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共感の嵐!バンドのいいところも悪いところもストレートに表現されてる著書「さよなら、バンドアパート」をバンド仲間の2人が語る


映画化も決定した「さよなら、バンドアパート」の書籍を執筆しバンドjuJoeで活躍する平井(写真 左)とバンドKEYTALKメンバーの小野(写真右)に書籍「さよなら、バンドアパート」について語ってもらった。

1:お二人の出会いは?

平井:21歳くらいから共演していた仲間です。新宿の小さなステージで出会って、一番大きなところだと神戸のワールド記念ホールで一緒にやりました。年齢は同じぐらいですが、小野くんはKEYTALKというバンドで大成功した人物で、日々いい刺激をもらって います。

小野:平井さんの当時やっていたバンド、The DARARS、QOOLANDの時代から知っていて、面白い音楽性ですごいバンドが対バンにいるなと感じていました。QOOLANDの方がKEYTALKより先に大型フェス、ロッキンジャパンに出場し、2013年のロッキング・オンのコンテストでグランプリを受賞しています。

平井:順番?はたしかに早かったかも。だけど自分たちは何千人も集まる大きな会場でコンテストを受賞したことで、他の舞台の出演も増え、気持ちが追いついていない部分もありました。芯が整っていない状態で舞台が急に大きくなっていくことが正直怖かったです。

逆にKEYTALKは地道にしっかり攻略していった印象。フェスに出る出ないより、着実に大きな仕事へ挑み続け、芯が整った状態で大舞台出演への道を進んでいった。そういった流れもあり、僕にとってKEYTALKは同じ時代を生きているんだけど、しっかり自分たちの表現と数字を両立させているミュージシャンだと思っています。バンド活動において不要な焦燥感がないと言うか。

2:書籍を読んだ時、どのように感じましたか?

小野:まず、タイトルにとても惹かれました。僕ら世代のバンドマンはthe band apartへのリスペクトが強い人が多く、僕もその一人です。これぐらいの規模のバンドを題材にしたフィクションがあまり世の中に多くない中、実際に最前線でバンド活動をしている人が執筆することも斬新でした。

バンドのいいところも悪いところもストレートに表現されている作品となっていて、 とにかく共感できる作品です。バンド未経験者にとっても自分がバンドマンになったような感覚になるようなリアリティのある表現が多いのも見どころの一つです。

平井:バンドとかにふだん触れない人にこそ、ぜひ読んでいただきたいですね。

小野:僕が思うこの本の一番の見どころは、事務所とメンバーとの対立やメンバー間のいざこざなどの人間関係の部分が上手に表現されているところ。自分が何者にもなっていない時に音楽を通してどう表現するかという葛藤と、ある程度認知度が上がっていろんな人が関わっていく中で自分たちの表現をどう届けていくのが正解なのかなど、微妙な心情がしっかり描かれている。そこの主人公の心理的な変化に注目して読んでほしいです。

平井:流石の読解力!KEYTALKは音楽番組や横浜アリーナでのライブ経験もある実力者ですよね。僕的に自分は今1階にいて、小野くんは35階にいるような感覚なんですが、見ている景色は違えど同じ建物にいるんだ、最前でバンドをやっているというのは一緒なんだとお互いの交差する部分を実感し、改めて今そう思えています。

小野:売れる売れないというのは正直時代やタイミングによって変わってくると思うので、音楽に対して真摯に向き合うという姿勢が一番大事。それが大きいステージだろうが、小さいステージだろうが関係ない。この作品にはそのようなことも強く表現されていて、音楽好きの僕が見る本としてもとても刺激をうけた作品でした。中学生や高校生などの若い世代にこの作品はぜひ薦めたいですね。音楽が好きな気持ちがあれば、いい時も悪い時も波に左右されず真っ直ぐ進んでいけると思うので、そのような気持ちを持った上で読むと音楽活動を始めるきっかけにもなるかもしれないと思っています。

平井:たしかに中高生に読まれたいかも。実際、「さよなら、バンドアパート」は誰かの死やエロスもなく一人称の小説となっているので、若い世代にも合っていると思います。

最近2人は久しぶりに会うようになり、公式で発表はしないが一緒に曲作りをしたそう。それが心から音を楽しむという時間となり楽しかったと2人は振り返った。

「さよなら、バンドアパート」にもそのような部分があるが、音楽の根っこには純粋に楽しいものがあると平井は教えてくれた。話題は書籍の映画化などに移るが、その対談は後半に続く。

■平井 拓郎 (ヒライ タクロウ)
1987年兵庫県神戸市生まれ。ロックバンドQOOLANDを結成し、ロッキング・オン主催コンテストRO69JACKにてグランプリ受賞。UNIVERSAL
MUSIC JAPANでのメジャーデビューを経て解散。その後、ロックバンドjuJoeを結成し、無料CDを1万枚配布。1000日以上連続のnote投稿が話題となり、2021年に『さよなら、バンドアパート』として書籍化。
※版元ドットコムより引用
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784286222219

■➀cinema staff  三島想平(ミシマ ソウヘイ)
cinema staff のベーシスト、ソングライティング担当。2021年11月3日、4年ぶりとなるフルアルバム『海底より愛をこめて』をリリース。
現在開催中の全国ツアー“海底より愛をこめて”RELEASE TOUR『はじまりの場所』は各地SOLD OUTとなっている。
所属事務所はTHISTIME RECORDS

■平井 拓郎 書籍
「さよなら、バンドアパート」
発売予定日2021年7月16日
発行:文芸社
ミュージシャンの夢を追って上京した男の波乱万丈の物語。2022年春、映画化決定!/「バンアパは理想が低い!
サザンを目指せ!」マネージャーの怒声が赤坂の会議室を揺らした。傲慢、横柄、不遜を恫喝で和えた味のする言葉だった。体育教師さながらの体躯をしたマネージャーが、僕たち三人に鋭い眼光を向けている。ホワイトボードには『二〇一三年の目標』と書かれていた。(本文より)

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