漁協１０カ所を立ち入り＝福岡など３県、のり全量出荷で―公取委

　福岡、熊本、佐賀の３県の漁業協同組合が組合員の生産者に有明海産のりの販売事業の利用を強制したなどとして、公正取引委員会は７日、独禁法違反（拘束条件付き取引）の疑いで、３県の漁協の上部組織など約１０カ所を立ち入り検査した。 　関係者によると、立ち入り検査は福岡有明海漁業協同組合連合会（福岡県柳川市）や熊本県漁業協同組合連合会（熊本市）など。３県の漁協は長年にわたり、組合員に対し、のりの全量を自ら販売することを認めず、漁協の販売事業を利用するよう強制した疑いが持たれている。 　こうした「全量出荷」と呼ばれる行為は、独禁法で取引相手の事業活動を不当に拘束し、公正な競争を阻害するとして禁じられている。 　ホームページによると、福岡有明海漁連は県内の１９組合が会員となっている。熊本県漁連は計４０の漁協が正・准会員となっている。 　福岡有明海漁連の坂田純一専務理事は取材に対し、「公取委の調査に適切に対応する」と説明。熊本県漁連は「担当者がいないため対応できない」としている。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕公正取引委員会