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高効率石炭発電の技術のキモ 勿来IGCCパワー合同会社向けに石炭ガス化炉圧力容器を出荷開始



三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、石炭ガス化複合発電(IGCC:Integrated coal Gasification Combined Cycle)設備の中核となる石炭ガス化炉を6月22日に長崎工場から出荷を開始した。

 石炭ガス化複合発電(IGCC)は、炉に微粉の石炭と空気か酸素を吹き込みガスを発生、燃焼器でそのガスを燃やしてタービンを動かす仕組みだ。排熱を回収してできる蒸気でもタービンを回すため、発電効率は40~50%と一般的な石炭火力にくらべ10ポイント程度高く、二酸化炭素(CO2)排出量も2割ほど抑えられる。

IGCCシステム概略系統図

 環境意識やCO2排出規制によって、世界的には逆風が吹く石炭発電だが、MHPSに説明によると、IGCCは、石炭をガス化炉でガス化し、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた高効率のコンバインドサイクル方式で発電することにより、従来の石炭焚き火力発電に比べ、発電効率を約10~15%向上させ、CO2排出低減にも寄与する画期的な発電システム。2020年9月の運転開始が予定されている勿来IGCC発電所の建設には、世界最新鋭の石炭火力発電所の実現を通じて産業基盤の創出と福島県の復興に貢献していきたいという関係者の思いが込められている。世界的には石炭産出国を中心に今後も需要があるとMHPSは考えている


 勿来(なこそ)IGCCパワー合同会社が福島県いわき市で建設している出力54万kWの勿来IGCC発電所向けに、同工場内の石炭ガス化炉工場で初めて製作したものだ。以後、石炭ガス化炉圧力容器および付帯機器を順次出荷していく予定だ。


 石炭ガス化炉は、石炭を効率よくガス化するために、高温に耐え得るガス化装置と、高圧を保持する圧力容器から構成される。今回出荷した圧力容器はその一部であり、他の部分も順次出荷していく。MHPSは2017年6月、長崎工場で石炭ガス化炉工場を竣工させ、製作に取り組んできた。同工場は、高温高圧に対応したガス化装置と圧力容器を製作するため、従来の石炭焚き火力発電用ボイラーで培った溶接などの要素技術に加え、独自開発した自動溶接装置や、ITを駆使した生産方式を導入したものだ。

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