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欧州車なのに!|125ccクラスの予算で買えてしまう、お得な150ccスクーターです。/プジョー・ツイート150 ABS Special Edition 


欧州では市民権を得たスタイルのひとつに大径ホイールを装着したスクータータイプのバイクがある。プジョーブランドのツイート150では、なんと16インチサイズの前後ホイールを採用。しかし何よりも29万7000円というリーズナブルな価格設定に驚かされてしまう。




REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)


PHOTO⚫️徳永 茂(TOKUNAGA Shigeru)


取材協力●aidea 株式会社

◼️プジョー・ツイート150 ABS Special Edition .......297,000円

◼️カラーバリエーション

アンタークティカホワイト
サテンアイアングレー


ブロンズ

 のっけから価格に注目してしまうことは希だが、試乗車のお値段は税込みで30万円を切る。しかもご覧の通り、フロントのロングスクリーンとリヤのトップケースが標準装備された込み込みのお値段。そのお得感はハンパ無い。


 思わず国産各車と比較してみると、125ccスクーターよりも安い。スズキ・アドレス&ヤマハ・アクシスは例外だが、他の多くは約31~36万円レベル。ホンダ・クロスカブ110でも34万1000円。スーパーカブ110は流石に28万500円だが、それに迫る低価格設定には心底驚かされてしまった。




 写真からわかる通り、ツイート150はステップスルーのフラットフロアを持つスクーターだが、前後輪に110/70-16インチサイズのタイヤを採用しているのが特徴である。この類のモデルは国産車にも存在していたが、大きな人気獲得には至っていない。


 ステップスルーはバイクを跨ぐ事なくシートにアクセスできる楽な乗降性に大きなメリットがある。(決してお勧めするわけではないが)例えば女性のスカートスタイルでも問題なく着座できる気楽さが嬉しいところ。足を回して跨ぐ必要が無いので大きなテールボックスを装備しても邪魔になる事が無いのである。


 


 一方16インチの大きな車輪は凹凸通過時等の悪路で抜群の走破性を誇る。欧州に多いベルジャンロード(石畳の道)を行く時の乗り心地や安定性に有利と言うわけだ。スペースの大きなダブルシートの採用と相まって、タンデムライディングが快適にこなせそうな配慮あるデザインも見逃せない。


 搭載エンジンは基本的にジャンゴ150と同じ空冷OHC2バルブ単気筒。ボア・ストロークは57,4×58,2mmというロングストロークタイプの150,6cc。11,6ps/8000rpmの最高出力を 発揮する。


 車両重量は乾燥で109kg(トップケースとスクリーンは含まず)。軽二輪クラスとしてはかなりの軽量ぶりも見逃せず、とても親しみやすそう。日々の足に活用するシティコミューターとしての利便性が魅力的である。

楽に距離を稼げるヨーロピアンテーストの快適な乗り味!

 早速都市部で走り出すと小さ過ぎない程良いサイズ感とフィット性に好感触を覚える。とても親しみやすいのである。バイクの様な目線の高い乗り味と、幅のスリムなハンドルを保持するライディングポジションはとてもスマート。狭い場所でもスイスィーとテキパキ走れてしまう。


 窮屈な駐車スペースでの取りまわしや歩道を押し歩く時も軽いので楽に扱えた。押し歩く時に、時としてヘルメットがスクリーンに当たることがあったが、それも直ぐに慣れてしまう。


 


 乗車スタイルは、膝を揃えてお行儀良く乗るのに適している。筆者の体格では膝の曲がりがほぼ直角になり地面に対して股が水平、膝下が垂直になる感覚である。足元スペースは決して広くないが、窮屈な印象は皆無。


 標準装備のスクリーンはウィンドプロテクションが抜群なので、ヘルメットのシールド無しでもまるで問題なく快適だ。


 シートへはチョコンと腰掛けるだけで、前方に足を踏ん張れる訳ではないので、制動時にシート上で尻が滑りやすいのは気になった。しかし長いシートは着座位置に自由度があって座り心地も快適。そもそもスポーツバイクの様にハードな走行性を求めるわけではない。常に穏やかに気持ちよく使い勝手の良いシティコミューターとしての基本機能は存分に満たされているのである。


 エンジンの出力特性も柔軟性に富み、ややユッタリした穏やかな感覚の中にも確かな伸びの良さを伴う強かな吹け上がりを発揮。乗り味に鋭さはないが軽車重と相まってその動力性能に不足は無い。


 操縦性は至って素直。どんな場面でもストレスなく扱えた。減速時に作用しているエンジンブレーキは22㎞/hでクラッチが切れるので、スウッと減速感が抜ける(僅かに加速する様な)感触を覚えるが、それも直ぐに慣れてしまうレベルである。


 


