「子供留守番禁止」条例案取り下げ 埼玉知事「県民の声届いた」

　埼玉県民の間で批判の声が渦巻いた、小学3年生以下の子供の放置を禁止する県虐待禁止条例の改正案。議員提案した自民党県議団が議案の取り下げを表明したことを受け、大野元裕知事は10日夕、「県民の声が県議会、とりわけ自民県議団に届いたと理解している。（取り下げを）歓迎したい」と述べた。報道陣の取材に答えた。

　大野知事によると、条例改正案に対しては同日午後2時時点で1007件の意見が知事宛に寄せられ、1005件が反対の趣旨だったという。

　大野知事は、県民コメントの実施結果が非公表であることなど、改正案制定までのプロセスが不透明と指摘。「議員提案条例の在り方を検討する時期に来ている。ガイドラインのようなものが必要ではないか」と述べ、県議会に取り組みを求めた。

　条例案を巡っては、「可決されれば埼玉に住めない」などの意見も多く、埼玉のイメージダウンが懸念される。大野知事は「少子化、子育て施策に懸命に取り組んできたと自負している。発信やPRを続けたい」と話した。【増田博樹】