター口バス停へ。箕谷インターからは、阪神高速北神戸線~神戸淡路鳴門自動車道~高松自動車道を高松へ向けて走破します。

高松までの所要時間は2時間半あまり。大阪うどん線(大阪~高松)よりも所要時間が短いことから、サービスエリアでの休憩停車はありません。飲食物は事前に購入しておきましょう。

10:26、明石海峡大橋手前に位置する高速舞子バス停に停車します。高速舞子バス停は、JR舞子駅と山陽電鉄舞子公園駅と連絡しており、専用の連絡通路とエレベーターで移動することができます(徒歩7分程度)。神戸市垂水区や明石市方面からは、高速舞子バス停の利用が便利です。

高速舞子バス停
高速舞子バス停

高松エクスプレス「フットバス」神戸線_34 高速舞子バス停_02.jpg

高速舞子バス停を発車すると、目の前には明石海峡大橋が見えます。

バスは明石海峡大橋へ
バスは明石海峡大橋へ

明石海峡大橋は、本州と四国を結ぶ3本の本州四国連絡橋(本四架橋)ルートのひとつで、1998(平成10)年に共用を開始しました。この明石海峡大橋の開通で、本州~淡路~四国間を移動する流れが大幅に変わったといわれており、これにあわせて本州~四国間、とりわけ関西~四国間の高速バスが多数運行されるようになりました。

バスは本州と別れを告げ、淡路島に入ります。

バスは本州とお別れ
バスは本州とお別れ
明石海峡大橋を渡り淡路島へ
明石海峡大橋を渡り淡路島へ

明石海峡大橋を渡り、淡路島を縦断すると、今度は淡路島と四国を結ぶ大鳴門橋にさしかかります。大鳴門橋は、淡路島と徳島県鳴門市を結ぶ吊り橋で、「鳴門の渦潮」が見られる名所でもあります。

バスは大鳴門橋を渡り四国へ
バスは大鳴門橋を渡り四国へ

大鳴門橋を通過すると、バスはいよいよ四国へ。鳴門本線料金所を通過し、高松自動車道に入ると、ここから先は高松自動車道の各バス停(鳴門西・引田・大内・津田・志度・三木)に降車扱いのため停車していきます。

左手には鳴門市の街並みが
左手には鳴門市の街並みが

11:55に、高松中央インターを通過。ここからは、高松市内を走行し、高松駅方面へ向かいます。

高松中央インターから少し離れた高松中央インター南は、「フットバス」利用者専用のパーク&ライド駐車場が設けられており、降車時に乗務員からもらえるサービス券適用で48時間まで無料で駐車できます(以後は追加500円/24時間毎)ので、マイカー利用者には便利なバス停です。

ただし、他社運行のバスが停車する「高松中央インターバスターミナル」とは乗車場所もパーク&ライド駐車場も別ですので、特に乗車の際は注意が必要です。

バスは高松中央インター南に到着
バスは高松中央インター南に到着
高松エクスプレス「フットバス」神戸線_42 高松中央インター南到着_01.jpg

高松エクスプレス「フットバス」神戸線_43 高松中央インター南到着_02.jpg

その後、ゆめタウン高松、栗林公園前、県庁通りに停車し、数多くの高速バスが発着する高松駅高速バスターミナルには、ほぼ定刻の12:22に到着しました。

バスはほぼ定刻に高松駅高速バスターミナルに到着
バスはほぼ定刻に高松駅高速バスターミナルに到着

終点は、さらに25分ほど走行した国分寺バスターミナルですが、今回は乗り継ぎの関係でこちらにて下車することにしました。

高松駅高速バスターミナルは、JR高松駅に隣接した高速バス専用のバスターミナル。

高松駅高速バスターミナル
高松駅高速バスターミナル

のりばの前には、乗車券カウンター、トイレ、自動販売機を備えた待合室が完備されており、快適な環境でバスを待つことができます。

高松駅高速バスターミナルの待合室
高松駅高速バスターミナルの待合室

また、バスターミナルの近くには、「さぬきうどん」の店が数件あり、バスの発車前もしくは到着後に「さぬきうどん」の味を楽しめます。到着時がちょうどお昼時でしたので、私も近くのうどん屋で「さぬきうどん」を堪能。大変おいしくいただきました。

高松駅近くのうどん屋でいただいた「さぬきうどん」
高松駅近くのうどん屋でいただいた「さぬきうどん」


コンセント付き3列独立シートで神戸~高松間最安3,140円はお得!

神戸~高松間をJR乗り継ぎ(岡山で乗り換え)で移動する場合、片道普通運賃と新幹線特急料金(「のぞみ」指定席利用)の合計金額は7,070円となります。

これに対して、「フットバス」神戸うどん線は、神戸~高松間の片道普通運賃が3,900円です。

さらに、「フットバス」神戸うどん線には各種割引運賃が適用される場合も。

例えば、往復割引を適用すると神戸~高松間が片道3,500円、学生割引を適用すると片道3,120円で移動できます。他にも、事前購入割引「前割5」「前割21」もあり、21日前までに予約・購入で割引となる「前割21」にネット決済割引を併用すると、神戸~高松間の片道運賃が3,140円と、通常運賃の20%引きで移動することができるのです。

新幹線+在来線の電車移動と比較すると、所要時間もさほど差がなく、JRの半額近くの運賃で移動でき、さらに一部の便ではゆったり3列独立シート車で快適に移動できることから、コストパフォーマンスは相当高いといえるでしょう。

※各運賃は7月30日現在、バス比較なび調べ


まとめ

今回は週末の金曜日に利用しましたが、比較的空いていたことと、ゆったりとした1人掛けシートに、コンセント、Wi-Fiといった充実の車内設備のおかげで、高松までの移動時間を快適に過ごせました。

この路線のポイントは、やはり「利便性の良さ」「安い運賃」「車窓からの景色の素晴らしさ」なのではないでしょうか。

JR新幹線+在来線乗り換えの約半額で神戸~高松間を移動でき、移動時間も2時間半あまりとJRでの移動時間と大差がなく、しかも、明石海峡大橋に淡路島、そして大鳴門橋からの車窓景色が素晴らしい…久しぶりに“乗り得”な路線に出会えた気がしました。

「フットバス」の車両は、4列シート車、3独立シート車問わずゆったりとした車内が特長なのですが、お勧めは、やはり便限定で運行されている3列独立シート車運行便です。

■神戸うどん線「神戸~高松線」3列独立シートのバス便はこちら

「他の交通機関よりも安く移動したい」「車窓からの美しい景色を眺めながら移動したい」「隣を気にせずにゆったりと快適に移動したい」という方に、「フットバス」神戸うどん線3列独立シート車は最適なバスだと私は思います。

(須田浩司)

情報提供元:バスとりっぷ
記事名:「 ゆったり3列独立シートで神戸~高松を移動! 高松エクスプレスの高速バス「フットバス(神戸うどん線)」乗車記