東京・多摩で巨大データセンター建設開始 首都圏に集積進む

　シンガポールを拠点とする物流不動産開発大手の日本法人、日本GLP（東京・中央区）は10日、東京都多摩市に国内有数の規模となるデータセンター（DC）の建設を始めたと発表した。デジタル化やクラウド技術の発展でDCの需要は高まっており、首都圏を中心に集積が進んでいる。

　同社が建設するDCは延べ床面積約3万平方メートル、企業などのサーバー向けの電力供給量は3万1000キロワット。計3棟からなり、1棟目は2025年2月に完成予定。周辺に大規模サーバーを自前で持つ事業者が多く、需要増に応じて同社のDC利用が見込めるとしている。同社は今後、DC事業に1兆円以上の投資をするとしている。

　総務省の情報通信白書によると、22年に約2兆円だった国内のDCサービスの売上高は26年に3・2兆円に達すると見込まれる。企業のデジタル化やリモートワークの普及により国内の通信量の増加や、経済安全保障の観点からアジア最大のDC立地国・中国を回避する動きが強まっていることが背景にある。

　ただ、DCは消費電力や温室効果ガスの排出量が多いという課題があり、業界の共通規格づくりなどが急務だ。【袴田貴行】