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長時間労働ナシでも業績堅調、ユニークな福利厚生で働き方改革を実現! ワンマン社長の苦悩が生み出した独自システムとは?/株式会社ランクアップ 岩崎裕美子さん


働き方改革が謳われて久しいが、社員の9割が女性、そのうえほとんどの社員が定時に帰るにも関わらず、コロナ禍でも堅調な売上を上げている会社がある。

「マナラ化粧品」の開発および、通信販売をメイン事業として展開している化粧品メーカー「株式会社ランクアップ」は、今年1月6日に社内イベント「書き初め教室」をオンライン上で実施した。子育てママにとって子どもたちの宿題は頭痛のタネであり、今回のイベントはそれを捗らせることが狙いだ。

コロナ以前は、「書き初め教室」以外にも、社内の大会議室にママ社員とその子どもたちを集め「夏休みの自由研究教室」を開催したこともあるといい、ランクアップが子どもを持つ“ママ想い”の会社であることは間違いない。

昨年は社内に子どもたちを集めて書き初め教室を行ったそうだが、今年はコロナ禍で各家庭から子どもたちが参加するオンラインでの実施となった。しかし、ランクアップ代表取締役社長・岩崎裕美子さんは、「オンラインで行った今回の方が例年よりも手応えがあった」と語る。

イベントに参加した子どもたちはまさに真剣そのもの。大人顔負けの達筆ぶりも驚きだったが、子どもたちはどうしたら上手に書けるか試行錯誤しながら書き進めていく。

長期休みの宿題の中でも、書き初めや自由研究は、家庭内だけでやろうとしても何故だかダラダラとしてしまいギリギリになって焦ることも多い。そこへ他人、今回で言えば書き初め講師を介入させることによって、子どもの集中力を持続させる効果もあるようで、そういった意味ではオンラインながらも今回の書き初めイベントは大成功に終わったといえよう。

ランクアップでは、他にも女性や子育てママが働きやすい環境にするため、数々の取り組みを行っているという。どんな施策があるのか。モトタキ記者が岩崎社長に話を聞いた。

――会社のイベントとして子どもの宿題を助けるという発想は、子育てママならではの目の付け所に感じました。福利厚生は他にどんなものがあるのでしょうか?

岩崎社長:弊社では病児シッター制度があります。子どもが熱を出した時、病児シッターを利用すると一般的に3万円程度の出費になりますが、弊社の社員の場合、支援制度によって300円で利用することができます。

他に時間休もあり、1時間から6時間まで小刻みな休みを取ることができます。子どもの送迎や突発的な予定が入りやすいママ社員たちが柔軟に働けるように対応しています。

あとは足ツボマッサージでしょうか。月に一度は足ツボのマッサージ師を弊社に招いていますので、予約した社員は無料施術を受けられます。足ツボからわかる健康管理のアドバイスもしていただいています。

――男性経営者では見落としがちなワークライフバランスのポイントはどんなものがあると考えますか?

岩崎社長:例えば女性が妊娠した時、男性経営者だと仕事を配慮しすぎて部署を異動させることも多いです。男性からすると良かれと思っていても、やりがいを求めて働く女性にとってはやる気を削いでしまうことになり、逆効果になってしまう恐れがあります。

働く女性にとって必要なのは活躍できる場です。弊社では、ママ社員も、そうでない社員も全く同じ責任のもとで働いています。

――社員の目安箱ともなっている「改善提案制度」は面白いですね。こういった独自システムはどのように生まれたのでしょうか?

岩崎社長:もともと私がワンマン社長で、弊社は社内の風通しも悪く、とても暗い会社でした。朝礼なんてお通夜そのもの。そこで状況を打破しようとはじめたのが「改善提案制度」でした。

社員が提案を書けば、内容に関わらず500円の報酬をもらえる制度です。この制度は、採用可否まで知ることができるので愚痴が減り、とても風通しの良い会社になりました。

――中でも面白かった提案はありますか?

岩崎社長:「週休3日制にしましょう」という提案が面白かったですね。週休3日制にした上で、今の生産性を維持もしくは向上することができれば、プライベートが充実し、インプットを仕事に活かせる可能性も広がりそうだと思いました。

しかし、弊社は有給の他に毎年リフレッシュ休暇が5日間支給されています。また、ママ社員が多く、時短勤務は小学校1年生になるまで6時間勤務可能。そもそも休みが多めで残業も少ないため、「これ以上休暇を増やすのは難しい」と判断し、残念ながら不採用となりました。

今はコロナの影響で、社員が考えて効率的にリモートと出勤を併せた、ハイブリッド型の勤務体制をとっています。自分のスケジュールに合わせ、柔軟な選択ができる制度が整いました。

――これまで社員からの提案で採用されたものにはどんなものがありますか?

岩崎社長:「お疲れ様です禁止」ですね。社内のみの取り組みですが、弊社ではコミュニケーションが取れているので、わざわざ社内のメールで「お疲れ様です」の枕詞は不必要で、形式っぽくならないので良いとの声が上がっていました。

時短で集中して働くランクアップの文化が現れていると思います。現在、ルール化自体はされていません。

――コロナで大変な状況ですが、経営への影響はいかがなものでしょう?

岩崎社長:やはり、メイクをしなくなる人が増えましたね。弊社はメイク落とし製品が主力ですが、前年は売上が落ちました。これからは既存スキンケアに力を入れ、2020年7月に立ち上げたメンズブランド「R_homme」の拡大や、新ブランドの立ち上げも展開していきます。

――これからの時期にオススメしたい商品はありますか?

岩崎社長:拭き取り洗顔「モイストウォッシュゲル」です。マナラ化粧品の中でも10億円以上の売上を出している主力商品です。冬の朝は寒さで顔を洗うのが億劫になりますが、モイストウォッシュゲルは水を使わず、コットンに2プッシュ程度乗せて拭き取るだけなので、寒い冬の朝でも気持ちよく洗顔ができます。

また冬は乾燥の季節ですが、モイストウォッシュゲルは93%以上が美容液成分でできているので、拭き取ったあとも肌の乾燥を防いでくれてオススメです。

今後はメンズ向け商品も開発されるというランクアップ。コロナに負けずに、効率化されたチーム力で、どんどん新商品を世に送り出してくれることを期待したい。

―― 面白い未来、探求メディア 『ガジェット通信(GetNews)』
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