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新たな韓国サスペンス映画『君だけが知らない』本作で長編デビューを果たしたソ・ユミン監督に聞くこだわり


数々の傑作サスペンス映画を生みだしてきた韓国。 刺激的でドラマチック、二転三転する物語の構図は、 韓国映画の真骨頂として多くの観客を魅了してきました。そしてこの度、緊張と衝撃では終わらない新たな韓国サスペンス映画 『君だけが知らない』が、10月28日(金)より日本公開となります。

主人公・スジン役には、「サイコだけど大丈夫」で日本でも一躍有名になったソ・イェジ、 夫・ジフン役には、実力派俳優として確固たる地位を確立しているキム・ガンウが抜擢された。 メガホンをとるのは女性監督のソ・ユミン。ホ・ジノ監督(『八月のクリスマス』『四月の雪』)のもとで 長年にわたり助監督や脚本を手掛け、本作にてデビュー作ながらも、2021年公開時に韓国ボックスオフィス初登場NO.1を記録しています。

ソ・ユミン監督にインタビューを敢行。作品への想いについてお話を伺いました!

――本作が長編デビューとなったわけですが、最初の作品と思えないほどの綿密に組まれたストーリーにうなりました。本作の制作で一番大変だったことを教えてください。

まずは、好意的に作品を観てくださってありがとうございます。本作はサスペンス・スリラーというジャンルなので、ずっと緊張感を持って映画的な楽しみを味わってほしいということを目標にしていました。どうやったら、観客の皆さんに緊張感を持ってハラハラしてもらえるか、悩みながら撮影しました。そして、サスペンス・スリラーでありながら、最後に感動も味わってほしいと思いましたので、そこが挑戦でした。

――100分という上映時間も、緊張感を持たせるために効果的に感じたのですが、監督の中でもこだわりはありましたか?

上映時間は意図した部分です。もともとのシナリオはもっと長かったのですが、100分を過ぎてしまうとどうしても緊張感って落ちてしまうんですよね。なので、思い切ってカット出来るところはして、100分程度におさめようと調整しました。

――いち観客としての意見ですが、本作の様なサスペンス・スリラーのジャンルは特に、シナリオを書くことに苦労しそうな気がします。

今回書いた物語は、1つの箇所を修正したらその前後も変えないといけない、という苦労がありました。ずっと映画作りに携わってきて、シナリオの修正というものはつきものですけれども、今回の様に1つの修正が物語全てに関わってくる…ということは大変でした。物語の一貫性を失ってはいけない、観客に「これは欠点だ」と言われてしまってはいけないので大変でした。

そして、ただのサスペンス・スリラーではなく感動も味わって欲しかったので、基本的には役者さんの怖がっている姿を撮りますが、場面によっては切なさを感じる演出をしなくてはいけない。それが上手く出来たなと思えたのが海のシーンでした。短いシーンではありますが、作品全体の切なさに良い効果をもたらしているかなと思います。

――海のシーンは私も大好きです。ソ・イェジさんとキム・ガンウさんのキャスティングの理由を教えてください。

2人のうち、キム・ガンウさんが先に決まりました。私も以前からいち観客として、キム・ガンウさんの演技を見ていて、とても好きでした。本作でキム・ガンウさんが演じたソヌジフンという役柄は非常に色々な面を持っているキャラクターなんですよね。優しい夫であり、疑わしい要素もあり、怖い面もあり、でも愛情を持っている人でもあり…。キム・ガンウさんは誠実な役から卑劣な役まで表情と技術で演じ分けてくれる俳優さんですので適役だと思いました。シナリオを渡してお会いした時に、自分なりにソヌジフンを分析して理解して、たくさんのアイデアをくださり、信頼出来る頼もしい俳優さんだなと感激しました。

ソ・イェジさんも、これまでドラマを観させていただく中で、か弱いイメージと芯のある力強いイメージを同居出来る方だと思ったんですね。スジンというキャラクターも記憶喪失に翻弄されながらもそれを打破していこうと動く、強い心を持っている女性ですので、ピッタリだと思いました。そして声がとても魅力的です。ソ・イェジさんの声で物語を進めてくださるというのがすぐイメージ出来ました。彼女にも「スジンという役柄が気に入りました」と言ってもらえました。

――おっしゃるとおり、ソ・イェジさんの声がすごく効いている作品ですよね。撮影中に印象的だったことはありますか?

一番最初の撮影が、結婚式のシーンと、2人で山にいってカナダのことを話すシーンでした。キム・ガンウさんと話すシーンで、ソ・イェジさんが涙を流しながら語っていて、撮影しているこちらにまで悲しみが伝わる素晴らしいお芝居でした。最初にそのシーンを撮って、「これから先の撮影も大丈夫だ」と、とても安心することが出来ました。

また、海のシーンですが、台本上では「あたたかい海」という設定でしたが、本当に寒かったんです。ソ・イェジさんもキム・ガンウさんも唇がブルブル震えてしまっていて。でも撮影がはじまると、その寒さを感じさせずに演じてくれて、驚きました。今観ても、良いシーンになっていて、俳優の皆さんのおかげです。

――監督は、本作の様なサスペンス・スリラーのジャンルで好きな作品、影響を受けた作品はありますか?

私はスリラー映画が大好きで、普段からよく観ています。本作を作る時にも、好きな作品をいくつか見直しました。ヒッチコック監督の『めまい』をはじめとする作品たちが一番影響を受けています。日本映画もとても好きで、特に黒沢清監督の作品が大好きです。

――韓国のサスペンス・スリラー映画もとても面白い作品が多く、ジャンルとして成熟している様に感じるのですがいかがですか?

韓国の中でスリラージャンルが定着したのは、まだ日が浅いと言えると思います。ポン・ジュノ監督が『殺人の追憶』を作ったあたりからたくさんの方に支持される様になったと思います。まだまだコメディやアクションに比べると本数は少ないかもしれませんが、「スリラーが大好き」という熱心な観客の熱を感じています。

――今回、長編に初挑戦してみて、楽しかったことや、今後のモチベーションにつながったことはありますでしょうか?

私はシナリオライターとしての活動が長かったので、一人で作業する時間というのは孤独だなと思っていました。今回監督をやってみて、とにかく色々な方と一緒に仕事が出来ることが楽しいなと感じました。スタッフ、キャストからたくさんのお話を聞いて、それを作品に反映させていく。大勢で一つの作品を作る喜びを一番に感じたので、これからもチャンスがあったら、どんどん映画作りをしていきたいです。

――今日は素敵なお話をありがとうございました!

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