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前後14インチホイールとステップスルーのフロアが実用的 


今、バイク人気に沸く東南アジア。そんな勢いのある現地のモデルが輸入されて、国産車には無い希少なモデルとしても注目を集めている。今回は、バイク館SOXで販売されているインドネシア産のホンダ・VARIO 125に試乗した。




REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)


PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)


問い合わせ●バイク館SOX https://bs-sox.com/

ホンダ・VARIO 125 ISS.......239,000円(アドバンスマットブラック)

 スポーティな出で立ちのVARIO125。フロントカウルには小さなツノのようなものが2個。じつはコレ、ナンバープレート用のステーで、インドネシアで販売されているバイクには必須の装備。今回試乗するVARIO125もインドネシアからの輸入車なので、当然のごとくステーが装備されている(が、もちろん日本で走るぶんには、ここにナンバープレートを取り付ける必要はナシ)。




 VARIO125の特徴の一つが、前後に採用されている14インチのホイール。スクーターとしては大径サイズが選択されている。


 簡単に補足するとホイールサイズは大きな方が車体挙動や取り扱いの感触に落ち着きが増すメリットがある。逆に小さい方がシート下の収納容積を稼げる等、パッケージングデザイン面での優位性を活用しやすいわけだ。


 大胆に表現すると、VARIO 125はスクーターの機能をベースにデザインされながらも、少しばかりスーパーカブに歩み寄った様な、ミックスされた雰囲気がある。




 搭載エンジンは基本諸元がリード125やPCXと共通する水冷のSOHC単気筒。ボア・ストロークが52×57.9mmというロングストロークタイプが採用されている。「力強い走りと燃費性能を追求した」eSPエンジンで電子制御による緻密な燃焼制御と吸排気の高効率化、そして各部フリクションロスの低減が徹底されている。


 また始動用セルモーターは持たず、クランク軸に直結されるACG(交流発電機)を活用してクランキングする。試乗車はISS(アイドリング・ストップ・システム)を装備。ギヤを介さずにクランクを直接回すので、駆動ロスは無く静かにレスポンス良く始動できるのも特徴である。




 制動装備はフロントにシングルディスク、リヤにドラムブレーキを採用。ホンダお馴染みのコンビ・ブレーキ・システムが採用されているので、左手のリヤブレーキ側レバーを握る操作で、フロントも連動する。ちなみに右手のレバー操作で、フロントブレーキのみを作動させることができる。




 シート下収納はジェットヘルメット1個分プラスα(18L)の容積が確保されていて、その直後のスペースに5.5L容量の燃料タンクを備えている。オープンタイプながら、フロントポケットも標準装備されている。


 全体的に豪華な仕上がりを誇るタイプでは無いが、前後のランプ類にはLED が奢られ、なかなかフレッシュな雰囲気に仕上げられている。

激速ではないけれど、柔軟で逞しい走りが快適。

 初対面の試乗車を目前にすると、スラントしたノーズデザインから尻上がりにフィニッシュするサイドビューはいかにもスポーツスクーターらしい。目付きの鋭いLED式ライトも若々しい精悍なデザインを披露している。


 早速跨がってみると、筆者は足を上げることなく、無意識の内にフロアステップを通してスルッと着座していた。シートの上を超えて跨ぐことなく即座にアクセスできる使い勝手はとても気楽で良い。


 スクーターの便利さを知ると止められなくなると言う話を聞く事があるが、改めて納得である。市街地を急ぐ時等、例えばUターンしたい交差点で赤信号に引っかかった時、青信号の歩道を押して渡った方が早い上に安全な事がある。


 あるいはチョット近道で歩行者専用道を通り抜けたい場面に遭遇した時も、エンジンを止めてスクーターの脇に立てば即座に歩行者になれる。車道に戻って再び走り始める時もライダーの動作が簡単で済むメリットは大きい。そしてシート下収納の存在もありがたいのである。


 膝を揃えてお行儀良く座る感じのライディングポジションや、ゆったりではないが決して窮屈ではない感覚。そして、どこか身に覚えのあるこの気軽な乗り味と全体的サイズ感は、ベトナム生産車で国内に正規販売されているホンダ・Dio110と良く似ている。


 車体の基本骨格を始め、前後14インチホイールの採用、コンビブレーキやアイドルストップシステムの装備とシート下収納等のデザインに、多くの共通項が見出せるのである。


 


 もちろん搭載エンジンは125cc 。10.8Nmの最大トルクを5000rpmで発揮する出力特性はとても扱いやすく、スロットルをワイドオープンして行く時に魅せる強力な加速力には逞しさと余裕が感じられた。


 ちなみにカタログ資料によれば、0〜200m発進加速は12.5秒。最高速度は98km/hに到達すると示されていた。原2スクーターのパフォーマンスとしては十分なポテンシャルである。実際流れの速い郊外も含めて市街地を走る限り、発進はもちろん、加速したい時のスロットルレスポンスはなかなか強力で頼もしい。


 車両が停車して数秒するとエンジンは自動的に停止し、スロットルを開けると即座に始動して遅滞なく発進するISSの作動具合も賢く違和感は無い。


 ブレーキのタッチも同様に前後連動であることを意識することない自然な操作感。前後バランスが良く、ライダーは楽々と効果的な制動力を思いのままに発揮でき、滑りやすい路面状況でも安心して急制動できる。その扱いやすさも魅力的であった。


 スクーターとしては転がりの良い細身の14インチホイールは、素直で程良い安定性を伴いバイクに近い落ち着きのある乗り味を発揮。路面のギャップに対しても車体が大げさに揺れる事が少なく、コーナリングも狙い通りに決められる。市街地スプリンターとしてとても快適である。


