今は元気でも、この先寝たきりになってしまったらどうしたらいいのかと不安を抱える飼い主さんは少なくありません。
特に、初めて老犬介護を経験する場合は、愛犬のためにどのような介護が必要なのか、介護の時間が増えると自分の仕事に影響はするのではないかと考えると心配が増えるばかりですね。
介護が必要とはどのような状態?
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毎日一緒に暮らしていると、いつの間にか年老いた愛犬の変化に気づきにくいものです。ハイシニアと呼ばれる年齢を迎えた愛犬の介護はいつから必要になってくるのか、シニア期の身体の変化と介護でどんなことをサポートするのか見ていくことにしましょう。
目が見えなくなる
愛犬が少しずつ視力を失う場合は、嗅覚や聴覚などの他の感覚器官で補えるので生活の中での不都合は少ないようです。それでも、ものにぶつかりやすくなったり、明るさの差が激しいところを怖がったり、寂しそうな声を出したりと行動の変化がみられます。障害物がないかよく確認するように気を配ってあげましょう。
通り道に物を置かないようにしたり、家具の角にはクッション材を貼るなどの工夫をしてケガをすることがないようにしましょう。これまで以上に声をかけて不安をなくしてあげることも大切です。
後ろ足が弱る
多くの老犬は後ろ足から弱り始めます。立ち上がるのに時間がかかったり、震えたり、踏ん張ることができなくなってきます。できるだけ自分で歩ける機能を維持するためにも散歩が無理なくできるようにサポートしてあげる方法を考えておくと良いでしょう。
トイレの失敗が増える
視力が衰えることによってトイレの場所が分からなくなったり、粗相をしてしまうことも老犬の特徴です。なかには、関係部位の筋力の低下により眠りながらお漏らししてしまうワンちゃんもいます。
大きめの防水シートをトイレのトレーの下に敷いて、トイレの面積を広くしたり、愛犬が利用しやすいように場所を変えてみることもできるでしょう。犬用のおむつが必要になることも考えられるかもしれません。
ご飯が食べづらい
ご飯を自分で食べることが難しくなったら、ソフトスプーンやシリンジで少しずつ口に入れてあげます。飲み込む力が弱い場合は、ご飯をペースト状にしたり、喉越しが良くなるようにとろみのついたスープ状にしてあげたほうが良いでしょう。
夜中に鳴く
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ハイシニアになると、夜中に突然鳴きだすことがあります。老犬の夜鳴きは、認知症が進行している代表的な症状ですが、認知症かどうかの判断は難しいため獣医師に判断してもらうと良いでしょう。夜鳴き対策は、昼間は明るい日差しを浴びさせたり、できるだけ起こしたりして、夜に眠れるように睡眠のサイクルを整えることができます。
夜鳴きのせいで家族や介助者が睡眠不足になるのは深刻な問題です。獣医師に相談の上、お薬を使うこともできるので選択肢として覚えておくことができるでしょう。