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うちのホップがカワイイのでご紹介します。



ホップって植物なんですね!はじめて知りました


先日、普段ビールは飲むけどそこまで詳しくはない、という方が大半のコミュニティで「ビールの環境負荷」というテーマでプレゼンテーションをしたときに言われた一言です。



ブルワー(ビール職人)になってから当たり前のように日々触れているホップですが、数ヶ月前までかくいう自分もホップが一体何なのか詳しくは知らなかったなぁ、という最近の気付きから、今日のコラムは「ホップ」をテーマに書いてみようと思います。

ホップの「ホ」の字


こんにちは。髙羽 開(たかば かい)です。

新米ブルワーの週イチ連載「拝啓、ビール職人になりました。」、第4回です。



この連載を読んでくださっているみなさんの中には、ホップを実際に栽培したことがある方から、見たことも触ったこともないし、何ならホップがどんな姿かたちをしているのかも知らないという方まで、いろんな方がいらっしゃると思います。

僕はというと、現在働いている『Mukai Craft Brewing』がある仁淀川町内5か所で試験的にホップの栽培をおこなっていて、そのうちのひとつがブルワリー(醸造所)の目の前にあるので、毎朝出勤をしたらブルワリーに入る前にホップの成長を確かめて、雑草が生えていれば草抜きをします。そして、仕込みの日には、ペレット(小粒の棒)状に加工されたホップを使ってビールをつくります。(ビールづくりに使っているのは購入したホップで、自社で栽培したホップでビールをつくったことはまだありません)


そのくらいです。新米ビール職人であるのと同時に、新米ホップ栽培人(?)です。

数多く存在するホップの品種の特徴を知識として勉強したり、ビールづくりにおけるホップの役割を実際の醸造の過程で感覚としても学んだりはしていますが、まだまだ1本の記事にできるほどの知識と経験はありません。ホップの栽培も、これまで高知県の環境下でホップを育てた方がいないので、"ただただ手探り"です。

なので今日は、ホップの小難しい知識の話はほどほどに、日々の成長を観察する中で気づいた、ホップの「かわいさ」をみなさんにお届けしたいと思います。



「ホップについて何も知らないよ!」という方も中にはいらっしゃるかと思うので、ホップの「ホ」の字くらいの基本情報だけ先に書いておきます。


「ホップ」を一言で説明すると「蔓性の多年生植物」です。
蔓性(つるせい)とは、自分の力で体を支えるのではなく、他の樹木や物体を支えにすることで高いところへ茎を伸ばす性質のことを言います。多年生は、その字の通り「複数の年数を生きる」ということ。ホップは一度植えられると、「芽を出し、ツルを伸ばし、開花し、枯れて、また芽を出し...」という1年のサイクルを、10~30年続けることができる長生きな植物なんです。


ひとつひとつの植物体(株)で雄と雌が違っていて、ビールづくりに使われるのは雌株のみです。上の写真にもある、松ぼっくりのような形をした「毬花(まりはな・きゅうか)」という部分がビールの原料になります。

一般的に「ホップ」と呼ばれていますが、和名は「セイヨウカラハナソウ(西洋唐花草)」だそうです。


花言葉は、ホップを原料に作られるビールを適量飲むと、気持ちが明るくなることから「希望」「信じる心」「天真爛漫」「軽快」だそう。一方で、雌花だけが原料になり雄花は不必要なものとされていることから「不公平」、人類の歴史からビールが密売や密造とも縁が深いことから「不正」「不法」といった花言葉もあります。



そんなホップが栽培されている畑を少し遠くから見ると...


こんな感じです。ツルがつたって伸びるために、柱を立てて紐を張って育てるのが一般的。1年で7から12メートルほどの高さに到達するくらい、とっても成長が早い植物なんです。



日本国内のホップ栽培はというと、北海道と東北4県が主要産地で、生産量日本一は「ホップの里からビールの里へ」を合言葉にまちづくりもなさっている岩手県遠野市です。(遠野のホップ畑で、緑のカーテンに囲まれながらビールで乾杯することが、個人的、コロナが収まったらやりたいことNo.1です)

■関連記事:ホップの里からビールの里への挑戦。岩手県遠野市での取り組みを取材してきた!

