2019年12月2日



株式会社小学館



国語辞典『大辞泉』がいち早く「新語大賞2019」を発表!大賞は【イートイン脱税】!



株式会社 小学館(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:相賀昌宏)の国語辞典『大辞泉』編集部は、明治大学国際日本学部の田中牧郎教授をお招きし、一般の方々より寄せられた1,927本の投稿の中から「大辞泉が選ぶ新語大賞2019」を選定。他の新語とともに『大辞泉』各種アプリなどに正式に収録・掲載することをお知らせいたします。



■第4回「大辞泉が選ぶ新語大賞 2019」はこの言葉に決定いたしました!

大賞 =【イートイン脱税】



[投稿語釈]食品を持ち帰り税率の8パーセントで会計して、イートインで食べること。本来であればその場で食べる場合は税率10パーセントで会計しなければならない。



次点=【闇営業】

芸人がプロダクションを通さないで仕事を請け負うこと。また特に、裏社会からの誘いで仕事を請け負うこと。



次点=【にわかファン】

これまで関心がなかった物事に対し、流行等で急に興味を持ち、その事柄についてよく知っていないがファンになる人のこと。



※これらの語釈は一般から投稿されたものです。正式な語釈は編集部が執筆陣に依頼し、今後の改定時に『デジタル大辞泉』のデータとして収録される予定です。





●投稿数ベスト10は以下の通りです。



第1位 【タピる】       114本

第2位 【令和】        102本

第3位 【上級国民】            52本

第4位 【ワンチーム】       22本

第5位 【闇営業】         19本

第6位 【タピ活】           17本

第7位 【草】【草生える】     16本

第8位 【ポイ活】             14本

第9位 【イートイン脱税】     13本

第10位  【にわかファン】    10本



●「大辞泉が選ぶ新語大賞」発表ページ  http://www.daijisen.jp/shingo/

も、ご参照ください!



■ 特別選考委員・田中牧郎教授による選評

今年は平成から令和への改元があり、【令和○○】といった言葉が多く投稿されると思っていましたが、意外にもほとんどありませんでした(【令和】自体は100件以上ありました)。新しい時代に入ったばかりで、「令和を象徴する」といえる社会現象などがまだ起きていないからなのでしょう。今後、どんな令和ワードが生まれてくるのかに期待です。大賞には、編集部と協議のうえ【イートイン脱税】を選びました。しかし「脱税」という厳しい言葉が付いていますが、厳密に言えば、お店が「持ち帰り」と認めて販売した時点で商取引は終わっており、お客さんがその後、気が変わって店で食べる行為の処罰は難しいんだそうです。イートインスペースに食べ物を持ち込んで食べる迷惑客と本質的には変わりません。税率8%だったとは言え、自分の店で買った客に退店や会計のやり直しを迫ることは難しいでしょう。このため、他の客が「それ、8%で買ったんだろ」と指摘する【正義マン】といった言葉も生まれています。細かい「正義」を四角四面に押しつける人のことですが、それはそれで、社会を殺伐とさせる行為でしょう。一方、次点に選んだ【にわかファン】は決して新しい言葉ではありません。しかし、従来、とくにサッカー・ワールドカップのときだけ盛り上がる人たちを、コアなファンが揶揄する言葉でしたが、ラグビー・ワールドカップでは、「【にわかファン】おおいに結構! 一緒に楽しもう!」という雰囲気がありました。もともとサッカーほどメジャーでない競技ゆえでしょうか、「楽しい!」と言ってくれる新参者を、先輩ファンが温かく受け入れてくれている、そんな微笑ましい言葉だったと思います。



田中牧郎(たなか・まきろう/明治大学国際日本学部教授)

1962年・島根県生まれ。東北大学文学部・卒業。東北大学大学院文学研究科・修士課程修了。東京工業大学大学院社会理工学研究科・博士課程修了。明治大学国際日本学部・教授。国立国語研究所・客員教授。日本語学会・評議員。日本医学会・用語管理委員。著書は『図解 日本の語彙』(三省堂/共著)。『近代書き言葉はこうしてできた』(岩波書店)。『コーパスと日本語史研究』(ひつじ書房/共著)他。





