イスラエルのネタニヤフ首相は7日の記者会見で、パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスが提示した休戦案を拒否すると表明した。ネタニヤフ氏は「（イスラエルには）ハマスを壊滅させる以外の選択肢はない」と強調。今後、多くの避難民が集中するガザ南部ラファにも侵攻する考えを示した。
イスラエルは1月末、米国と仲介国のカタール、エジプトともに休戦案をまとめ、ハマスに提示した。約6週間の休戦を実施し、ハマスが拘束している人質を順次解放する代わりに、イスラエルが拘束しているパレスチナ人を解放する内容だった。一方、ハマスは2月6日、計135日間の休戦を実施し、最終的にイスラエル軍がガザから撤退し、恒久的な停戦につなげる案を提示したが、イスラエル側が恒久的な停戦を拒絶した形だ。
イスラエル軍は現在、ガザ第2の都市である南部ハンユニスで攻撃を強めているが、ネタニヤフ氏はハンユニスの攻略後、エジプト境界の南部ラファに進軍するよう「（軍に）指示した」と述べた。ラファにはガザ北部、中部から退避した130万人以上の避難民が滞在しており、イスラエル軍が侵攻した場合、多大な被害が予想される。ネタニヤフ氏はラファへの攻撃について「国際法に則り、市民は戦場から避難させる」と主張したが、具体的な案は示さなかった。【エルサレム三木幸治】