 ヘルメットの種類は問われるものの、シート下とトップケースで二人分のアイテムを収納できる使い勝手も頼りになる。ケースのセキュリティも確保できるし、脱着も容易。旅道具としても快適に使える機能性はなかなかの優れ物だ。


 一般的な125ccスクーターよりもリーズナブルな価格で購入できる上、高速道路も走れてしまうオマケを考慮すると、お買い得感は抜群である。自分が何かを購入する場面を考えるとスーパーカブ110と迷ってしまう事は明白。その結果、収納性の高さと150という排気量に軍配を挙げてしまいそうになるだろうと思えたのが正直なところである。


 気になるのは今回紹介したスペシャルエディションは40台限定商品。お伝えした好条件での購入には急いだ方が良いのかもしれない。

⚫️足つき性チェック(身長168cm)



ほんの少し両足の踵は浮いているが、足つき性は悪くない。シート高は770mm、座る位置によってはシート幅に邪魔されて膝が曲がりぎみとなる。


◼️ディテール解説

スクリーンは大きいが、全体的なフォルムはなかなかスマート。端正なフロントマスクも好印象である。

ハンドル部分までカバーするクリアのロングスクリーンが標準装備されている。

リーディングアクスルタイプのフロントフォーク左側にはABS付きシングルディスクブレーキを装備。油圧キャリパーは2ピストンのピンスライドタイプだ。

完全にフラットなステップスルーフロアを持つのが特徴。カジュアルな普段着ファッションでも気軽に乗れる。

空冷エンジン&駆動ユニットはスクーター方式。カバーデザイン等はオリジナルだが、基本的にはジャンゴ150と共通である。

インナーフェンダーとエンドフラップの長いフェンダーデザインが印象的。マフラーは右サイドアップタイプ。タイヤは中国製のチューブレス。

リアサスペンションはユニットスイング&2本ショックタイプ。バリアブルピッチのスプリングが使われている。セット荷重調節は3段階。

駆動軸とオフセットホイールの間にローターを挟むシングルディスクブレーキ。油圧キャリパーはシングルピストンのピンスライド式。

車幅は690mm。車格的に外観は立派に見えるが、ハンドル幅は意外とスマートに仕上げられている。

メーターパネルから一体を成すハンドルカバーにレイアウトされた左側スイッチ類。オーソドックスに下からホーン、ウインカー、ディマーが縦に重ねられている。ディマースイッチを下押しするとシートオープナーとして機能する。
右側はシンプルにエンジン始動用のスタータースイッチのみ。カウルはグリップ部分までカバーされている。


四角い液晶ディスプレーを採用したアナログ式スピードメーター。メモリの外側はkm/h、内側はマイル/h表示だ。液晶表示は燃料計とクロック。そして切り替え式のオド&トリップだ。

キーロックを解錠して開けると、インナーポケットが装備されている。蓋の上方中央にはコンビニフックも採用されている。
タンデム用のピリオンステップ。上質な仕上がりで収納時も美しく取り扱いもカチッと節度がある。


スマートに段差を設けたロング・ダブルシート。先端が絞られたデザインで、後方に座ると幅の広いクッションが心地良い。

シート下のメットインスペースはそれほど大きくはない。黄色いスイッチは盗難抑止用スイッチで、ロック側にしておくと、エンジンが始動できない仕組みになっている。
シート下収納部の後方には、ごく一般的なキャップ式給油口がある。燃料タンク容量は5.7L。


トップケースは簡単に脱着できる。取り外すとフラットなベースキャリアがあらわれる。
スクーターとしての基本機能を高めてくれる実用的なトップケースが標準装備されている。収納容量は30L、ヘルメット収納にも余裕たっぷりだ。


ビッグスクーター系とはまた異なり、リヤビューもスマートだ。

◼️主要諸元◼️

全長×全幅×全高:2,000mm×690mm×1,125mm


ホイールベース:1,330mm


シート高:770mm


乾燥重量:109kg




エンジン:空冷4ストローク SOHC2バルブ単気筒


排気量:150.6cm³


内径×行程:57.4mm×58.2mm


最高出力:8.5kW〈11.56PS〉/8,000rpm


最大トルク:11.2N・m〈1.1kgf・m〉/6,000rpm


燃料供給方式:インジェクション


始動方式:セルフ式


燃料タンク容量:5.7L


変速方式:オート


サスペンション(前/後):油圧式テレスコピック/油圧式ショックアブソーバー(3段階調整可)


タイヤ(前/後):110/70 -16 / 110/70 -16


ブレーキ(前/後):シングルディスク(ABS)/シングルディスク




※主要諸元(スペック)は、車両にスクリーンとトップケースを装着していない状態の数値です。

◼️ライダープロフィール

元モト・ライダー誌の創刊スタッフ編集部員を経てフリーランスに。約36年の時を経てモーターファン バイクスのライターへ。ツーリングも含め、常にオーナーの気持ちになった上での記事作成に努めている。

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