■「大辞泉が選ぶ新語大賞」とは

2013年の初開催以来毎年開催され、一般の方々から様々な言葉のイメージを募集して好評をいただいている『大辞泉』の「あなたの言葉を辞書に載せよう。」キャンペーン。今年も5月18日(ことばの日)から11月17日まで開催いたしました。そして、そのスピンオフ企画として同時開催されていたのが「第4回 大辞泉が選ぶ新語大賞 2019」です。

毎年たくさんの新しい言葉が生まれ、その年の象徴として年末の大きな話題となっていますが、その中に、“後世まで残る新語”は一体いくつあるのでしょうか?そこで本企画では、まだ辞書に載っていない「新語」を、ツイッター等から一般の方々より広く募集。その中から『大辞泉』編集部が“辞書に載る新語”を毎月選定・発表し、実際に『大辞泉』に載録いたします。そして本日、その中から最も影響力のある新語を「大辞泉が選ぶ新語大賞」として選定し発表いたします



2018年の大賞=【空白恐怖症】  2017年の大賞=【インスタ映え】  2016年の大賞=【トランプショック】



○名称:第4回 大辞泉が選ぶ新語大賞 2019 ~あなたの新語も辞書に載せよう。~

○実施概要:キャンペーンサイトおよびSNSで『大辞泉』に未収録の新語と、新しい意味が加わった既存語を募集しました。編集部が大賞候補となる月例賞を毎月選定し、2019年12月2日に「大辞泉が選ぶ新語大賞2019」を発表。それらの言葉の語釈を編集部が執筆陣に依頼し、順次『大辞泉』各アプリに収録。goo辞書、コトバンク、ジャパンナレッジでも順次掲載します。

○投稿募集期間:2019年5月18日(土)~11月17日(日)  



■ キャンペーン期間中に毎月選出された「今月の新語」(月間賞)

5月

【上級国民】一般国民とは違う特別待遇を得られる国民。

【育自】育児は子供を育てるという意味だが、子供を育てながら自分自身の修業であり、親自身も成長をしていくという意味。

【オムチェン】(おむつチェンジの略)こどものオムツを新しいものに交換すること。

【神対応】対応困難な場面やトラブルなどの場面での対応の仕方が素晴らしいこと。

【生涯スポーツ】元気なお年寄りが、健康の為始めたスポーツにはまり、スポーツを頑張ってすること。

【ミスジェンダリング】個人が決定するべきジェンダーを、当事者でない外部の人間が本人の意志を無視して決定し、それが本人の決定と異なること。

【やらかい】柔らかいの事を最近は短縮はしょってやらかいと言う。でも正式にはやわらかい。

【ずこー!】ずっこけるような時に使います。幼稚園で覚えてきた娘が毎日使っています。



6月

【バイトテロ】アルバイト店員が、バイト先で非道徳的・非常識・または非衛生的な行為をあえて行い、それらをSNSを通して世界中に発信すること。

【拡大自殺】絶望感にさいなまれ、強い自殺願望を抱いているが、ひとりで死ぬのは嫌だバカらしいと考え、誰かを巻き添えにして死のうとすること。

【ネオクラシックカー】本格的なクラシックカーではなく、比較的新しい、昭和の終わりから平成の始まり頃の車。

【闇営業】芸人がプロダクションを通さないで仕事を請け負うこと。また特に、裏社会からの誘いで仕事を請け負うこと。

【反社会的勢力】暴力・強迫・ゆすり、詐欺・売春など犯罪を行うことで生活を営んでいる人々。裏社会の人々。

【ロマンス詐欺】婚活サイトや出会いサイトの写真や会話でイケメンに成りすまし、女性を騙して送金させる詐欺。

【突る】突撃する。

【界隈】俗に、特定の同じ趣味を持っている人たち。



7月

【責任世代】会社内である程度の地位とそれに伴う責任を負っている世代。中間管理職に居てもおかしくない年齢の層を指す。

【にこいち】2つのものを合わせ、1つのものを作ること。たとえば2つの車体から部品を取り、1台の車を組み立てること。

【こんにちはしてる】はみ出ていること。

【政党ロンダリング】時流を見て所属政党を次々に変えたり、悪いイメージがついたと感じると党名を変えて元々の立場や考えをわかりづらくさせること。また、選挙前に一旦離党して無所属として立候補、当選後に出身政党に戻ること。

