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新型スズキ・隼(ハヤブサ)のディテールを徹底解剖


スズキのフラッグシップモデル「隼(Hayabusa/ハヤブサ)」がフルモデルチェンジされ、2021年2月末頃より欧州、北米、日本などの全世界で順次販売を開始。ここでは新型の隼を徹底解剖。まずはデザイン面からレポートしよう。


REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

フルモデルチェンジされた新しい隼(ハヤブサ)の開発コンセプトは「究極のスーパースポーツ」

1999年に登場したスズキのスーパースポーツモデル・隼。写真左は3代目となる新型、写真中は2代目、写真右は大ヒットした初代。

初代&2代目の外観を継承した新型(3代目)デザインコンセプトは「洗練された野獣」

フルモデルチェンジされた3代目のスズキ・隼(ハヤブサ)。

 フルモデルチェンジされた3代目のデザインコンセプトは、「洗練された野獣」。 ライディング性能を向上させるとともに、外観デザインは最新の電子制御システムによって進化したインテリジェンスを視覚的に表現。パワー、パフォーマンス、大排気量車ならではの存在感、超高性能なエンジンや足周りが繰り出す驚異的な走行性能に相応しい、大胆なスタイリングを目指しているのがポイントだ。




 攻撃的なスタイルを獲得した新型は、エキゾーストパイプから直線的に流れる、より薄くてコンパクトなマフラーの設計に多大な労力を費やしたという。これにより、リヤビューが明るくなり、コンパクトにまとまったイメージを演出。シャープで斬新な各部デザインとの組み合わせで、隼独自のアグレッシブなスタンスを強調している。




 新型の隼は、高級感に満ちたモダンなルックスも特徴。フルカバードされたカウリングや燃料タンクまで、より高品質で豪華なフォルムを実現。シャープで角張った個性的なバックミラーの外観は、その典型的な一例だ。




 隼の縦置きヘッドライトは、初代&2代目とも意図的に大きく、大胆なスタイリングにデザイン。そのため新型のデザインは、大型の「スズキラムエアダイレクト」の間にきちんと収まる、よりタイトで角張った外観を想定。印象的な新しいエッセンスを加えることで、アッセンブリを目立たなくしている。




 フロントカウルのエアインテークに隣接するのは、ウインカー機能を備えた新採用のポジションライト。両者はフロントカウルに沿って逆流するようにデザイン。前モデルのようなウインカーの突起をなくし、美しい垂直線を形成しているのが特徴だ。

イメージスケッチ

イメージスケッチ

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新型の隼(ハヤブサ)、デザインのポイントはココ!

・スタイリングは全般的に、隼伝統の風切りシルエットを継承しつつ、高度なパフォーマンスとモダンなイメージを演出。




・アップテール、大胆なリヤコンビネーションライト、エキゾーストパイプからマフラーエンドにかけての、真っ直ぐでアグレッシブなスタイル。




・大きくて大胆かつ複雑なカウル形状を採用。シャープで空力的なミラーデザイン。新しいデザインの7本スポークホイール。




・よりタイトで大胆なヘッドライトデザインや、ウインカーを備えた革新的なポジションライトによって表現された精悍なフロントマスク。




・高い空力性能をイメージしたツートンカラーのボディ。カラーは3色あり。




・パワーとスピードをアピールする、サイドカウルに装備されたクロームメッキのV字型モールディング。




・スピードと洗練さを高めた、新しい「隼」「Hayabusa」のロゴ。

ブラック/ゴールド。

シルバー/レッド。

ホワイト/ブルー。

極限の空力性能を目指した、スズキ最高峰のボディワークに注目!

 隼の代名詞でもある最高速300km/hという領域では、空力性能は極めて重要な項目。スズキのエンジニアは最新の分析ツールを使用し、高度な風洞試験を最大限に活用。長年に渡って蓄積したデータやハウツーも駆使した結果、隼はスズキ車の中でも、トップレベルの抗力係数を実現した。




 サイドカウリングのエアダクト前のV字型クロームメッキモールディングは、エンジンからマフラーに流れるスタイリングアクセントを生み出し、エンジンから発せられる膨大なパワーを視覚的に表現しるとともに、ライダーの足から風を引き離してくれる。




 また、ハンドルバーの近くの上部カウルの側面から伸びる黒いプラスチックのアクセント部分は、ライダーの肘とナックルを保護。




  究極の空力特性を目指し、新型はミラーのデザインを大幅に変更。また、クラッチレバーとブレーキレバーには穴を設置。空力性能に貢献するとともに、超高速域にて発生する風圧がブレーキレバーを押す可能性を減少している。




