満腹感の決め手は「ほかほか・とろとろ」?どか食い・むちゃ食いを防ぐ胃のトレーニングとは

「一生太らない魔法の食欲鎮静術 食事瞑想のススメ」(著:松尾伊津香)より



食べながら腹八分目の境界線を見つける


 


「20分待つと少量でも満腹になれる」という話を聞いたことがありませんか?


食べ物を口にしてから「お腹いっぱいだ」と感じるまでには、だいたいそれくらいの時間がかかります。


だから多少の物足りなさを感じても、20分待てば自然と満腹になり、食べ過ぎなくて済むというものです。


20分という時間差は、


空腹ホルモン(グレリン)と満腹ホルモン(レプチン)が


別の場所か出ていることから起こります。


空腹ホルモンはダイレクトに「胃」から分泌されるのに対し、


満腹ホルモンのほうは「脂肪細胞」から発せられます。


脂肪細胞に到達するまでには、食べ物が胃に入ってから血液を経由しなければなりません。


その間にも、胃は「おなか減ったよ~」という信号をどんどん出し続けているため、


ガツガツ食べすぎると、


満腹感を感じる前に大量のカロリーを摂取することになり、


ようやく満腹のサインが出る頃には、


胃が量を詰め込みこれ以上食べられなくなった状態に達してしまうというわけです。


でも、「待て」と言われて待てるようなら、苦労はしません。


少量のサラダとスー プで何度かやってみましたが、かえってイライラが募るばかりでした。


10分もしないうちにそわそわしてきて、気づけば部屋にあったポテトチップス一袋を一気に食べてしまうという残念な結果に……。


やっぱり、待てないものは待てないのです。


じゃあ、いったいどうすればいいのでしょうか?


答えは簡単です。脳やホルモンに頼るのではなく、胃がきちんと満腹感を得られる食べ方をすればいいのです。


具体的には、「温度」と「重さ」。


この2つに着目し、胃の感覚を研ぎ澄ませていきます。



胃に入った食べ物の重さと温度を感じることで、自然と胃からの「これで 充分」「もういらない」という声を感じられるようになっていきます。


20分もじっと我慢しなくても、しっかりと胃を満足させてあげることができます。


腹八分目できちんと食べることをやめられる人は、胃の感覚を感じとることに長けています。


そのポイントが分かっているからこそ、「もういらないな」と、スッパ リ食事をやめられます。


では、「これ以上食べるとつらいな」というところを、これから一緒に見つけていきましょう。


満足感の決め手は「ほかほか」「とろとろ」 


胃の満足感をわかりやすく高めてくれるのは、まず「温度」です。


寒い外で温かい飲み物を飲んだとき、ほっこりと体と心が温まった感覚を感じたことはないでしょうか。


温度は胃に直接的に満足感を与えてくれるので、自然と食欲が落ち着きやすくなります。


そもそも、体は食べ過ぎを欲していません。


エネルギーを余分に摂りすぎると、無駄な消化活動を強いることになり、かえって疲れてしまいます。


エネルギーの過剰摂取は、体にとっては負担でしかないのです。


普段、そんな体を代表して、胃は、しっかりと主張しています。


「これでもう十分足りているよ」


「これ以上はいらないよ」


その声に、気づけるようになりましょう。


このように「温度」は胃ですぐに感じとりやすく、誰でも実感しやすい利点があります。


ですので、満足感をすぐに高めたいときには温度を利用するのは非常に有効です。


同時に、もしお腹をポッコリ張り出させたくない場合、


たとえば水着になる、とか撮影がある、など


固形物が食べられない状況のときは、


この温度を利用するのがお勧めです。


その際の注意事項!


温かいお湯・お茶・コーヒーには気をつけてください。


たしかに、さ湯は温かく胃でも温度が感じられますが、その温度は継続しません。


胃の中ですぐに冷えてしまって逆に胃に不快感を与えてしまい、食べたくなってしまう可能性があります。


もし、満足感を継続させるために飲むのであれば、


・お味噌汁などの発酵食品


・生姜湯などのとろみのあるもの


・温かい乳製品


などは、胃に温かさが残りやすくお勧めです。


それから、スタバのホットスチームミルク(ソイミルク)なども、心も胃も満足させてくれるでしょう。



パンよりごはんで重さを感じる

胃の満足感を高めるもう一つのポイントが「重さ」です。


普段、こんなことはありませんか?


