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日経平均は大幅下落、世界経済の鈍化懸念から全面安商状


 日経平均は大幅に下落。697.07円安の20930.27円(出来高概算6億8000万株)で前場の取引を終えた。日経平均の21000円割れは3月11日以来、9営業日ぶり。ドイツの3月製造業PMI速報値が2012年以来の低水準をつけたほか、米国債イールドカーブ(長短金利差)が再び逆転したことから、世界経済の鈍化懸念が高まり、先週末の海外市場は大きく下落。この影響から幅広い銘柄が売られる格好となり、シカゴ先物にサヤ寄せする流れからギャップ・ダウンでのスタートとなった。しかし、その後も断続的なインデックス売りから下げは止まらず、一時20911.57円まで下げ幅を拡大させている。為替市場ではドル円が1ドル109円70銭台まで円高に振れて推移していることも、神経質にさせている。

 東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が2000を超えており、全体の95%を占める全面安商状。セクターでは33業種全てが下げており、石油石炭、鉱業の下落率が4%を超えたほか、医薬品、非鉄金属、海運、機械、ガラス土石、精密機器の下落が3%を超えている。日経平均構成銘柄では、三菱倉庫<9301>が唯一上昇しており、224銘柄が下落。ソフトバンクG<9984>、エーザイ<4523>、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、リクルートHD<6098>の5社で日経平均を約217円下押ししている。

 日経平均は一時下落幅が700円を超えるなど、予想以上の下落幅となっている。これにより、直近の安値である3月11日以来の21000円を割り込んだ。まずは、11日安値とのダブルボトム形成を見極めたいところであろう。また、一目均均衡表は20820円辺りで横ばい推移する雲上限が支持線として意識されやすく、ダブルボトム同様にサポートとして意識されよう。ただし、一目均衡表では今後雲のねじれが起きるタイミングが近づいているが、現在の価格水準で踏ん張りを見せられないと、27日の権利落ち日で雲を割り込んでくる可能性がある。シグナルが一気に悪化傾向に向かう中、自律反発狙いの買いも入りづらくなりそうだ。

 一方で、米国債イールドカーブの逆転に、過剰反応したとの見方もある。アルゴリズムが働いたとの見方から、週明けの米国市場の反応を改めて見極めたいところである。指値状況が薄い中をインデックス売買で大きく下げているため、米国市場が落ち着きをみせるようだと、その後の反転も速いとみられる。また、個別には業績等を材料視した物色がみられており、全面安ながらも落ち着きがみられている。その他、米大統領選を巡るトランプ大統領陣営とロシアの共謀は認定されなかったことで、政治リスクが後退していることも、下支え要因として意識されそうだ。


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