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高い利率の金融派生商品の運用は資産形成に役立つツールの一つか? 仕組債を一例にして解説


FPである筆者が今まで経験した相談項目は、大きく分けて「家計診断」と「資産形成」の二つです。

そのうち、資産形成については、家計の状況やライフスタイル等によって異なります。

資産運用に関する相談は、相談者のリスク許容度によってそれぞれ対応が異なります。

そのうち、ここでは、

「リスクは絶対に取りたくない」

リスクを取っても資産を増やしたい」

など、この二点は両極にありますが、今回は、後者について触れてみます。

リスクを取っても資産を増やしたい

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保有している金融資産を効率良く増やせる方法はあるか?

上述の「リスクを取っても資産を増やしたい」は、「ある程度のリスクは覚悟しても資産を増やしたい」というのが大多数です。

しかし、ハードルが高いのは、たとえば「金融資産を倍増させる方法」など、どうしたら増やせるかというような具体的なノウハウを相談するテーマです。

たとえば、10年間で現有資産を倍増させるには、以前にも紹介している72の法則といって毎年7.2%の複利運用(元本と利息合計に利率を掛けた計算方法)が必要です。

利率がたとえ3%としても、この高いハードルを越えるためには、相当なリスクを覚悟しなければなりません。

これを承知の上で、あえて紹介すれば、その一つは、金融派生商品です。

金融派生商品は、言葉自体、聞き慣れない用語ですが、デリバティブと呼ばれ、株式、債券、金利、為替などの金融商品に派生してできた取引の総称で、先物取引、オプション取引、スワップ取引などの取引手法を組み合わせたものです。

ところで、金融派生商品の仕組みは結構複雑です。

これは、株式・債券・金利・為替などの市場で、取引される値段(時価)やレート(参照指標とも呼ばれる)をベースに売り買いの条件を設定した金融商品、といえば理解し易いかもしれません。

金融派生商品のうち、上のテーマの目標を達成できそうな商品の一つとして、ここでは、仕組債を取り上げ、その仕組みや特徴について紹介します。

仕組債のしくみ

仕組債は、債券とデリバティブを組み合わせた金融商品のことです。

発売当初、富裕層や機関投資家向けの商品で、投資金額も大手金融機関では最低1,000万円単位以上でしたが、今では、個人投資家向けに50万円単位や百万円単位で販売している金融機関もあります。

債券とは、一般的に、国・地方公共団体や企業などが公共事業や企業の事業資金などを調達するため投資家からお金を借り、その証拠として、元本の償還や利息の支払いを約束した「借用証書」のことを指しています。

ただし、仕組債については債券ですが、一般的にいう債券とはその定義や条件が少し異なります。

オプション取引のしくみ

仕組債を理解するうえで、最もポイントとなる取引手法のうち、ここでは、オプション取引について簡単に取り上げてみます。

オプション取引は、株式や債券などの有価証券をあらかじめ決められた価格で、将来の決められた日や期間に取引できる権利を売買することをいいます。

将来の決められた日や期間に取引できる権利を売買する

上のイメージ図で説明すると、例えば、個人投資家はABC株式会社の株式が1万円(取引時1株1万円の株価)とした時に、この額で仕組債を購入します。

その際、オプションの買い手である証券会社等は、1年後にABC株式会社の株式を6,000円で「売る権利」を取得します。

それと同時に、オプションの売り手である個人投資家は、上の条件で、「売る権利」を売ることに対する報酬(対価)としてオプション料500円を※証券会社等から受取ります。

※ここでは金融機関などの当事者が複数のため、証券会社等と表記しています。

1年後、株価が6,000円以下になった場合、証券会社等は、権利を行使して3,500円の利益を得ます。

これに対して個人投資家は、3,500円の損失です。

つまり、この場合は、6,000円が償還されるので元本割れの大きなリスクを被ることになります。

ただし、仕組債の発行期間内に株価が行使価格を下回った場合、償還額は、満期日時点の終値に応じて変わります。

したがって、この場合の償還額は、上の図のような行使価格(6,000円)イコール償還額とはならず、行使価格を更に下回るので、この点注意が必要です。

一方、1年後の株価が6,000円以下にならなかった、または1万円(元本)を超えた場合においても、償還額は、一般的に満額分だけなので、個人投資家はオプション料の500円だけが利益となる計算です。

この場合、証券会社等はオプション料分だけの損失となります。

仕組債の一例

以上が仕組債の簡単な仕組みを述べてきましたが、ここでは、仕組債の主な内容について一例を示して簡単に説明します。

証券の名称: 他社株償還条件付XXXXX債

(ノックイン・期限前償還条項付)

発行地:xxx市場

発行体:xxx証券株式会社

発行額:10億円~

発行日:2022年3月1日

償還日:2023年3月1日

期間:1年

利率(年率):8%

償還価格

1.ノックイン参照期間中、全ての参照銘柄において、ノックイン参照価格が、ノックイン基準価格を超えていた場合は、当初取引価格(額面)の100%で償還

2. ノックイン参照期間中、参照銘柄のいずれか一つにおいて、ノックイン参照価格が、一度でもノックイン基準価格以下になった場合は、ノックイン基準価格以下で償還

3. xxx

など、聞き慣れない用語がでてきますが、まず、他社株償還条件付きとは、償還金を支払う代わりに株式を償還の条件とする債券のことです。

期限前償還条項付とは、この債券の運用期間中において、当初取引価格(額面)以上になった場合、額面金額または事前に定めた金額で早期償還されます。

ノックインとは、あらかじめ定めた対象となる指数以下となることで、上で説明した「行使価格以下となる」がそれに当ります。

利率(年率)は、一般的に1%未満~10%近くの幅で設定されていますが、オプション取引の場合、額面金額に対するオプション手数料の割合がそれに当ります。

利息は、オプション手数料の原資となり、あらかじめ決められた利払い日に支払われます。

また、早期償還の場合は、償還までの期間に応じて利息が支払われます

仕組債のような金融派生商品の運用は、アリか?

仕組債による運用は、運用期間中に一度もノックインしなければ高い利息を受取ることが可能です。

株式や投資信託のような一般的なリスクに加え、一度でもノックインした場合は、大幅な損失(市場価格や償還額が変動するリスク)が発生します。

リスク許容度が「リスクを覚悟してもリターンを得たい」という投資家にとっては、仕組債の基本的な仕組みや想定されるリスク等を十分理解のうえで行ってください。

ただ、新型コロナのパンデミックやロシアによるウクライナ侵攻など予測不能なリスクも現実としてある今は、その購入を判断するタイミングではないと考えます。(執筆者:CFP、1級FP技能士 小林 仁志)

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