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この冬、賢く買いたいスズキ・ジムニー〈Suzuki Jimny バイヤーズガイド〉


お手頃な本格オフローダーとして高い人気を誇るジムニー。20年ぶりに刷新された新型では、その魅力を継承しつつ、機能系が時代に合わせたアップデートを受けた。早速ベストバイを見極めていこう。




TEXT●渡辺陽一郎(Watanabe Yoichiro)

ジムニーとジムニーシエラ 外観は違うが、装備は共通

 ジムニーは軽自動車に属しており、658㏄直3のターボエンジンを搭載する。普通車のジムニーシエラは、排気量を1460㏄に拡大した直4の自然吸気エンジンを搭載する。ジムニーシエラはバンパーの変更に加えて、オーバーフェンダーの装着などによって力強さを際立たせている。ボディサイズは拡大するが、基本部分は共通で、車内の広さもジムニーと等しい。ホイールとタイヤのサイズは、ジムニーが16インチ(175/80R16)、ジムニーシエラは15インチ(195/80R15)になる。




 オフロードSUVだから、駆動方式は全車が4WDだ。エンジンを縦向きに搭載した後輪駆動がベースで、トランスファー操作により四輪を駆動させる。カーブを曲がる時に前後輪の回転数を調節するセンターデフなどを装着していないため、路面の摩擦が高い舗装路は後輪駆動で走る。トランスミッションは、5速MTと4速ATをすべてのグレードで選ぶことができる。




 安全装備は、サイド&カーテンエアバッグを全車に装着するほか、スズキセーフティサポート装着車も、価格が最も安いジムニーの「XG」を含めて用意する(オプション価格は4万2120円)。単眼カメラとレーザーレーダーをセンサーに使い、緊急自動ブレーキを作動させるデュアルセンサーブレーキサポートなどが備わる。なお、ジムニーの「XC」とジムニーシエラの「JC」は標準で備わる。




 グレードは、軽自動車のジムニーは3タイプになる。グレードによる違いは主に機能系装備で、サスペンションのセッティングなどは共通だ。




 前述のジムニー「XG」は、先代型にも用意された低価格のグレードだが、チルトステアリング、瞬間/平均燃費などを表示できるマルチインフォメーションディスプレイ、UVカットフロントガラスなどは標準装着する。「XL」は、先代型には設定のなかった中級グレードだ。「XG」にドアミラーのヒーター機能、運転席&助手席シートヒーターを加え、寒冷時の安全性と快適性を高めた。快適装備のキーレスプッシュスタートや電動格納式ドアミラー、フォグランプなど、多くのユーザーが装着を希望する装備を充実させている。新型はグレードの区分を先代よりも細かくして、ユーザーのニーズに綿密に対応した。




 最上級の「XC」は、LEDヘッドランプ、ヘッドランプウォッシャー、車間距離を自動制御する機能がないベーシックなクルーズコントロール、アルミホイールなどを標準装着する。内装のメッキパーツなど、装飾類も充実させている。




 一方のジムニーシエラは、外装パーツとして前述のオーバーフェンダーとサイドアンダーガーニッシュを備える。グレードは2種類が用意され、「JL」の装備内容はジムニーの「XL」に準じる。




 上級の「JC」は、ジムニーの「XC」と同等の装備を採用しており、LEDヘッドランプとヘッドランプウォッシャー、クルーズコントロール、アルミホイールなどが加わる。「JL」と「JC」の価格差は16万2000円で、この差額はジムニーの「XC」と「XL」と同額だ。

車種体系と価格

XG(ジムニー)

タイヤサイズ:175/80R16


ホイール:16インチスチール


ヘッドライト:ハロゲン


シート表皮:ファブリック


デュアルセンサーブレーキサポート:メーカーオプション

その他の主な装備


スペアタイヤハーフカバー


UVカット機能付きガラス(フロント)


熱線吸収グリーンガラス(全面)


助手席乗降グリップ


自発光メーター


ウレタンステアリングホイール


チルトステアリング


マルチインフォメーションディスプレイ


助手席ウォークイン


一体可倒式リヤシート


センターコンソールトレー


助手席シートバックポケット


ユーティリティナット[10ヶ所]


