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京都市、無届け民泊など約2千件を「廃業」に追い込む その陰で、旅館業法の宿泊施設が急増




京都市、無届け民泊など約2千件を「廃業」に追い込む その陰で、旅館業法の宿泊施設が急増

京都市は、2018月11月末時点で無許可営業疑いのある宿泊施設に対する指導状況等を公表し、「民泊通報・相談窓口」等に寄せられた通報に基づき、延べ7,272回の現地調査を実施。このうち1,976施設について、営業中止や撤退などの厳正な対応を行ったことを明らかにした


京都市は民泊ニーズの高まりを受けて全国で初めて2015年に「民泊」対策プロジェクトチームを発足。2016年7月には民泊に関する苦情や相談などの専用窓口「民泊通報・相談窓口」を設置。


さらに2018年4月からは民泊担当者を20名から26名に増員し、旅館業法上の審査、住宅宿泊事業法上の審査、監査指導の3チームに再編するなど対策を強化していた。


京都市による徹底した取り締まりを受けて、必要な届出や許可などを行っていない民泊物件は大幅にその数を減らした。2017年には指導中の物件は約200件あったが、2018年の11月末時点では9件にまで急減している。


京都市は2015年から民泊対策の急先鋒として様々な対策を行ってきたが、一時約200件あった指導中の物件数が一桁台まで減少した状況を鑑みると、京都市の民泊対策は一定の役割を果たしたといっても過言ではないだろう。


 


住宅宿泊事業と旅館業に関係する「数字のマジック」に注意


2018年6月に届出を行うことで民泊(住宅宿泊事業)の営業を可能にする住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行された。一連の対応により消えた約2千件の供給を補う存在として期待された住宅宿泊事業法であるが、ふたを開けると悲惨な状況が浮かび上がってくる。


ここで、住宅宿泊事業法上の届出物件と旅館業法上の許可施設の伸びを比較しておきたいがその前に、双方の施設数に隠された「数字のマジック」に触れておきたい。


住宅宿泊事業の届出物件とは、多数の客室の集合体を1施設としてカウントしているわけではなく、1客室を1施設としてカウントしているという点だ。これはもともと、民泊が1室単位で貸し出されたことに起因する。


旅館業法の場合の1施設とは、多数の客室の集合体を1施設としてカウントしている。このことから住宅宿泊事業法の1施設と旅館業法の1施設を同じ規模感と捉えると大きく見誤ることになる。


さらに、1年間365日の宿泊営業ができる旅館業法上の宿泊施設とは異なり、住宅宿泊事業法の届出物件は年間の最大営業日数は180日となる。そのため住宅宿泊事業の1施設とは実質的に0.5施設を意味しているにも注意が必要だ。


住宅宿泊事業法の1物件(施設)と旅館業法の1施設の違い


 


住宅宿泊事業ではなく、旅館業法の宿泊施設が急増


「数字のマジック」をおさらいした上で、京都市における住宅宿泊事業法の届出物件と旅館業法の許可施設の伸びを比較してみる。


京都市の住宅宿泊事業法届出件数は2018年11月末時点で、355件(受理件数:300件)。一方で、2018年6月から11月までの期間で旅館業法上の許可を取得した宿泊施設数は327施設だ。


一見すると、旅館業法と住宅宿泊事業法の施設数の伸びは拮抗しているように見えるが、「数字のマジック」に注意するとその差は歴然だ。


市が公表している旅館業法の許可施設数では、客室数は未集計だ。2017年時点では1施設あたり平均13.4客室あることから推定すると、2018年6月から11月までの期間で増えた客室数は、約4,300室超(推計値)となる。


双方を正確に比較することは難しいが、旅館業法上の許可施設(客室数)の伸びが住宅宿泊事業法のものより圧倒的であることは明らかだろう。


京都市「許可施設数の推移」より(クリックで拡大)


※本グラフは、京都市の「許可施設の推移」を基にAirstairで再集計を行ったもの。旅館業法の推定新規客室数とは各月の新規宿泊施設数から推定される客室数で2017年における新規の1施設あたりの総客室数を基に算出。住宿法の届出物件は観光庁の「自治体の条例制定・届出の状況」における京都市の新規受理件数。


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