＜ドジャース5－1ブレーブス＞◇5日（日本時間6日）◇ドジャースタジアム
【ロサンゼルス（米カリフォルニア州）5日（日本時間6日）＝斎藤庸裕、久保賢吾】ドジャース大谷翔平投手（29）が、今季初の1試合2発＆4打数4安打をマークした。ブレーブス戦に「2番DH」で出場し、第1打席で9号先制2ラン、第4打席で飛距離464フィート（約141メートル）の特大10号ソロを放ち、4年連続で2ケタ本塁打に到達した。4打席で4打数4安打はサイクル安打をマークした19年6月13日以来5年ぶり。真美子夫人と愛犬デコピンが観戦する前で大活躍し、プレーオフ前哨戦とも言えるブ軍との3連戦で全勝のスイープに貢献。本塁打、打率など打撃9部門でリーグトップに浮上した。
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大谷の特大弾は、大きな弧を描いただけでなく、大きな意味もあった。3点リードの8回無死、左腕ミンターのど真ん中の直球を打ち砕いた。満員5万2733人で埋まったスタジアムに響いた甲高い打球音と、角度よく上がった打球に誰もが本塁打を確信した。「完璧でした。いいタイミングで打てていたと思います」。むちを打つようなしなりのあるスイングにパワーを加え、とんでもない衝撃アーチをかっ飛ばした。
中堅左のスタンド中段へ運び、飛距離は464フィート（約141メートル）。逆方向への本塁打では自身最長を記録した。「あそこにホームランが打てる自信があれば、もっと他の球種に対してのアプローチも自信を持っていける」。風は左翼から右翼、風速約12・8メートルの逆風を切り裂く一撃にロバーツ監督も「それは深いですね。人々はそこにボールは打ちません。我々が見たことのないようなプレーを彼は続けている」と驚きを隠せない。
大谷が感じた自信はもう1つあった。追加点が欲しかった8回無死、「チームのバランスとして、長打をあそこでしっかり打てるのも大事。自信を持っていきたい」。チーム打撃のイメージと打撃結果が完全にマッチしてきた。一方で「2番で打ってますけど、その流れを理解して打線になることが、一番やるべきこと。打った打たないにかかわらず、まずは（打席の）アプローチの仕方を一番考えないといけない」。2、3打席目はともに中堅から左方向への単打。カウントによってスイングを変え、柔軟な打撃ができる状態だ。
第1打席では初対戦の左腕フリードから中越えの1発。「ちょっと詰まり気味」だった打球がフェンスを越えた。「デーゲーム特有の風というか、そういうのもあったとは思う」。乾燥で飛距離が出やすいことを差し引いても、2日連続で詰まった打球がフェンスを越えたのは進化の証と言っていい。強豪ブ軍を相手に3連戦で全勝し、打撃9部門でリーグトップに。「バッティング自体の状態もいいですし、試合運び自体が全体として素晴らしい。自分の打席にもいいリズムで入っている」。例年、無双状態となるのは6月前後。約1カ月も早く、最強の打者大谷が出来上がりつつある。