荷室フックナット[4ヶ所]


エアコン


フロント2スピーカー


ヒルホールドコントロール


ヒルディセントコントロール


ブレーキLSDトラクションコントロール(4WD-L)

XL(ジムニー)

タイヤサイズ:175/80R16


ホイール:16インチスチール


ヘッドライト:ハロゲン


シート表皮:ファブリック[撥水加工]


デュアルセンサーブレーキサポート:メーカーオプション

ジムニーの「XG」に以下の装備をプラス


カラードドアハンドル


カラードドアミラー


スモークガラス


防汚タイプラゲッジフロア


左右独立リヤシートリクライニング機構


シングルフォールディングリヤシート[5対5分割可倒式]


リヤシートヘッドレスト


ラゲッジボックス


エアコン[フルオート]


キーレスプッシュスタートシステム


電動格納式リモコンドアミラー


運転席シートヒーター


助手席シートヒーター


フロントマルチリフレクターハロゲンフォグランプ


ヒーテッドドアミラー

XC(ジムニー)

タイヤサイズ:175/80R16


ホイール:16インチスチール


ヘッドライト:LED


シート表皮:ファブリック[撥水加工]


デュアルセンサーブレーキサポート:標準装備

ジムニーの「XL」に以下の装備をプラス


LEDサイドターンランプ付きドアミラー


助手席バニティミラー


ブロンズメタリックエアコンサイドルーバーリング


サテンメッキ調エアコンセンタールーバー


メッキインサイドドアハンドル


メッキパーキングブレーキボタン


本革巻きステアリングホイール


ステアリングオーディオスイッチ


クルーズコントロールシステム


ヘッドランプウォッシャー

JL(ジムニーシエラ)

タイヤサイズ:195/80R16


ホイール:15インチスチール


ヘッドライト:ハロゲン


シート表皮:ファブリック[撥水加工]


デュアルセンサーブレーキサポート:メーカーオプション

ジムニーの「XL」に以下の装備をプラス


オーバーフェンダー


サイドアンダーガーニッシュ

JC(ジムニーシエラ)

タイヤサイズ:195/80R16


ホイール:15インチスチール


ヘッドライト:LED


シート表皮:ファブリック[撥水加工]


デュアルセンサーブレーキサポート:標準装備

ジムニーシエラの「JL」に以下の装備をプラス


LEDサイドターンランプ付きドアミラー


ブロンズメタリックエアコンサイドルーバーリング


サテンメッキ調エアコンセンタールーバー


本革巻きステアリングホイール


ステアリングオーディオスイッチ


クルーズコントロールシステム

ジムニーとジムニーシエラの違い

ジムニー

総排気量:658㏄


最高出力/最大トルク:64㎰/9.8㎏m


WLTCモード燃費:16.2㎞/ℓ(最良値)
ジムニーシエラ

総排気量:1460㏄


最高出力/最大トルク:102㎰/13.3㎏m


WLTCモード燃費:15.0㎞/ℓ(最良値)
両車の違いで大きいのがエンジンだ。軽自動車のジムニー(658㏄直3ターボ)に対して、普通車のジムニーシエラは1460㏄の直4を搭載。プラス38㎰の102㎰と、ひと回り上の力強さがある。ちなみに、ジムニーシエラの乗車定員はジムニーと変わらず4名。

全車に先進安全装備を装着可能

「XC」及び「JC」に標準装備される安全装備一式を他グレードにも装着可能。単眼カメラとレーダーで前走車や車線を認識し、衝突や誤発進、車線逸脱を防ぐ。制限速度や車両進入禁止の標識も認識し、ドライバーに注意を促す。

撥水と防汚に優れた「XL」、シエラなら「JL」

XG

XL

「XG」と「XL」は車両姿勢を把握しやすい水平基調のインストゥルメントパネルなど基本的なレイアウトは変わらない。

両車の価格差は12万4200円。「XL」ではシートに撥水加工が施されるほか、荷室フロアが防汚タイプとなる。また、運転席と助手席にシートヒーターが備わる。アウトドアユースへの配慮が行き届いている。

内装に違いはある一方で、新開発のラダーフレーム構造をはじめ、3リンクリジッドアクスル式サスのほか、機械式副変速機を搭載する4WDなど、メカニズムは共通。

プラス17万8200円でシエラを選べる

シエラではエンジンだけでなく、外装も逞しさを増す。ボディサイドに張り出したフェンダーなどその差は一目瞭然。

アウトドアを楽しむなら「XL」以上を狙いたい!!

