鹿児島県・トカラ列島(十島村)付近の南北2カ所で、群発地震が続いている。南側の小宝島付近では8日から頻発し、12日時点で320回を超えた。北側でも今年4月ごろから活発化しており、気象庁は「当分の間、強い揺れに注意が必要」と呼びかけている。
トカラ列島は、屋久島と奄美大島の間の南北約160キロに大小10以上の島が点在する。海底では、陸側のプレートの下にフィリピン海プレートが沈み込み、地盤に圧力がかかっている。
気象庁によると、8日以降に小宝島近海で観測された体に感じる地震は12日午前9時現在、2回の震度4を含む計329回。近海では、観測網が整った1995年以降、今回を含め計8回、数日~数カ月続く群発地震が起きており、2021年12月には最大震度5強の地震(マグニチュード6・1)も発生。悪石島で崖崩れなどの被害が出た。
一方、小宝島から北に約100キロ離れた口之島と中之島近海では、今年4月ごろから8日午前8時までに計146回の地震が群発している。
政府の地震調査委員会の平田直(なおし)委員長は「2カ所は南北で離れており直接の関係はないが、たびたび地震が起きており、強い揺れへの備えを続けてほしい」と話した。【垂水友里香】