これらの産地を見て「もしや?」と気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、ホップ栽培は、日射量が多く冷涼な気候が適していると言われています。暑さにはあまり強くない植物というわけです。世界的なホップの生産地も緯度35~55度という比較的涼しい場所に分布していて、このエリアは「ホップベルト」とも呼ばれています。東北地方の緯度はだいたい40度前後、日本のホップベルト南端(35度)は島根県や鳥取県あたりです。


『Mukai Craft Brewing』はというと、北緯33度の高知県でビールをつくっています。「南国」とも言われる高知県ですが、その中では比較的涼しい仁淀川町の山奥にブルワリーを構えているので、「きっとうまくいく」という希望的観測のもと、昨年からホップの栽培を開始しました。



では、このホップがビールづくりの過程でどんな役割を果たしているのかというと。

主に、
苦味を加える
香りを与える
泡持ちをよくする
殺菌効果を与える
です。

それぞれの役割を化学的にお話しするのも楽しいですが、少し長くなるのでそこについてはまた今度のコラムで書きたいと思います。





以上、ざっくりですが、ホップの基本情報でした。なんとなくホップというもののイメージができたでしょうか?

それでは、次にホップの「かわいさ」についてです。

懸命に生きる、うちのホップたち



昨年の秋に地上のツル部分が枯れて、地面の中で越冬したホップの根株から、いくつかの芽が出てきたのが3月下旬から4月上旬でした。

発芽してからは、それぞれの芽からどんどんツルが伸びていきます。上にも書いたとおり、ホップは蔓性の植物。ある一定の高さまで成長すると、自分で自分の体重を支えることができなくなります。

なのでホップは、ツルを伸ばし始めると同時に自分の身の回りに体の支えになるような物体を探します。


こんな感じで、ときに体を90度くらいぐにゃっと曲げてつたう先を探します。(かわいくないですか...?)

朝、出勤時には南を向いていて、昼食時には北、帰るときには東を、といった感じで、結構な勢いで体勢を変えます。もう必死です。


もたれる先を探していると、ときに近くにいる別のホップにぶつかって、絡んでいってしまうこともあります。


数日もすれば、そんなアクシデントが多方面で起きながらも...


お隣さんと束になって、自分だけでは辿り着けなかったより遠い場所に、支えを求めて突き進んでいました。


「はやく行きたければ、ひとりで行け。遠くまで行きたければ、みんなで行け。」というアフリカのことわざをまさか植物が体現するとは...です。



本来であればこのあたりで、ツルが伸びるための「柱の立ち上げ」と「紐張り」をしてあげればよかったんですが、優先しなければいけない他の業務もあったりで、なかなか手をつけられない日が数日つづき...


伸びすぎた自分の体重を支えきれず、ちょっとぐったりし始めたホップたちを見かねて、柱の立ち上げと紐張りをやっとこさ実施。


ここ最近は、紐につたって上へ上へと元気に成長しています。ひと安心。


これまで植物をきちんと栽培する、という経験をしたことがなかったんですが、植物に「かわいい」という感情を抱くことは、なんとも言えない不思議ですてきな感覚だなぁとホップを栽培してはじめて知りました。



最近では趣味でホップを家庭菜園されている方も増えていると聞きます。

僕はまだやったことがありませんが、自宅で収穫したホップの毬花を市販のビールに浮かべて、ホップの香りを楽しむ、という飲み方もあるそうです。気になる方は「ホップ 苗」でググってみてください。「ホップかわいい」という感情も漏れなくついてきます。


こちらはこちらで、今後も毎朝のホップ観察習慣を楽しみつつ、収穫したホップでビールをつくるときは、またその様子をこのコラムで書ければと思います!

それでは。




Cheers(乾杯)!!


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