(c)DNP Dai Nippon Printing Co., Ltd. [2021], with the courtesy of the Bibliotheque nationale de France.

新型コロナウイルスが世界規模で感染拡大している現在、海外旅行などできる状況ではありません。でも、海外の貴重な歴史的建造物やアート作品を鑑賞したい。そんな人たちの望みを叶えるべく、大日本印刷(DNP)とフランス国立図書館(BnF:Bibliotheque nationale de France)が共同で展覧会『これからの文化体験』(2021年7月11日まで)を開催しています。

BnFが所蔵する貴重なアートコレクションや歴史的建造物「リシュリュー館」の空間を、最新ITを駆使して3Dデジタル化。その作品群を活用し、作品展示をせずに鑑賞できる空間をDNP五反田ビル1階に作り上げました。いったいどのような展覧会なのか、ご紹介していきましょう!

DNPが3Dデジタル化に技術協力して実現した「実物のない展覧会」

DNPでは2019年から、世界屈指の文教施設であるフランスのBnFと共同で貴重なアートコレクションや歴史的な建造物の3Dデジタル化を進めてきました。BnFでは300年に一度の国家プロジェクト「リシュリュールネサンスプロジェクト」を進行中であり、リシュリュー館の改修などを行っています。このプロジェクトにおける日本唯一のパートナー企業であるDNPでは、BnFが所蔵する貨幣やメダル、古代美術などをはじめ、建造物の空間を忠実に3Dデジタルで再現するなど、文化財に新しいITを取り入れた技術協力をしています。

4月14日に行われた日仏オンライン記者発表会では、フランスと中継をつないでBnF館長のロランス・アンジェル氏、プロジェクトの責任者であるカラレノン・カサノバ氏が登場。展覧会『これからの文化体験』についてプロジェクト概要やDNPが参画する意義などについて説明がありました。

BnFのロランス・アンジェラ館長は「DNPは卓越したメセナを行う日本を代表する企業。このたび、そんなDNPと2回目のコラボができて非常に嬉しく思っている。BnFが所蔵する貨幣やメダル、古代美術といった貴重な文化財は、本来ならば実物を見ていただくのが望ましいが、現在の情勢では不可能。しかし、デジタル技術を活用したこの展示会でご紹介できる意義は大きい。フランスの貴重な文化を広く紹介できることに、我々は胸がワクワクしている。ぜひ、新型コロナウイルスで移動できなくなった今、ITを駆使した展示会を鑑賞して“旅”をしてほしい」と挨拶しました。

続いて、BnFの「リシュリュールネサンスプロジェクト」責任者であるカラレノン・カサノバ氏がプロジェクトの概要について説明。後述する「みどころグラス」というスマートグラスについて「素晴らしい技術。私も見てみたい。BnFが所蔵する文化財は、3Dデジタルで再現されたモノも良いが、自由往来が可能になったらBnFに来て、ぜひ実物も見ていただきたい」と締めくくりました。

このように、今回の展覧会は、新型コロナウイルスの影響で作品や人の移動が物理的に制限され、BnF所蔵作品が展示されない状況のもと、デジタルデータを活用することで、人々が知識と出会い、興味をひろげる、新しい文化体験のモデル構築に挑戦する内容となっているのです。

それでは、BnF×DNPミュージアムラボ第2回展『これからの文化体験』の注目ポイントについて、簡単にご紹介していきましょう。

注目ポイント①「みどころウォーク」:修復中のマザラン・ギャラリーをデジタル化し、本国に先駆けて公開!

(c)DNP Dai Nippon Printing Co., Ltd. [2021], with the courtesy of the Bibliotheque nationale de France.

今回の展示で一番の目玉といってもいいのが、この「みどころウォーク」。フランス本国で2年前から全面改修中のリシュリュー館「マザラン・ギャラリー」を、本国に先駆けて鑑賞することができます。VRのヘッドマウントディスプレイを装着し、没入感を味わいながら触覚も組み合わせた技術で、実際に現地を訪れたかと錯覚するほどの精巧な鑑賞体験が実現されています。なお、これは東京大学の研究成果「無限回廊」に、DNP独自のVR空間鑑賞のための通路設計ノウハウが投入された「リダイレクテッド・ウォーキング技術」が採用されています。

注目ポイント②「みどころグラス」:古美術などの現物とデジタルを組み合わせて見ることで興味が広がる体験!

(c)DNP Dai Nippon Printing Co., Ltd. [2021], with the courtesy of the Bibliotheque nationale de France.

BnFの貴重な文化財が実物で展示されていなくても、メガネ型のウェアラブルデバイス「スマートグラス」を装着することで、デジタル化された作品がケースに、あたかも展示されているように見えます。さらに、利用者の動作に合わせて作品に擬似的に触れることができたり、仮想空間に現れたボタンを押すことで作品の解説を聞くといったインタラクティブな体験も可能となっています。

注目ポイント③「みどころキューブ」:作品同士のつながりを立体的に見ることで、その作品の理解が深まる仕掛け

作品鑑賞に立方体状のインターフェイス(キューブ)を使い、2Dでは表現しづらい視点を作り出すことで、作品同士のつながりを視覚的に見せる仕掛けです。時代や作品テーマ、素材といったつながりで関連する作品を紹介してくれるため、作品に対する理解や興味が広がるといった効果もあります。

このほか、55インチと70インチの大型ディスプレイに触れることで、3Dでは作品の回転や拡大・縮小、見どころ情報などを表示できる「みどころビューア」や、リニューアルされたリシュリュー館の天井画を大画面で再現したスペースなど、まさに見どころ満載の展示会。最先端のIT技術による精巧な作品の再現度を、ぜひ一度目にしてみてはいかがでしょうか。

インフォメーション

BnF×DNPミュージアムラボ第2回展『これからの文化体験』
【展示期間】
法人公開:2021年4月15日(木)~7月9日(金)
一般公開:2021年6月5日(土)~7月11日(日)
【開館時間】
月~金曜日10:00~17:30(法人のみ)
土、日曜日10:00~18:00(一般のみ)
【会場】東京都品川区西五反田3-5-20 DNP五反田ビル1F
【入場料】無料

※事前予約制
法人:https://www.dnp.co.jp/biz/theme/cultural_property/bnf/10159378_3530.html[リンク]
一般:https://www.museumlab.jp/bnfRichelieu[リンク]

情報提供元:ガジェット通信
記事名:「作品がないのにアート鑑賞? 『これからの文化体験』最新ITを駆使したニューノーマルな展示会が開催中!