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ゼロからわかる先物・オプション取引入門(10)225先物取引とオプション取引でリスクヘッジをしながら裁定取引(三井智映子


皆様、こんにちは。フィスコマーケットレポーターの三井智映子です。「ゼロからわかる先物・オプション取引入門」も深いところに入ってきましたね。先物・オプション投資の初心者の方、ついてきてくださっていますか?今回はロスカット制度と裁定取引についてご紹介します。


○急激な相場変動時でも、ロスカット制度で安心

ロスカットとは、設定された価格にタッチした場合に自動的に反対売買を行うことです。なので、自動的に反対売買をすることで、損失を極力限定することが可能です。一定の範囲で投資家の資金を守るという意味で大変有効です。

投資では100%思惑通りになるということはないですし、予想もできない災害やテロなどの発生による急落や◯◯ショックなどの下落が今までもありました。そんな時に投資家の持つ証拠金の状況があらかじめ設定されたロスカットラインまで悪化した際に自動的にロスカットしてくれるのはありがたい制度ですよね。

ただし、先物取引においては急激な相場変動が生じたため、またオプションのプレミアムは原資産に比べ価格の変動が大きいためにロスカット幅が大きくなってしまい損失が一定の範囲内に収まらないこともあるのでご注意ください。


○裁定取引とは

裁定取引とは現物と先物の価格差を利用した取引のことです。現物と先物の価格差が開いた時。その価格差を利用して、割高な方を売り、割安な方を買うことで利益を取るという方法です。アービトラージ取引とも呼ばれます。

この連載で先物取引というのは、『「決められた価格で、未来の決められた日時に、商品などを売買すること」を約束する、という取引です』とお伝えしましたね。その未来の決められた日時、つまり予め決めた取引する日をSQということも第一回目でお伝えしました。

日経225先物と日経平均株価はSQ日に同じ価格になります。その際に裁定取引を解消すれば、ポジションを組んだ時の価格差が利益となるわけです。


○「コンバージョン」と「リバーサル」

裁定取引を深掘りしてみましょう。先物のポジションとオプションを組み合わせて裁定取引を行う方法としてコンバージョンと、リバーサルという方法があります。
前回お伝えしたコールとプットを思い出してください。

・コンバージョン=同じ満期日・同じ権利行使価格のコール売り + プット買い→先物の売りポジションと同じ効果が得られます。
先物の売りポジションを合成した状態です。

・リバーサル=同じ満期日・同じ権利行使価格のコール買い + プット売り→先物の買いポジションと同じ効果が得られます。
先物の買いポジションを合成した状態です。

コンバージョンは「合成した状態の先物」が高く、実際の先物が安い時に価格差が利益となり、リバーサルは「合成した状態の先物」が安く、実際の先物が高い時に価格差が利益となります。

初心者の方はこういう方法があるんだな、という程度で押さえていただければ良いと思います。実際にトライする際には手数料にはご注意を。


○知っておきたいリスク

日経225/TOPIXの先物には「ラージ」とその10分の1のサイズの「ミニ」があります。例えば日経225miniの場合日経平均株価の100倍のレバレッジで取引をすることになります。非常にレバレッジ効果の高い金融商品で、少額の資金でも大きな利益を得るチャンスがあるのは大きなメリットです。

一方で思惑が外れると大きな損失に繋がることもあります。特に利益が出始めると気持ちが大きくなってしまい、ご自身の資金以上を投資するなど無理な投資をしてしまう方もいらっしゃるようです。冷静に資金管理を行い、ロスカットラインを決めておくことが資産を守ることに繋がります。利益を出すために投資をするわけですから、しっかり学んで利益を出して頂きたいところですね。


○先物・オプションへの投資はオンライン取引がお得

さて、「ゼロからわかる先物・オプション取引入門」も第10回目を迎えました。「先物取引って何?」というところから先物・オプションについてだいぶご理解いただけたのではないでしょうか。

なお、先物・オプション取引を行うには、証券会社に口座を開設する必要があります。お得に取引をしたい方にはオンライン取引のできる証券会社をおススメします。オンライン取引は、PCやスマホから誰でもカンタンに取引することができ、手数料が安いのが特徴です。

その中でも、価格.comによる証券会社別の日経225先物手数料比較ランキング(2017年11月時点)を見てみると、第1位は日産証券、第2位はライブスター証券、第3位はカブドットコム証券となっています。オンライン証券会社選びの参考にしてみてください。


「ゼロからわかる先物・オプション取引入門」は、三井智映子の見解でコメントしています。

フィスコマーケットレポーター 三井智映子




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