【沼】趣味などに、引きずりこまれるほどのめり込んでいる状態のたとえ。



8月

【ホストタウン】オリンピックに参加する特定の国のお世話をする国内の市町村。

【ハンディーファン】持ち運びできる小型の扇風機。

【ギガ不足】スマートフォンなどでの通信をやりすぎて通信容量が月の契約ぶんを超えること。

【転売屋】転売を行う人。

【察してちゃん】要求や説明をしないのに、自分の気持ちを察してほしいと願う人。

【お悔やみ詐欺】新聞のお悔やみ欄で故人を見つけ、遺族から架空請求で金をだまし取ろうとする詐欺。

【へたっぴ(い)】下手(へた)。



9月

【乱横断】赤信号で横断歩道を渡ったり、横断歩道ではない場所で横断するなど、道路の危険な横断。

【ミートテック】皮下脂肪。また、自分の贅肉で温まること。肉とユニクロのヒートテックを合わせた語。

【おなかいっぱい】①飲食によって腹が満たされているさま。②あることをして気持ちが十分に満たされているさま。また、そのことにはもうあきあきしたさま。

【新卒ガチャ】新卒で企業に入社したが、運が良ければ上司・仕事に恵まれ、運が悪ければ両者に恵まれず出世コースから遅れるか、手に職がつかないで残業だけが多かったりすること。

【ラグい】動画をライブ配信できるサイトなどで、ネット回線が悪く、双方に時間差が生まれてしまうこと。タイムラグの「ラグ」から。

【集合体恐怖症】粒や塊が集合している状態の写真等を見ると恐れを感じてしまう人々の症状。

【リアチン】リアルチングの略。チングとは韓国語で友達の意。ネットの友達の反対で現実の友達。

【フレネミー】友達を装った敵。普段はまるで仲良しな友達のように振る舞っているのに、じつは相手を陥れてやろうとたくらんでいる。



10月

【電力トリアージ】電力についての 緊急度に応じて復旧や修理や搬送などの優先順位を決める「トリアージ」のこと。

【はこおし】アイドルグループの個人を応援するのではなく、グループ全体を応援すること。推すこと。

【イートイン脱税】食品を持ち帰り税率の8パーセントで会計して、イートインで食べること。本来であればその場で食べる場合は税率10パーセントで会計しなければならない。

【涙活】意識的に涙を流そうとする活動。映画や読書などにより、涙を流すことで心の浄化を図る。

【正義マン】イートイン脱税を勝手に取り締まろうとする人のこと。

【市民ライター】プロを目指して休日等に小説などを書き、各種公募等に投稿し続けている人。

【にわかファン】これまで関心がなかった物事に対し、流行等で急に興味を持ち、その事柄についてよく知っていないがファンになる人のこと。

【置き餌】動物(主に猫)に与える餌を、給餌の度に片付けることをせずに、置きっぱなしにすること

【学畜】ほぼ毎日、学校の部活や勉強などに追われ、私生活の時間をなかなか捻出できない状況にある人。



11月

【災後】災害に遭遇した後。被災した後。

【三次喫煙】喫煙者が自身の肺に吸い込む「一次喫煙」に対して、喫煙者が吐き出した煙や保持するタバコの先から立ち上る煙などが大気を経由して他人に吸入されることが「二次喫煙」である。三次喫煙は、受動喫煙が終わった後も表面上にまだ残る有害物質を吸入することである。

【父子規制】お盆休みに、母親を同伴せず子どもだけを連れて父親の実家に帰省すること。

【定期】繰り返される話題または言葉の返し方。鉄板ネタ。



※【界隈】【沼】【定期】は既存後の新語釈です。

※本リリースでご紹介しているのは、一般の方による「投稿された語釈」です。これらがそのまま収録されるのではなく、編集部が新たに執筆陣に依頼し、今後の改訂時に『デジタル大辞泉』のデータとして正式に収録される予定です。なお、一部の新語は、今年8月改訂時に既に収録済み。大賞の【イートイン脱税】は12月改定時に収録されます。