 新型では標準装備部品より38mm高い、防風性を高めた新しいフロントガラスも純正アクセサリーとしてスタンバイ。純正アクセサリーのラインナップは、下記を参照。

左)ワイドだが究極の空力特性を目指してデザインされたフロントマスク 中)新型は空力抵抗をとことん吟味し、ミラーのデザインを大幅に変更 右)クラッチレバーとブレーキレバーには穴を設置

 前モデルに比べ、新型のサイレンサー部は可能な限りコンパクト化し、前モデルよりもリヤの重量を2054g削減。軽量な700gの新しいシートレールとの組み合わせにより、質量を前方に移動させ、50:50のフロント:リヤの重量配分を実現した。ニューデザインの7スポークホイールは、見た目だけでなくグリップ感も向上。




 豪華なハンドル周りを演出する新しいハンドルバーは、前モデルよりもハンドル位置を12mm近付けることで、快適性を大幅に向上し、疲労を軽減。固定方式の見直し等により、振動を最小限に抑えているのも特徴だ。

左)サイレンサー部をコンパクト化し、前モデルよりもリヤの重量を2054g削減 右)前モデルよりもハンドル位置を12mm近付けることで、快適性を大幅に向上

グラブバーは人間工学に基づいたデザインが特徴。前モデルよりも持ちやすさを向上させた。

最高峰である隼ならではの、カラーとデザインによる視覚的表現のポイント

 隼のカラーコンセプトは、隠れた可能性の視覚的表現を高めること。具体的には、2トーンの配色を施した2次色のスプラッシュ。これらは隼の空力形状に沿って、ライダーの周りをスムーズにスライドする空気の流れを表している。




 もう一つの例は、鋭いラインを描く、サイドカウルに設けられたクロムメッキのV字型モールディング。エンジンの上部からマフラーに流れるアクセントを追加することで、大排気量1340ccエンジンのパワフルさをイメージさせ、究極のパワーと最高速度のパフォーマンスを遺憾なくアピール。

空気の流れをイメージしたボディデザイン。

パワーと最高速度のパフォーマンスもアピール。

各部に個性的な「隼(Hayabusa)」のロゴデザインやアクセントを配置

 ロゴは「隼」「Hayabusa」ともに、個性的でシャープなイメージにデザイン。英語のロゴは、「H」の部分にスピード感を強調する長いクロスストロークタイプを採用。

中央には多機能デジタル画面を新採用!メーターデザインのポイント

写真は夜間点灯時。エンジン始動時は「隼」の漢字が中央の多機能デジタル画面に浮かぶ。日本人はもちろん、欧米人にはたまらないはず!

 大型のアナログタコメーターとスピードメーターは、スポーティなアナログ表示式。各メーターの目盛りは、LED照明を使用。昼間と夜間の両方で、鮮明な視認性を確保している。




 メーターサイドのアナログ表示式燃料計&冷却剤温度ゲージは、LCDパネルを採用。メーター中央には、多機能デジタル画面を新たに導入済みだ。




 中央の多機能デジタル画面には、前後のブレーキ圧、前進/後進加速率、現在のアクセル位置のほか、時計、ギアシフトインジケーター、トリップメーター、周囲温度、瞬間燃料消費量、走行距離、トリップ時間、平均燃料消費量、電圧計などが表示可能。




 メーター各部の照明は、光センサーにより明るさのレベルを自動的に調整。ライダーは手動で調整することもできる。

保安部品も超豪華!フルLEDを装備

 ヘッドライトは、縦に積み重ねられた個性的なデザインを採用。ヘッドライトのデザインロービームとプロジェクタータイプのハイビームヘッドライトは、どちらもLEDを採用。これらはクリアな照明を提供し、夜間の歩行者やその他の交通にも隼の存在をアピール。なお、LEDのポジションライトとウインカーは一体型としている。




 LEDを採用したテールランプとリヤウインカーのデザインは、テールセクションの下部を水平に横切る、広くて鋭いイメージを演出。テールランプにはクリアレンズ、ターンシグナル部分にはクリアスモークレンズを装備。

ポジションライトとウインカーは一体型。

LEDを採用したテールランプ。

 ハンドルバースイッチは、操作の容易さと効率を重視して配置。左側のハンドルバーのモード/セットスイッチは、クルーズコントロールを含む、様々な「スズキインテリジェントライドシステム(SIRS)」の設定と調整が制御可能。

隼を彩る豊富なアクセサリー群

 新しい隼は、純正アクセサリーも充実。好みや用途に合わせ、思い思いにカスタマイズできる環境が整っている。

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