 シート下収納はヘルメット1個分プラスα程度。通勤等のニーズは十分に満たしてくれるだろう。オープンタイプのフロントポケットも使いやすい。また二人乗りでも快適に走れたのが印象的だった。


 今回の試乗で思い出されたDio110の価格は235,400 円。とてもリーズナブルに思えたのが印象的だったが、VARIOはほぼ同価格ながら125ccだ。よりお買い得なモデルとして、さらに大きな魅力が感じられたのが正直な感想である。

足つき性チェック(身長168cm)

足つき性は両足ベッタリ、楽に地面を捉えることができる。シート高は769mm。ライディングポジションは膝を揃えてお行儀良く腰掛ける感じ。フラットフロアは広くないが、レッグスペースは窮屈ではない。

ディテール解説

鋭い目つきのLED式ヘッドライトがあしらわれた精悍なフロントマスク。インドネシアではフロントにもナンバープレートの装着が必要で、そのためのステーが装備されている。

リーディングアクスル方式を採用したテレスコピックフォークは正立式。80/90-14インチサイズの装着タイヤは、インドネシア産FEDERAL製のFT235を履く。シングルディスクローターにはTOKICO製シングルピストンのピンスライド式油圧キャリパーが装備されている。

スマートにシュッとデザインされ、跳ね上げてフィニッシュする右出しマフラー。後輪直前にマウントされたeSP(ENHANCED SMART POWER)エンジンは水冷のロングストロークタイプだ。

リヤサスペンションは多くのスクーターが採用しているユニットスイング方式。左側にセットされたショックユニットにはダブルピッチスプリングが採用されている。

最終駆動のベルトを活用したVマチック式自動無段変速機を採用。上に重なってあるのは大容量エアクリーナーボックス。キャストホイールのハブ部にはリーディングトレーリングシュータイプのドラムブレーキが採用されている。

オーソドックスな手法で仕上げられたハンドルまわりだが、カバーデザインはどことなくセパハンをイメージさせる雰囲気がある。多角形バックミラーの採用もユニークだ。

ホンダ車一連のデザインが採用されている、ハンドル左側スイッチ。使用頻度を重視するためか、一番操作しやすい位置にプッシュキャンセル式のウインカースイッチがある。その上の大きな三角形がホーンボタン。上はディマースイッチ。ブレーキレバーにはサイドブレーキ用のロックレバーも装備されている。
ハンドル右側はシンプルに黒いスイッチがふたつあるのみ。下の小さいのがエンジン始動用のセルスタータースイッチ。上はアイドリングストップ用スイッチで、アイドルストップ機能の作動を任意停止できる、
横に長い長方形の液晶ディスプレイを組み込んだメーター。回転計は無いが、デジタルの速度計は見やすい。時計や燃料計、そして右横に伸びる棒グラフ表示の瞬間燃費計も装備されている。

ロングのダブルシートは前ヒンジで開方式。グラブバーもしっかりと装着され、タンデムライディングも快適そう。

シート下の収納は前方に18L容量のラゲッジボックスが装備されている。後方は5.5L容量の燃料タンクを配置。燃料給油時はシートを開ける必要がある。
写真の様にジェット型ヘルメットを後ろ向きにして収納することができる。+αでコンパクトなカッパぐらいは入れられる。
オープンタイプのフロントポケットを装備。左側は500mlのペットボトルも入れられる。中央部にはコンビニフックも設備されている。

盗難抑止のため、キーシャッター付きのイグニッションスイッチ。時計回りで電源ON。その直前のSEAT位置にすると右側のシーソースイッチが生かされ、下側を押すとシートを開ける事が出来る。
付属するリモコンキーは盗難防止アラーム用のスイッチ。駐輪場で自分のスクーターを見つける時に役に立つアンサーバック機能もある。
リヤシート後方をぐるりと半周するグラブバーと、テールカウルに組み込まれたテールランプデザインはフェンダーも含めてなかなか上質な仕上がり。クリアレンズのウインカーも含めて全てLEDランプ式だ。

◼️主要諸元◼️

全長/全幅/全高:1,919mm/679mm/1,062mm


軸間距離:1,280mm


最低地上高:132mm


シート高:769mm


車両重量:111kg


燃料消費率:51.7Km/L




エンジン型式:水冷・4サイクル・SOHC/単気筒


総排気量:124.8㎤


内径×行程:52.4mm×57.9mm


圧縮比:11.0:1


最高出力:8.2kW(11.1PS)/8,500rpm


最大トルク:10.8N・m(1.1kgf・m)/5,000rpm


燃料供給装置:PGM-FI(電子制御式燃料噴射システム)


点火装置:フルトランジスタ式


始動方式:セルフ式


潤滑方式:ウェットサンプ式


潤滑油容量:0.8L


燃料タンク容量:5.5L


クラッチ形式:乾式自動遠心式


変速機形式:Vマチック(自動無段変速)




フレーム形式:アンダーボーン


サスペンション(前/後):テレスコピック式/ユニットスイング式モノショック


ブレーキ(前/後):油圧式シングルディスク/機械式式ドラム(リーディングトレーリング)


タイヤサイズ(前/後):80/90-14(チューブレス)/90/90-14(チューブレス)


乗車定員:2名




生産国:インドネシア

試乗後の一言!

スクーターとしては大径な14インチホイールの採用は、やはり乗り味に安心感がある。

インドネシア本国のプロモーションムービー

HONDA VARIO 125(細部が異なる最新仕様の映像です)
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