 ジムニーから見ていこう。まず5速MTと4速ATの選択がある。用途や好みに応じてとなるが、価格は全車にわたり5速MTが9万7200円安い。今はMTとATを同価格で設定する車種も多く、MTが割安という見方もできる。またジムニーは、燃費でもMTが有利だ。ジムニーのWLTCモード燃費は、4速ATが13.2㎞/ℓ、5速MTは16.2㎞/ℓとされ、後者が23%優れる。




 ジムニーのグレード選びでは、「XG」は安さが魅力だ。5速MTは唯一150万円を下まわり、チューニングやドレスアップの素材に適する。内外装をつくり変える場合、シンプルな「XG」はムダが少ない。また、先の一覧表からも分かるように「XG」がデフォルトで装備するアイテムはエントリーグレードであるにもかかわらず充実している。




 しかし、ワンランク上の「XL」ではキーレスプッシュスタート、後席のリクライニングや分割可倒機能など、実用性を高める装備が多く加わるだけでなく、アウトドアレジャーを楽しみたいと思うユーザーにとってうれしいアイテム(撥水加工シート、防汚タイプラゲッジフロア、シートヒーター)も備わる。価格上昇は12万4200円と、追加装備と価格のバランスは良いため、一般的な選択は「XL」となる。「XL」の価格は4速ATが167万9400円で、スズキセーフティサポート(4万2120円)を装着すると172万1520円になる。この金額は絶妙で、今日の軽自動車では、売れ筋価格帯の上限に位置する。例えばワゴンRスティングレーのターボを装着した「ハイブリッドT」は、デュアルセンサーブレーキサポートなどを標準装着して、4WDの価格が177万9840円だ。スズキの販売店からは「軽自動車の場合、価格が180万円を超えるか否かで、お客様の受け取る買い得感が変わる」という意見が聞かれる。




 最上級の「XC」は、スズキセーフティサポートが標準装着され、専用装備としてLEDヘッドランプやアルミホイールを装備。内装も上質化する。価格上昇は16万2000円だが、加わる装備の価格換算額は19万円に達する。「XC」は4速ATの価格が180万円を超える半面、上級装備を3万円ほど割安に装着する。つまり「XC」は、最上級グレードでありながら、最も買い得な仕様ともいえるだろう。




 一方、ジムニーシエラの価格は、ジムニーの同等グレードよりも17万8200円高い。基本装備は共通だから、この金額がエンジンと外装パーツの対価だ。




 ジムニーシエラのエンジンは、ジムニーに比べると1気筒/802㏄拡大されるが、ターボを装着しない自然吸気になる。従って価格はジムニーが少し割安で、税金も安い。それでもシエラの1.5ℓエンジンは実用回転域の駆動力が高く、悪路でも運転しやすい。4速ATのWLTCモード燃費は、シエラがジムニーよりも少し優れる。両車には異なる特徴があるから、販売店の試乗車を乗り比べて選ぶと良いだろう。

ファミリーユースならハスラーも検討したい

悪路走破性はジムニーに譲るが、室内空間の広さなど普段使いでの利便性の高さが魅力。一部グレードにはグリップコントロールやヒルディセントコントロールなど悪路走破機構を内蔵。

