新番組「結婚式 心の手紙」4/3 チバテレ・YouTubeで放送開始!ホストMCが語る結婚式の感動秘話
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――ブライダル業界の人気司会者としてご活躍の有山さわさん。4月からテレビの新番組でホスト役としてアナウンサーをなさるそうですね。どんな番組ですか?
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有山さわさん(以下、有山)はい。「結婚式 心の手紙」(千葉テレビ:放送開始4月3日(金)/毎週金曜日21:55~)という日本の結婚式の感動をお届けする番組です。結婚披露宴で笑ったり、泣いたり、感動したり…という体験エピソードを人気司会者がお手紙の朗読というスタイルでご紹介していきます。5分間の番組なのですが、出会いや家族の絆など毎回素晴らしいドラマが凝縮されています。ひとつとして同じ物語がない。それもまた結婚式の魅力ですね。
――有山さんもご自身の体験を朗読されるのですか?
有山 私はオープニングとエンディングのホスト役ですので、残念ながら自分の体験を朗読する機会はないんですよ。
――ならば。せっかくですから、ここで有山さんの忘れえぬエピソードをご紹介ください。
有山 そうですね、感動的なエピソードは数えきれませんが……。思い出すたびに胸がいっぱいになる結婚式がありました。新婦のお父様が亡くなられる直前に娘のために撮影したビデオレターを挙式当日に流した披露宴です。
―――新婦はその日はじめてビデオレターをご覧になったのですか?
有山 お父様のご逝去から時間が経っていましたから、新婦は既にご覧になっていました。その上で、挙式の打ち合わせ時にご自分が両親に贈る手紙を読む前にそのビデオを流したいと希望されたんです。実は私、その時、とても戸惑いました。時間が経っていたとはいえ、披露宴当日、お父様の生前のお姿や声を見聞きすれば、やはり新婦の気持ちは大きく揺れるでしょうし、その後、手紙が読めなくなるのでは?と案じる気持ちもありました。私自身は先入観を持たないように、当日まであえてビデオを見ずに式に臨みました。
## ビデオレターに託された、父から娘への愛
――どんな内容のビデオメッセージだったのですか?
有山 それはそれは、素晴らしいものでした。人が生きていくこと、死んでいくこと、家族を残せたしあわせをお父様はベッドの上でニコニコ笑いながら語り始めました。娘の成長をこれまでどんな気持ちで見守っていたか、という思い出話。やがて花嫁となる娘へのメッセージの数々。こんな言葉もありました。「僕はたぶん、君の結婚式には出られないだろう。これから君の人生を見守ることはできないけど、いつもそばにいてパワーを与えていこうと思っているよ」最後の締めくくりは「〇〇ちゃん、じゃあ、またね」と満面の笑みで手を振って、ビデオは終わりました。話しているだけで涙がこぼれてしまいます……。
―――思わず、もらい泣きしてしまいました。
有山 お父様はお医者様でした。新婦は家族が皆医師というご家庭に育ち、ご自身も子どもの頃から医師を目指していたのに「君は看護師のほうが向いている」とお父様に勧められ、看護師を選択された方でした。お父様が晩年に病気を患って自宅療養した際、彼女は勤めていた病院を辞め、お父様専属の看護師として看病なさったそうです。
―――お父様は幸せだったのではないですか。
有山 そう思います。そしてまた新婦の人生の中で、お父様の存在がとても大きいことが伝わってきました。同時に、このビデオが新婦を間違いない方向に導いてくださるのだ、とも。
―――ビデオレターが流れた後、会場はどうなったのですか?
