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未完のまま終戦 太平洋戦争末期、海軍の地下壕「本体予定地」判明


 太平洋戦争末期、日本海軍が長野市安茂里で計画した地下壕(ごう)建設の状況や目的を調査している「昭和の安茂里を語り継ぐ会」は7日、本体予定地がほぼ判明したとして現地を公表した。海軍の中枢部を移転させて、連合軍に徹底抗戦をもくろんだと考えている。8日は太平洋戦争が始まった日。開戦の日に合わせて明らかにした。【去石信一】

 同会はこれまで、安茂里の小市地区に残る海軍の地下壕1本の保存や公開に取り組んでいる。さらに、地下壕の全容を解明しようと、地域に残る資料などの発掘を進めてきた。現存する地下壕は、南に開けた斜面で目立つため、本体部分とは考えにくい。海軍は網の目のように掘ろうとしたらしく、中心部をどこに置こうとしたか調べていた。

「白土」が自然の防壁

 その結果、海軍の隊長が戦後、現存地下壕がある小市集落の「裏山の白土地帯を予定して、大型モーターやコンプレッサー等を取り付け、坑口に至る道を造っただけで着工しなかった」と明かした書簡が見つかった。「白土」はこの周辺の凝灰岩。広く露出している場所が、現存地下壕から北東約300メートル弱にあり、沢の浸食でできた高さ数十メートルの白い崖が続いている。

 まさに裏山に当たり、同会事務局長の土屋光男さん(75)は「この辺りで、白土地帯と言えるのはここしかない。本体予定地はあくまで推定だが、95%の信頼性はある」と断言する。

 さらに、会の共同代表、岡本元一さん(84)は「深い谷のため空から目立たない。空襲されたとしても、崖下から掘れば上部の岩は30メートル以上あるため攻撃に耐えられる」と話した。資材などを置ける一定の平地もある。軍事の専門家にも現地を見てもらい、可能性が高いとの評価を得たという。

 現存地下壕は、山の斜面を水平に50メートル掘り進んで二股に分かれ、右に30メートル、左に20メートル掘って未完のまま終戦になった。分岐を右側に行った延長線上に、今回推定した本体予定地がある。

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