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特急止まらず、バスは1日3本 嬬恋村「つまちゃり」にかかる期待


 群馬県嬬恋村を自転車で巡る「つまごいパノラマレンタサイクル(つまちゃり)」の冬季休業が終わり、今季の営業が4月から始まった。導入から5年目を迎えたつまちゃりだが、公共交通が乏しい地方観光地で、主要駅から観光地に足を運ぶための2次交通として期待がかかっている。

 つまちゃりは交通手段や観光客向けの日中の娯楽が少ない状況を受け、村観光協会が2020年夏に導入した。村内の交通手段の少なさは年々深刻さを増している。村にはJR吾妻線が通るが、16年に吾妻線の特急が長野原草津口駅(長野原町)までの運行となり、村の中心駅である万座・鹿沢口駅に止まらなくなった。タクシーの予約は難しく、路線バスは1日3本程度だ。1次交通の代わりは難しいが、「2次交通の補塡(ほてん)として、交通の網を作っていきたい」(村観光協会の三ツ野元貴事務局長)と県の観光支援事業の補助金を使って導入された。

 利用件数は20年度100件、21年度110件、22年度110件、23年度120件と微増している。貸出台数も4台から10台に増やした。電動アシスト自転車のため起伏の多い村の道も自在に走れる。観光客からも「気持ちいい」と評判だ。また、地元の高齢者や村内に別荘を持つ人が夏の近場への買い物や気分転換に使うことも多いという。

 JR東日本高崎支社は3月、吾妻線の長野原草津口―大前間(13・3キロ)の利用者減少に伴う交通体系の見直しについて、県や地元町村に協議を申し入れた。状況はさらに厳しくなる可能性があり、三ツ野事務局長は「吾妻線がなくなると、村の高校に地域外から電車で通っていた生徒も通えなくなる。廃校になれば、村の子どもたちは村外に流出してしまう。利用促進のために、レンタサイクルは、電車で村を訪れている方の電車の待ち時間の満足度向上に貢献すると考えている。コロナ禍で自転車旅行が定番になり、レンタサイクルでキャベツ畑やパノラマラインをめぐってもらい、新しい楽しみ方にしてほしい」と期待を込める。

 現在のポート(乗降場)は観光案内所とワーケーション施設Asama Valley(アサマバレー、大型連休明けから営業予定)の2カ所。村観光協会は今後、4、5カ所とポートを増やし、路線バスが多く走る草津町や、レンタサイクルが盛んな長野県軽井沢町や上田市と乗り入れ、乗り捨てなどのサービスも視野に入れる。軽井沢を新幹線で訪れた観光客に村への自転車での来訪にも期待する。三ツ野事務局長は「自家用車以外の手段が少なく、観光客は大変だ。自然にあふれた嬬恋村を自転車で満喫してほしい」と話した。【田中綾乃】

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