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足回り部品の防錆性能向上に貢献、日本溶接協会賞技術賞受賞


神戸製鋼所とマツダは、両社の溶接に関わる知見を組み合わせることで、発錆の起点となるスラグ※1を低減し、足回り部品の防錆性能を高めた画期的な溶接方法である「自動車足回り向けスラグ低減溶接プロセス」を開発した。本技術は、マツダ「MAZDA3」に初めて採用され、今後他の車種にも展開される予定。

 近年、環境性能や走行性能の向上のため、自動車の軽量化が積極的に進められている。軽量化には、鋼板の薄板化が不可欠だが、厳しい環境下で使用される足回り部品は、溶接部付近の錆による板厚減少の問題から、強度や剛性などの機械特性に加え、その状態を長期間維持する防錆性能が求められる。薄板の接合に用いられるガスシールドアーク溶接※2は、高剛性・高信頼性を実現できる反面、溶接時に生じるスラグがビード表面に残留すると、電着塗装の付着を阻害し、その周辺から発錆する可能性がある。そのため、防錆性能の向上にはスラグを極限まで低減させることが理想とされている。




 そのような背景のもと、神戸製鋼所とマツダは2014年より「自動車足回り向けスラグ低減溶接プロセス」の共同開発を進めてきた。新技術では、スラグの発生メカニズムまで遡って研究し、スラグの発生源であるシールドガス中のCO2量や溶接ワイヤ(本プロセス専用FAMILIARCTM MIX-1MS)の組成の最適化を実現している。さらに、大気の混入を最大限抑制するシールドノズルを用いて、新プロセスを安定化させた。これらにより、スラグ発生量を極限まで減らすことに成功した。

日本溶接協会技術賞(本賞)

 世界的に自動車軽量化への取組みが進められる中、本共同開発は、我が国の溶接技術の発展に寄与した研究開発者に授与される「2018年度(第49回)日本溶接協会賞技術賞(本賞)」(12日、東京ガーデンパレスにて表彰式開催)を受賞した。


 今回の受賞を励みに、神戸製鋼所は、溶接施工技術全てに亘る開発能力と知見を活かした溶接ソリューションの提供を通し、顧客のベストパートナーとして、自動車の更なる軽量化と安全で環境に優しい社会づくりに貢献していく。




受賞対象:「自動車足回り向けスラグ低減溶接プロセスの実用化」


受賞者:田中 正顕 マツダ(株) 車両開発本部 シニアスペシャリスト


深堀 貢 マツダ(株) 技術研究所 主幹研究員


井海 和也 (株)神戸製鋼所溶接事業部門 技術センター 主任研究員


山崎 亮太 (株)神戸製鋼所溶接事業部門 技術センター


鈴木 励一 (株)神戸製鋼所技術開発本部 自動車ソリューションセンター マルチマテリアル接合研究室長

受賞者

※1:スラグ


溶接部に生じる非金属物質。溶融金属中の元素と、シールドガスや大気中に含まれる酸素などが反応・結合したもの。


※2:ガスシールドアーク溶接


外部から供給されるシールドガスによって、アークおよび溶融池を大気から遮蔽しながら行うアーク溶接法。
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