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今見頃の山吹(やまぶき)。春のきらめきを表す黄金色の花にもう出会いましたか?


色鉛筆でお馴染みのヤマブキ色。色名は植物の山吹に由来していたのをご存知でしたか?山吹色(やまぶきいろ)は、山吹の花のような鮮やかで少し赤みを帯びた黄色のことです。

山吹はバラ科ヤマブキ属の落葉低木。北海道から九州まで広く分布し、美しい花を咲かせることから万葉の頃より親しまれてきました。

山の中に生え、しなやかな枝が風にゆれる様子から『万葉集』では「山振 やまぶり」と呼ばれ、転じて「山吹」になったと言われています。晩春に花が咲くことから春の季語となっています。

着物の重ねや襲かさねの色目(いろめ)にもなっており、『山吹』「表、朽葉色 くちばいろ・裏、山吹色」や『青山吹』「表、青(緑色)・裏、山吹色」等、春の定番の色目になっています。

山吹の花の色が黄金に似ていることから、別名『黄金色 こがねいろ』とも呼ばれ、また逆に江戸時代の隠語では、「賄賂 わいろの小判」が『山吹』と呼ばれたとか。

本日は、この山吹をみていきましょう。


山吹(やまぶき)にまつわる有名な歌

山吹には、花びらが一重の山吹、八重の八重山吹があります。八重は、雄しべがすべて花びらに変化したもので、雄しべがないから受粉ができなため、実が実りません。

このことを、兼明親王(かねあきらしんのう)が、

七重八重 花は咲けども 山吹の 実の一つだに 無きぞ悲しき[後拾遺集19]

普通の一重の山吹は、秋にはちゃんと実がなり黒っぽい実をつけます。八重は実をつけないというこの歌から、室町時代の武将で歌人でもある太田道灌を奮起させた逸話が有名です。

道灌が鷹狩に出かけ雨に降られたので、近くの農家に雨具の「蓑(みの)」を借りようとしたところ、その農家の娘は盆の上に一枝の山吹の花をのせて差し出しました。

道灌は意味がわからないで怒って帰りましたが、後で娘が山吹を差し出したのは、前出の兼明親王の歌を踏まえて、貧しくて、実の(蓑)一つさえないから、貸すことができないことをヤマブキの枝で表現したのだとわかり、道灌はじぶんの学のなさを恥じて、それ以来和歌を勉強し、当代一 の歌詠みに なったといいます。

八重の山吹

八重の山吹


山吹といえば、源氏物語のこの女性

二条院に植えられていた植物(紅梅、常夏、桜、朝顔、蓮、荻、山吹、藤、花橘)はどれもが光源氏の心象と共に出てきた植物です。また、物語中に登場する庭園の様子は女性の身分を表わしています。例えば、六条御息所は庭園の様によって高貴な女らしさが語られています。「木立、前栽など、なべての所に似ず、いとのどかに、心にくく住みなし給へり。」

しかし、夕顔の庭園はそれとは対照的に書かれていて、朝顔(御息所の庭に咲いている)と違い夕顔は「あやしき垣根」に咲く花でありその夕顔の宿は貧しく、「ほどなき庭」でしかありませんでした。

その他女性を具体的に例えている花をいくつか紹介していきます。

<紫の上>

若菜下の二条院における源氏と紫の上の対話場面で自然状態の蓮、蓮と露、極楽浄土と蓮との関連が述べられています。

<空蝉>

空蝉はなよ竹に例えられています。タケは主にアジアに産し、わが国では凡そ12属150種あります。野生の他、栽培もされます。葉は狭長、偏平で短柄、間接があります。弱竹はナユタケ、メダケともいわれます。細くてしなやかな竹、柔らかい竹、若竹で色を変えないめでたいものとして歌に詠まれたましたが、後世は憂いの歌に詠まれるようになりました。空蝉の一見柔和だが芯が1本通っていて自分を見失わない所が弱竹に例えられたのでしょう。

<朝顔の斎院>

朝顔の斎院は朝顔に例えられています。アサガオはアジア原産の1年草で左巻きに他物にまつわります。葉は長い柄があって、普通は3裂します。早朝に咲き、午前中に萎むので朝顔の名がつきました。古典における「あさがほ」は、朝顔と限らず、1部夕顔の巻における「朝顔」においては、「あさがほ」という古名のキキョウであると考えられます。

<玉鬘>

光源氏の愛した女性、夕顔の愛娘・玉鬘。玉鬘は主に山吹、撫子に例えられてます。山吹は、山間の谷川沿いの湿った所に多く又、広く人間に栽培されます。落葉低木で幹は直立して束生、高さ2m位になります。茎の中心に柔らかな白色の髄があり、枝は細く、ジグザグに折れ曲がって緑色、葉は互生、葉質は薄く、表面は鮮緑色となっています。ナデシコは古くから秋の七草の1つとして知られていて茎は数本束になり、直立して緑色、隆起した節があって、高さは普通50cm内外です。夏から秋にかけ優美で雅味のある淡紅色の花が咲きます。

山吹は平安人に好まれ、重ね色目が何種類もありますし、文献上にも様々に登場。その華やかな色彩が愛され、男女ともに盛んに装束に用いました。

源氏物語の「衣配り」という一幕では、玉鬘巻の末巻、舞台となる六条院・二条東院にて光源氏が七人の女性に着物を贈ります。六条院に住まう女君は、紫の上、明石の姫君、花散里、玉鬘、明石の君であり、二条東院に住まう女君では、末摘花と空蝉。

その贈った着物の重ねの色目をイメージして、裏山吹の「山吹色と紅」の組み合せの万年筆が販売されているようです。このような艶やかアイテム、欲しくなりそうですね。

参照

https://www.excite.co.jp/news/article/Japaaan_54680/

たくさんの黄金色の花をを次々とつける山吹は、私たちの気持ちを明るくしますね。花言葉は「気品」「待ちかねる」「崇高」「金運」。赤みがかった黄色、黄金色は、気品があふれ、元気で活発な感じもする山吹の花です。

一方「待ちかねる」の花言葉は、春に咲く花は、桜をはじめ花が先に咲くことが多いのですが、山吹は枝に葉が生え揃うのを待ってから花が咲きます。花が葉が出揃ってから咲くことに由来して「待ちかねる」の花言葉が付いています。

桜が咲き終わった頃にじっくりと見頃を迎える山吹。生命力や賢さも感じます。かくありたいものですね。

白山吹という白い花をつける山吹もあります

白山吹という白い花をつける山吹もあります

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