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川に沈む小さな体、飛び込んで抱き上げ 事故の男児救助、男性ら連係


 「子どもが川に落ちとる」。福岡市西区で5日、横断歩道を渡っていた小学6年生の男児(12)が車にはねられ、弾みで近くの川に転落した。意識を失い、沈み始める小さな体。いち早く現場に駆け付け、間一髪で救ったのは自らも同じ年ごろの娘を持つなど40~70代の男性3人だった。

 西署などによると、事故は5日午後3時40分ごろ、西区千里の県道で発生。雨の中、横断歩道を渡っていた下校中の男児が、直進してきた糸島市の女性(80)運転の軽乗用車にはねられた。男児の体はガードバイプを飛び越え、道路沿いの約5メートル下を流れる周船寺川(水深約60~80センチ)に転落した。

 ボーン。近くで製造業を営む百崎光和さん(77)は大きな音に気づき、長男の考毅さん(45)と川へ走った。同じ頃、近くを車で通りかかった糸島市有田の自営業、有田雄治さん(50)も女性の叫び声を聞き、急行した。

 現場に着いた3人が川を見下ろすと、川面に横たわる男児の体が徐々に沈み始めていた。「自分も同じ(年ごろの)子おるけん」。有田さんが叫び、真っ先に川に飛び込んだ。百崎さんが自宅から持って来たはしごを使い、考毅さんも川へ。さらに、別の男性も救助に続いたという。

 川底に立った百崎さんらは男児の体を抱き上げ、救急隊の到着を待った。顔に傷を負い、口から血を流していた男児は最初は無反応だったが、「大丈夫か」「がんばれ」と声を掛けると、わずかに目を動かした。その後、事故に気付いた複数の人たちが現場に集まり、男児がぬれないように傘を差すなどしてくれたという。

 救急搬送された男児は顔や胸を複雑骨折しており重傷だったが、命に別条はなかった。事故を起こした女性は自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)容疑で現行犯逮捕された。「横断歩道に気づかなかった」と容疑を認めているという。

 西署の佐伯光一署長は15日、有田さんら3人に感謝状を贈った。有田さんは「周囲にいた皆で助けることができた」と振り返り、百崎さんも「(男児が)無事で良かった」と笑顔を見せた。考毅さんは「隣の人との関わりも薄くなる時代。迷わず助けにいく人がたくさんいたことがうれしかった」と話した。

 同署は、有田さんらと共に川に入って救助にあたった別の男性にも連絡が取れ次第、感謝状を贈る予定という。【河慧琳】

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