有山 皆さま、泣いていましたね。会場全体が温かい気持ちで満ち満ちていましたが、進行役として一体どんな言葉をかけてさしあげたらいいのか……。私は胸がいっぱいになってしまい、たった一言、「お父様、ありがとうございました」と発するだけで精一杯でした。ところが式の後、「有山さんにお礼がいいたい」と新婦が訪ねてきて、こんな言葉をかけてくださったのです。「ビデオが終わった後、私が手紙を読むまでの間、有山さんが何をしゃべったのかは覚えていません。でも、自分の中にものすごく温かい気持ちが入ってきた。やさしい声と響きが聞こえてきて、すごくうれしかった」。
―――有山さんの思いが伝わった。司会者冥利に尽きますね。
有山 うれしかったですね。言われてみれば「何か上手いことを言おう」とすることよりも、伝えたいという強い思いがあることのほうが司会者にとってはたいせつなんです。そのことに気付くまでずいぶん時間がかかってしまった。私はずっと平均点の司会者でしたから……。
##「可もなく、不可もなく」の司会者から人気司会者へ
―――平均点の司会者?
有山 はい。ミスはしない、クレームもない。その代わり「可もなく不可もなく」というタイプの司会者です。実は私、OLをしながら兼業で司会業を始め、二足の草鞋を履く生活を5年間続けていた時期がありまして。
―――副業されていた?
有山 そうです。平日は商社の事務職として営業のアシスタントをしながら、土日は月平均6回くらいのペースで結婚式の司会者をしていました。OL生活もそれなりに楽しかったのですが、どこか物足りなさも感じていた。学生時代、イベントや展示会のMCのアルバイト経験を活かしたかったこともあり、それで副業をはじめたんです。でも、OLという逃げ場があったせいか、そつなくこなすことはできてもそれ以上にはなれない。「やりきった感」のない不完全燃焼状態でした。
―――そんな停滞期を脱したきっかけは何だったのですか?
有山 阿久津(同社代表取締役社長)から「どうするの? このままでいいの?」と問い詰められたことがきっかけです。それまでOLとの兼業で専属契約をしていましたが、OLという退路を断って、本格的に司会業1本でやっていくんだと腹を括ったことが大きかったですね。「ここに根を張って、やるしかない」という覚悟。いちから学び直すつもりでハセガワエスティの専属社員になり、今に至ります。
―――数多いる司会者の中で「人気司会者」になるにはやはり、個性が必要ですか?
有山 ブライダルの司会者の場合、主役は新郎新婦や参列されるお客様です。司会者は主役のよいところを引き出す黒衣(くろこ)のような役割なので、個性は必要ですが、全面に出すことはあまりありません。でもテレビのパーソナリティを務める場合、ある程度、「自分らしさ」を打ち出していかないと成り立たないといいますか。視聴者の方に面白がってもらえない。いずれも伝えたい思いがあることが前提で、より「自分の言葉で語ること」や「自分を語れる個性」が求められる。そんな違いがあるように思います。
―――有山さんはどうように「自分らしさ」をみつけたのですか?
有山 みつけた、というより引き出された感じです。昨年「OFUKUがごあんな~い!」という千葉テレビの番組でOFUKUさんのアシスト役を務めた時のこと。OFUKUさんの司会は予定調和という言葉が1㎜もなく、ついつい格好よくこなそうとする私に「本当は何をしゃべりたいの? 本当の自分を見せなさいよ」とずんずん迫ってくるんです。
―――ずんずん迫ってこられたら、動揺しますよね。
有山 はい。格好つけてなんかいられません。でも、取り乱した自分の中に本当の自分が見えてくるといいますか。毎回びっくり箱といっしょにいるみたいで、ずいぶん鍛えられましたね。
―――びっくり箱(笑)。最後にお聞かせください。有山さんご自身はどんな結婚式を挙げたいですか?
有山 三日三晩パーティが続いている。いつ来ても、いつ帰ってもいい。そんな披露宴が理想です。
―――すごく楽しそうですね! ぜひ、招待してください。今日はありがとうございました。
4/3 21:55よりチバテレにて放送
4/3 22:00よりYouTube配信開始
(取材・文/砂塚美穂)
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