Q 2024年は辰年（たつどし）だね。どんな年になるのかな？
A 金融業界にはえとにちなんでその年の株価の方向性を言い表す「相場格言（そうばかくげん）」があります。格言では「辰巳天井（たつみてんじょう）」と言われ、辰年と巳年は株価が上昇すると言われています。60種類ある十干十二支（じっかんじゅうにし）では、24年は41番目の「甲辰（きのえたつ）」。諸説ありますが、十干の最初の文字である甲は「始まり」を意味し、辰は「振」「伸」に通じるとして、「新たな生命が成長する」とされています。空を駆ける竜のイメージもあり、株価上昇を期待する市場関係者は多いです。
Q 実際に辰年の株価が上がるの？
A 1950年以降の日経平均株価の変化をえと別に調べた証券ジャパンによると、辰年の上昇率は27・9％で、十二支（平均11％上昇）で最大です。また、前回の甲辰の64年は、東京オリンピック開催に合わせて東海道新幹線が開業するなど、日本経済が急成長した時期です。業界は「日本経済は海外景気の下振れに耐え、着実に回復していく」（楽天証券）などの見方をしています。
Q いい一年になりそうだね。
A 辰年は「政変（せいへん）の年」とも言われています。前回2012年は自民党が旧民主党から政権を奪還し、アベノミクスにより株価が上昇しました。24年は9月に自民党の総裁選を控えており、それまでに衆院の解散・総選挙の可能性があります。世界も台湾総統選（1月）▽ロシア大統領選（3月）▽米大統領選（11月）など選挙イヤーで、経済も政治の影響を大きく受けそうです。
Q 24年もいろいろありそうだね。
A 1月から少額投資非課税制度（NISA）の新制度が始まります。格言だけでなく、株式や為替の動向に注目しながら、資産運用を始めてみるのもいいかもしれません。回答・藤渕志保（経済部）
