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名古屋芸大の次期学長にセクハラ疑惑 女子学生訴え、第三者委設置


 名古屋芸術大(愛知県北名古屋市)の非常勤講師を務め、4月1日付で学長に就任予定の来住尚彦氏(63)からセクハラ被害を受けたと複数の女子学生が訴え、大学側が外部の弁護士を含む調査委員会を設置していることが明らかになった。また、学生有志が「安全な環境で学ぶ場が脅かされる」として学長就任撤回を求める署名活動を展開するなど異例の事態となっている。

 来住氏は芸術学部舞台芸術領域の非常勤講師。元TBS社員で、国内最大級のアート見本市「アートフェア東京」を手がけてきた。

 学生でつくる「有志の会」によると、来住氏は昨年8月、学内のスタジオで女子学生がミュージカルの自主練習をしていた際、突然見学に現れた。稽古(けいこ)後、複数の学生が来住氏に個別に呼び出され、指導として顔や頭をなでられたり、肩を組まれたりしたという。容姿や外見で人を判断するルッキズム(外見至上主義)に基づく発言を受けた学生も複数いたという。

 今年2月、セクハラ被害を訴える女子学生の親が大学の教員に相談して発覚。2月末には女子学生6人が、大学の運営法人の理事長らに被害を訴える文書を提出した。

 女子学生の一人は取材に「急に触られ気持ち悪かったが、次期学長なので公演制作予算が削られたら困ると思い、何も言えなかった。このまま学長になれば退学も考える」と話した。

 同大広報部は取材に、「調査中のため来住氏への取材対応は難しく、コメントも控えたい。30日の理事会後に本学ホームページに調査結果を掲載する」と話した。

 同大は「僕のヒーローアカデミア」の漫画家・堀越耕平さんやラッパー・呂布カルマさんら著名人を輩出している。来住氏の次期学長選出を巡っては、現学長が運営法人側から一方的に構内への出入りを禁じられたとして、法人などを相手に名古屋地裁で係争中。【川瀬慎一朗】

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