タイヤサイズ:165/60R15


ホイール:15インチアルミ


ヘッドライト:ディスチャージ


シート表皮:ファブリック


デュアルカメラブレーキサポート:標準装備

全面UVカット機能付きガラス


フェンダーアーチモール


サイドスプラッシュガード


マルチインフォメーションディスプレイ


その他の主な装備


本革巻きステアリングホイール


リヤシートリクライニング+分割可倒


助手席前倒し機構


左右独立リヤシートスライド


前席シートヒーター


フルオートエアコン


ヒルディセントコントロール


グリップコントロール


S-エネチャージ


アイドリングストップシステム

ワゴンR譲りの高い実用性がハスラーならではの美点

 軽自動車のSUVなら、同じスズキのハスラーも注目される。プラットフォームは先代ワゴンRと共通で、居住空間や荷室の広さ、シートアレンジなども同じだから、大人4名が快適に乗車できて荷物も積みやすい点ではジムニーよりも普段使いに向いている。ジムニーのような悪路向けのオフロードSUVではなく、4WDは前輪駆動をベースにしたタイプだが、最低地上高には175㎜(4WD仕様)の余裕があり、悪路のデコボコも乗り越えやすい。




 ジムニーと比べるハスラーのグレードは、4WDの「Xターボ」だ(167万4000円)。動力性能に余裕があり、4WD車にはヒルディセントコントロールなども装着される。2個のカメラをセンサーに使う安全装備のデュアルカメラブレーキサポート、ディスチャージヘッドランプ、アルミホイールなども備わる。装備内容はジムニー「XC」(184万1400円/4速AT)に近い。




 それでもハスラーの価格が安いのは、コストを抑えやすいからだ。プラットフォームをはじめ、ワゴンRなどと同じだから大量に生産されてコストを低減できる。逆にジムニーにはラダーフレーム、副変速機を備えたパートタイム式4WDなど独自の機能が多い。この違いまで考えると、ジムニーの方が割安ともいえる。

日産ジューク

デビューは2010年と古いが、個性派コンパクトSUVブームの火付け役となった一台。外装のほか、バイクをモチーフとした内装など見た目のインパクトはいまも強烈。

▶価格帯 197万5320円~346万8960円


▶推奨グレード 15RX Vセレクション(204万2280円)

ジープ・レネゲード

SUVの老舗であるジープが手掛けただけあって、悪路走破性は高く「トレイルホ ーク」に備わるセレクテレインシステムはダイヤルで簡単に制御を変えられる。

▶価格帯 299万円~365万円


▶推奨グレード ロンジチュード(299万円)

フィアット・パンダ 4×4

パンダをベースにSUVテイストを強めた一台。電子式ディファレンシャルロックを備え、悪路でのタイヤの空転を抑える。なお、「Foresta」は100台の限定販売となる。

ライバル不在だからこそ各車の個性に要注目!!

 ジムニーシエラのように小さな本格オフロードSUVは、世界的にも珍しく、実質的にライバルは不在だ。それでもジュークは全長が4135㎜と短く、外観は3ドア風に見えて共通点がある。逆に相違点も明確で、ジュークの駆動方式は前輪駆動が中心になり、舗装路での走りを突き詰めている。悪路を重視するジムニーシエラとは対称的だ。




 ジュークの価格は、実用装備を充実させた「15RX Vセレクション」が204万2280円。ジムニーシエラ「JC」は、ほぼ同じ排気量のエンジンを搭載して、副変速機付き4WDやアルミホイールを備え、価格は201万9600円(4速AT)だ。ジムニーシエラが割安になる。




 輸入車ではジープで最小サイズのレネゲードがある。4WDの「トレイルホーク」は2.4ℓエンジンを搭載して価格が365万円だが、「ロンジチュード」は前輪駆動に1.4ℓターボを組み合わせて299万円に収まる。それでも大幅に高いが、野性味があって実用性も優れ、外観はジムニーシエラに少し似ているなど、意外に共通点がある。




 フィアットのパンダ4×4にも注目したい。全長が3685㎜の小さなボディに、直列2気筒875㏄のターボエンジンと、電子制御式多板クラッチを使う4WDを搭載する。6速MTを備えて価格は251万6400円だ。ジムニーシエラは高機能で割安だが、フィアットパンダ4×4には独特の楽しさがある。

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