気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表しました。5月もエルニーニョ現象が続いており、夏はエルニーニョ現象が続く可能性が高くなっています。秋にかけても続く可能性があります。

●5月の実況

5月のエルニーニョ監視海域の海面水温は基準値より高い値で基準値との差は+0.6℃、エルニーニョ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の3月の値は+0.7℃となり、7か月連続して+0.5℃以上でした。太平洋赤道域の海面水温は、インドネシア付近を除き、ほぼ全域で平年より高く、海洋表層の水温は中部を中心に平年より高くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より活発で、中部の大気下層の東風(貿易風)は平年より弱かったとみられます。 このような海洋と大気の状態は、エルニーニョ現象が続いていることを示しています。

●今後の見通し

太平洋赤道域の中部を中心に見られる海洋表層の暖水が東進し、東部の海面水温が平年より高い状態を今後しばらくの間は維持すると考えられます。エルニーニョ予測モデルは、今後秋にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値より高い値か基準値に近い値で推移すると予測していますが、不確実性が大きくなっています。以上のことから、今後夏はエルニーニョ現象が続く可能性が高く、秋にかけては平常の状態になる可能性もありますが、エルニーニョ現象が続く可能性の方がより高いとみられます。

●西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況

西太平洋熱帯域: 5月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値でした。今後秋にかけて基準値に近い値で推移すると予測されます。
インド洋熱帯域: 5月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値でした。今後秋にかけて基準値より高い値か基準値に近い値で推移すると予測されます。

●5月の日本と世界の天候への影響

日本: 5月は北~西日本で顕著な高温・多照となりましたが、エルニーニョ現象時の特徴と一致しませんでした。
世界: インドシナ半島、インドネシア、インド南部の高温はエルニーニョ現象時の特徴に一致していました。

●エルニーニョ時の日本の特徴

エルニーニョ現象発生時の日本の夏は、平均気温が、西日本で低く、北日本で並みか低い傾向。降水量は、西日本の日本海側で多い傾向です。秋は、平均気温が、沖縄・奄美、西日本で低く、東日本、北日本で並みか低い傾向です。