攻め切った平野歩＝北京へ弾みの１勝―Ｗ杯スノーボード

　気温が下がりパイプも硬くなる厳しい条件の中、平野歩が気持ちの強さで優勝を手繰り寄せた。最高得点をマークした２本目は技の高さ、スピードが最後まで落ちず、着地も完璧。「攻める滑りでぶっちぎりたかった。難易度も負けていなかったのが勝因だと思う」と振り返った。 　昨年１２月のデュー・ツアーで縦３回転のトリプルコークを初めて成功させ、今大会でも注目度は抜群。期待された大技は出さなかったが、縦２回転、横４回転の「フロントサイド・ダブルコーク１４４０」から逆足を前にして跳ぶ「キャブ・ダブルコーク１４４０」の連続技を披露した。 　ソチ、平昌両五輪の銀メダリスト。東京五輪のスケートボードに出場した。スノーボードに本格復帰してまだ３戦目だが、ブランクを感じさせない力強い滑り。それでも本人は、「ようやく大会の雰囲気や、大会で何が評価されるのかということが分かり始めて、なじめてきたところ」と謙虚に語る。 　北京五輪の開幕が迫る。「時間がない中で、どれだけできるかというチャレンジをしている」。２３歳の実力者は慢心なく先を見据えた。（マンモスマウンテン時事）【時事通信社】