「ラストチャンス」で奮起＝リチャード、宮城から連発―プロ野球・ソフトバンク

　くすぶる大砲候補が、苦境のチームで存在感を示した。ソフトバンクのリチャードは、前日の１号では終わらず、宮城に痛烈な２連発を浴びせた。 　二回は先頭で初球のスライダーを一振りで仕留め、逆方向の右中間席へ。四回１死ではフルカウントから内角のスライダーを引っ張り、「かなり詰まったが、自分のスイングで押し込むことができた」。左翼席まで運んだ。 　厳しいチーム事情もあり１０日に昇格。藤本監督は今回を「ラストチャンス」と位置付けていた。この日は試合開始時から腰に違和感があった中で意地を見せた。 　１８８センチ、１１７キロの恵まれた体格。その潜在能力には王会長をはじめ、周囲は大きな期待を寄せてきたものの、今季は２軍でも打率１割台。ようやく結果を出した２３歳に、藤本監督は「素晴らしい本塁打だった。宮城から２本打てたなら、自信を持って打席に入ってほしい」。期待ゆえに厳しい言葉も多いが、この日ばかりは目を細めた。 　チームは連敗を５で止めた。監督は「リチャードの２発で勢いに乗り、頑張っていきたい」。この一勝を、再び白星を重ねるきっかけにしたい。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕４回、この日２本目のソロ本塁打を放つソフトバンクのリチャード＝１３日、ペイペイドーム