■メインキャンペーン「大辞泉 あなたの言葉を辞書に載せよう。2019」とは

 言葉の意味や使い方は、時代とともに日々進化し、変化してゆきます。小学館の国語辞典『大辞泉』は、時とともに変わりゆく言葉、時が経過しても不変である言葉、そのどちらも日々とらえて更新し続けている「生きている」国語辞典です。

「あなたの言葉を辞書に載せよう。2019」は、【令和】【誠意】【東京大学】【官僚】【本】【妻】【夫】【アルバイト】【盛る】【アダルト】といった10の言葉のイメージ(意味)を皆様から広く募集し、年代や性別、人によって解釈が違う言葉の姿を、様々な角度から改めて捉え直してみようという試みです。本サイトでは、キャンペーン期間中に投稿いただいた全てのイメージが自由に閲覧できます。

http://kotoba.daijisen.jp/



■これまでの「あなたの言葉を辞書に載せよう。」キャンペーンへの反響

「変わり続ける言葉を、捉え続ける、生きている国語辞典」を編集方針に、デジタル編集に特化した『大辞泉』の特徴を体感できる本キャンペーンは、過去6回のキャンペーンを通じて、計3万5400作品を超える言葉のイメージ(意味)が寄せられました。そこから選ばれた優秀作・計515本が『大辞泉』デジタル版で公開されています。一般の方々が考えた独自の言葉のイメージ(意味)が、実際に「国語辞典」に掲載されるという革新性から、各メディアで大きな話題となりました。

伝説のTV番組『笑っていいとも!』では、「国語辞典をアップデート 目指せ!言葉の達人」としてコーナー化され、板倉俊編集長が審査員として出演。タモリ・草彅剛・木下優樹菜ら出演者各氏の独創的な作品が、一般作品とともに『大辞泉』デジタル版に現在も掲載されています。また昨年は日本テレビの情報バラエティ番組『ニュースな日本語』でもコーナー化。MCを務めたカズレーザー氏の作品も新たに採用されており、回を追うごとに注目を集めています



■『大辞泉』はネット&デジタル時代にマッチした“生きている国語辞典”

 新しい言葉の採録に積極的に取り組んでいる“生きている国語辞典”『大辞泉』のデジタル版データは、最新採録語数・約30万5,316語(2019年11月現在)に達し、ネット辞書のなかでもナンバーワン。さらに毎年3回、毎回約2,000語の新語・新語釈を追加し定期更新しています。

 その先進性が評価され、コトバンク、goo辞書など国内主要ポータルサイトの辞書データとして採用されているほか、主要な電子辞書にも搭載されています。デジタル時代にマッチした国語辞典として、今後も日々生まれゆく新しい言葉をキャッチし、立項・アップデートしていきます。



■『大辞泉』公式ウェブサイトでも情報発信しています

“生きている国語辞典”『大辞泉』の知られざる特長、幅広い展開事例、関連する著名人のメッセージ、関連最新ニュースなどをご覧いただけます。『舟を編む』の小説家・三浦しをんさんからの特別メッセージも読めます!

http://www.daijisen.jp



■『大辞泉』公式フェイスブックページで「ことば」の解説を毎日投稿しています!

『大辞泉』公式Facebookページでは、さまざまな「言葉」について、その語源や使用法など“おもしろくてためになる”情報を編集部が掘り下げて、毎日投稿しています。時事ネタに由来する言葉や新語・流行語など、思わず友達に「シェア」したくなる話題が満載です。

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■『大辞泉クイズ ことばの総泉挙』実施中!一日一問で「言葉の達人」を目指せ!

『大辞泉』公式ウェブサイト内のコーナー「大辞泉クイズ ことばの総泉挙」では、間違いやすい言葉の用例について毎日一問ずつクイズ形式で出題し、みなさんの言葉のセンスと知識に挑戦しています。楽しみながら「言葉の達人」を目指せるこのコーナーに、ぜひ一度遊びに来てください。

http://ssl.japanknowledge.jp/daijisen/index.php



情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 国語辞典『大辞泉』が選ぶ今年の新語大賞は【イートイン脱税】に決定!次点は【闇営業】と【にわかファン】