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終わらない戦後処理 不発弾1500発、洋上風力発電建設の海底に


 洋上風力発電の建設が続く北九州市若松区沖の響灘で、第二次世界大戦中のものとみられる機雷や砲弾などが海底で度々発見され、海上自衛隊が爆破処理作業に当たっている。洋上風力の建設に影響はないというが、戦後78年たった今でも1500発の不発弾が残っていると推測されており、戦後処理に終わりは見えない。【山下智恵】

 「ドン」とつき上げるような衝撃と爆発音の後、100メートルを超える灰色の水柱が上がった。14日、関門海峡に近い若松区沖約4・4キロの響灘。海上自衛隊下関基地隊第43掃海隊の掃海艇「とよしま」「うくしま」の潜水員が海中に潜り、深さ25メートルの海底に沈んでいる直径約60センチ、長さ約1・8メートルの円筒形の「1000ポンド機雷」に爆薬を仕掛け爆破した。

 機雷が見つかったのは、国内最大級の洋上風力発電所「北九州響灘洋上ウインドファーム」の工事海域。6月から始まった海底調査で、機雷2発や砲弾など約20発が相次いで発見され、14日で全て処理された。いずれも大戦末期に米軍が投下したものや旧日本軍のものとみられる。

 機雷は磁気や音、水圧などを感知するセンサーによって爆発する。海底で見つかる不発弾のほとんどは機能しなくなっているが、火薬の爆発力が保たれていることが多く、水圧を受けるなどして爆発する危険性もあることから発見した場合は爆破処理している。

 響灘と周防灘を結ぶ関門海峡は、海上交通の要衝だったことから第二次世界大戦末期、米軍によって5000発以上の機雷が海峡周辺に投下された。多くの不発弾が海底に残っているとされ、下関基地隊が1954年に創設されて以来、処理に取り組んでいる。第43掃海隊司令の伊藤晃3等海佐は「戦争の傷痕は何年たってもなかなか処理できる物ではないと実感している。まだ多くの不発弾がある。今後も確実に処理したい」と話した。

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