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3シリーズ、Cクラス、A4の欧州・北米・中国での販売状況を分析する。勝者はどれだ?


クルマの王道といえば、いまやSUVにとって代わられた感もあるが、やはりセダン。それもいわゆるDセグメント・セダンである。そこで主役を張りつづけているのは、BMW3シリーズ、アウディA4、メルセデス・ベンツCクラスという、いわゆるジャーマン・プレミアム3の主力モデルである。

いつも、この3モデルが軸になってきた

 名車02シリーズを源流に持つ3シリーズは1975年にデビュー。以来、代を重ねて現在は7代目のG20型になっている。


 これまた名車W201型190Eをオリジンにもつメルセデス・ベンツCクラスは1993年に登場している。


 アウディA4は、アウディ80の後継として1994年にデビュー。現在のA4は5代目である。




 3モデルが揃ったのは、1990年代中盤ということになる。以来、セールスでも技術でもデザインでも、この3モデルがトレンドを作ってきたと言っていい。今回は、この3モデルの「三つ巴」の戦いを、時間軸、地域軸で分析してみよう。

現行BMW 3シリーズ(G20型)

現行アウディA4 B8型

現行メルセデス・ベンツCクラス(W205系)

このクラス、主戦場はヨーロッパ

ヨーロッパにおける3モデルの販売台数の推移

 このDセグ・プレミアムセダンの主戦場は、ヨーロッパだ。21世紀初頭は、この3モデルの欧州販売の合計は80万台を超えていた。リーマン・ショック以降に販売台数が落ち込んだ後は、SUV人気に押されて往時の半分になってしまったが、それでも年間40万台(2018年は37万台)という大きなマーケットであり続けている。




 欧州でのこの3モデルの戦いで、イニシアチブをとっているのは、BMW3シリーズだ。一貫して販売台数でトップを保ってきた。これにアウディA4とメルセデス・ベンツCクラスが挑むという構図だったのだ。この構図に変化が現れてきたのは2010年代に入ってから。SUV人気の高まりと、このジャーマン・プレミアム3のモデルラインアップの拡充もあって、かつてほどの販売台数は稼ぐことができなくなっている。




 2018年は


Cクラス:約15万台 A4:約11.2万台 3シリーズ:約10.7万台


でCクラスがリードしている。



この3モデルに挑むのは?

欧州市場における3モデル+挑戦者の販売台数の推移

 次のグラフを見てほしい。3シリーズ、Cクラス、A4の牙城への挑戦者は、


ジャガーXE/アルファロメオ・ジュリア/ボルボS60・V60/レクサスISなどが挙げられるが、その販売台数を載せてみた


 ご覧になってすぐにわかるように、まったく歯が立っていない状態だ。強いていえば、SPAプラットフォームを使った新生ボルボのS60/V60の販売が好調だということか。60シリーズは、日本と同様に欧州でもセダンよりワゴンが売れている。

ボルボS60。ワゴン版のV60の方がセダンのS60より売れている。

BMW 3シリーズイーターを期待されたジャガーXEだが、今のところライバルにはなっていない

北米での3モデルの販売台数の推移

 北米ではBMW 3シリーズが圧勝だ。3シリーズ、Cクラス、A4という順番が固定されているようにも見える。2008年、2009年の大きな落ち込みはリーマン・ショックによるもの。もっともボリュームが小さいアウディが比較的悪影響を免れた、と言える。

3モデルにライバルモデルの販売台数を載せたグラフ

 このグラフにもライバルの数値を載せてみよう。


 ヨーロッパ市場と比べると日本勢も健闘していると言える。インフィニティQ50(2013年はQ50と前型G37との合算)は3シリーズの後ろ姿は拝めなかったものの、Cクラス、A4とは真っ向勝負を挑めるポジションにいた。が、ここ数年は後塵を拝している。


 レクサスISもドイツ勢のライバルにはなっていない。

インフィニティQ50は北米ではなかなかの人気ぶり

レクサスISは、ここ数年販売台数が振るわない

新興の中国市場を制するのは?

中国市場での3モデルの販売台数の推移

 いまや世界一の自動車市場となった中国。中国でのBMW3シリーズ、アウディA4、メルセデス・ベンツCクラスの販売データを見てみよう。中国では、ドイツメーカーと中国自動車メーカーの合弁が造るモデルと、輸入される(ドイツメーカーとしては輸出する)モデルが混在していたりするので、あくまでも市場のトレンドを見るためのグラフと思ってほしい。




 まず言えるのは、市場の急成長ぶりだ。「右肩上がり」とはこういうこと、とひと目でわかる。


 中国ではアウディが「高級車はアウディ」というブランド戦略の成功によってまずはA4がトップの地位を長らく確保していた。これに3シリーズとCクラスが挑んでいる、という構図だ。また、中国市場には、3モデルとも「L」モデルを中国専用モデルとして投入しているのも特徴だ。Lモデルとは、ホイールベースを延長した、ロングホイールベース仕様で、これが人気なのだ。




 グラフでも明らかなように、いまはまさに三つ巴状態だ。2018年の販売台数ではA4、Cクラス、3シリーズの順だが今年、そして2020年代がどうなるかは予断を許さない。

 この3モデルの熾烈な戦いを見て見ると、フルモデルチェンジのタイミングが重要なことがわかる。最重要モデルだから開発資金も期間も充分にとって新型を投入するわけだ。


 モデルチェンジ戦略は非常に重要であることが容易に予想できる。

3モデルの、モデルごとのライフとフルモデルチェンジ(FMC)時期をまとめてみた。

欧州市場での販売台数推移にフルモデルチェンジのタイミングを星印で表してみた。赤が3シリーズ、緑がA4、青がCクラスのフルモデルチェンジ時期だ。

 アウディA4は、初代が1994年に登場。


初代が8年間


2代目(3代目のB7系は2代目のB6系のビッグマイナー版と考えると)8年間


3代目B8系が8年間


ときっちり8年周期でフルモデルチェンジをしている。となると、次期型は2022年に登場するはず。




 メルセデス・ベンツCクラスは、いわずとしれた名車W201系190Eの後継としてデビューしたコンパクト・セダン。


初代W202型は8年間


2代目W203型は8年間


3代目W204型は8年間


4代目W205型がいま6年目


と、こちらもきっちり8年周期。となると次期型は2021年登場となるはず。




 BMW 3シリーズは、名車2002シリーズの後継として1975年に初代E21型が登場。


初代E21型が8年間


2代目E30型が13年間


3代目E36型が11年間


4代目E46型が10年間


5代目E90型が8年間


6代目F30型が8年間


 となっている。徐々にモデルチェンジのサイクルが短くなって、いまやアウディA4、メルセデス・ベンツCクラスと同じ8年周期になった。となると次期型登場は2026年ということになる。




 ガソリンとディーゼルエンジンに加えて、48Vマイルドハイブリッド、PHEV、2020年代になればEVも開発しなくてはならなくなる。これまでと同じ開発期間で済むかはわからないが、ライバルと熾烈な競争している現実を考えると、今後もこの周期で新型にチェンジしていくはずだ。




 挑戦者にとって、この3モデルの壁は限りなく高く、厚そうだ。

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