トヨタ自動車グループで品質不正が相次ぐなか、トヨタ自動車の豊田章男会長は30日、名古屋市内で記者会見し、ダイハツ工業や豊田自動織機などで相次ぐ不正について「お客様をはじめ、ステークホルダーのみなさまにご迷惑ご心配をおかけしておりますことを深くおわび申し上げます」と陳謝した。
豊田会長は記者会見で、グループ各社で「創業の原点を見失っている」状況が起きていると説明。トヨタグループ17社のトップが同日、名古屋市に集まり、トヨタグループの未来への指針となる「ビジョン」と「心構え」を共有したことを明らかにした。
グループビジョンは「次の道を発明しよう」と題し、「誰かを思い、力を尽くそう。」「仲間を信じ、支えあおう。」「技を磨き、より良くしよう。」「誠実を貫き、正しくつくろう。」「対話を重ね、みんなで動こう。」――と5項目を列挙した。
豊田会長は、2009～10年にトヨタ自動車で発生した大規模リコール問題を経て、自身が「トヨタの責任者として全ての責任を負う覚悟を決めた」と説明。「私がやるべき責任とは、グループの方向を示し、迷ったときに立ち戻る場所をつくること、グループとしてのビジョンを掲げることだと考えた」とビジョン策定の意義を語った。【加藤結花、大原翔】
