16日の欧米外為市場では、ドル・円は小じっかりの展開を予想する。米長期金利になお上昇余地が見込まれ、ドル買いは継続する見通し。ただ、北朝鮮が米国との首脳会談見送りを示唆しており、警戒的な円買いがドル・円の上値を抑えそうだ。

前日の海外市場では、米国の4月小売売上高で底堅い個人消費が示され、景気拡大期待を背景に米10年債利回りが一時3.09%台に上昇。ドル・円は110円をしっかり上抜け、一時110円45銭まで強含んだ。本日のアジア市場でもその流れを受け継ぎ、ドル・円は110円前半で底堅く推移。110円はサポート・ラインに転換したとみられ、今後も米長期金利の一段の上昇を手がかりにドル買いが続き、110円後半を目指す展開となりそうだ。

今晩は前日同様、欧米の経済指標が材料視される。欧州ではユーロ圏の4月消費者物価指数改定値の発表があり、下方修正ならユーロ売り・ドル買いになり、ドル・円を押し上げる可能性がある。また、米国の4月住宅着工件数や4月鉱工業生産の発表では、景気拡大期待が維持されよう。米10年債利回りは、アジア市場では前日比ほぼ横ばい推移となったが、次の節目である3.10%への上昇が見込まれ、引き続きドル買いの手がかりとなろう。

ただし、北朝鮮の非核化問題がやや警戒されている。報道によると、北朝鮮は本日予定されていた南北閣僚級会談の突然の中止を表明。それを受け、来月開催の米朝首脳会談に不透明感が広がり、リスク回避的な円買いでドル・円の上値が抑えられる可能性もある。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・4月消費者物価指数改定値(前年比予想:+1.2%、速報値:+1.2%)
・18:30 南ア・3月小売売上高(前年比予想:+4.7%、2月:+4.9%)
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-0.4%)
・21:30 米・4月住宅着工件数(予想:131.0万戸、3月:131.9万戸)
・21:30 米・4月住宅建設許可件数(予想:135.0万戸、3月:137.9万戸←135.4万戸)
・21:30 ボスティック米アトランタ連銀総裁講演(経済情勢)
・22:15 米・4月鉱工業生産(前月比予想:+0.6%、3月:+0.5%)
・22:15 米・4月設備稼働率(予想:78.4%、3月:78.0%)
・06:30 ブラード米セントルイス連銀総裁会見



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情報提供元:FISCO
記事名:「欧米為替見通し:ドル・円は小じっかりの展開か、米長期金利の先高観測で買い継続