「夕飯は食べたはずなのに、まだ何か食べられるものがないかと探してしまう」


あるいは、こんなこと。


「おにぎりであれば1個で十分なのに、パンになると2個も3個も入ってしまう」


原因は、どちらも胃に「重さ」が足りていないからです!


満足感を得るためには、胃で、ある程度の重さを感じることが必要なのです。


胃の感覚を研ぎ澄ますためには、炭水化物はごはん、つまりお米から始めることをお勧めします。


というのも、パンは重さを感じにくいからです。



パンは水分を飛ばした食べ物だから、2個も3個も無理なく胃に入ってしまいます。


対するお米はというと、水分を吸った食べ物なので重さがあります。


おにぎり1個で胃にかなりの重みを感じるため、食べ過ぎを未然に防ぐことができます。


手間・時間・お金をかけなくてもミラクルが起こる「おいしいやり方」 



自分の舌先で感じている味覚に集中すること。


そして、胃で感じている温度と重みをしっかり受け取ること。


食欲鎮静できるかどうかは、この2点にかかっています。


 


まずは舌先に食べ物をあててじっくりと味わい、


 


次に胃で温度と重さを感じる


 


やることは、これだけです。


とてもシンプルですが、より効果を高めるためには、①と②の連携が大事になってきます。


スムーズに腹八分目を叶えたいなら、「ひとくち食べたら胃の声を聴く」ようにしてください。


くれぐれも、最初のひとくちを飲み込んだら、すぐに次のひとくちを入れないこと。


②に進むのは、胃の中に食べ物が入ったことをしっかり確認してからです。


次の一口を入れる前に、このプロセスは絶対に飛ばさないでください。


特別な準備や壮大な覚悟はいりません。


しいて言えば、食事の時間が10分程度伸びるくらいです。


手間も時間もお金もいらない、こんなに「おいしいやり方」があるのに、


「忙しいから」


そんな理由で試さないのは、やはりもったいないと思うのです。


食べるとは、命をいただくことです。


毎食丁寧に味わい、食べること、そして食べる物にしっかりと向き合いましょう。


そうすれば、食欲の支配やリバウンドの苦しみから解放され、本当に食べたいものを美味しく味わえる喜びを感じられるようになります。


そして、毎日美味しく味わっているうちにきれいにやせて、


仕事も家庭も人生も、すべてが幸せであふれ出す……。


たった10分のひと手間が、あらゆるミラクルを連れてきてくれるのです。


 


「ナッツ・マジック」トレニング 


最初は、胃の感覚なんてよくわからないと思うかもしれません。


そんな方のために、胃の感覚を研ぎ澄ますトレーニングをお教えします。


その名も「ナッツ・マジック」です。


 使うのは、アモンドとクルミ。


どちらもナッツの一種で、おつまみやおやつとして親しまれていますが、


実はこの2つ、胃に入ったときの「温度」と「重さ」が全く違います。


クルミは胃で熱くならず、重さもほとんどありません。


対するアーモンドは、反対にとても熱く、重さもしっかり感じられます。


この違いを感じ分けるには、結構な集中力が必要です。


次の手順で何度かトレーニングしているうちに、胃の感覚をより研ぎ澄ますことができるようになります。


 


「ナッツ・マジック」トレニングのやり方


 


アーモンドとクルミを用意します


 (できれば素焼きで行いましょう) 


 


まずはアーモンドをよく噛んで食べましょう


(飲み込んだら、胃の中にアーモンドが入ったことを確認し、その胃の感覚をしっかり覚えておきます) 


 


次にクルミを良く噛んで食べます


(こちらも飲み込んだら胃の中にクルミが入ったことを確認し、胃の感覚が先ほどのアモンドの感覚とどう違うのかを比べてみましょう) 


 


ちなみに、ここでいう「熱さ」とは、レンジで温めたような熱さではありません。


じんわりと広がるような温かさです。


その胃の感覚に耳を傾けられるように、飲み込んですぐに口に食べ物を入れないようにしましょう。









『一生太らない魔法の食欲鎮静術 食事瞑想のススメ (Business Life)』

(クロスメディア・パブリッシング)






 


情報提供元: BUSINESS LIFE
記事名:「 満腹感の決め手は「ほかほか・とろとろ」?どか食い・むちゃ食いを防ぐ胃のトレーニングとは
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