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ベルギー製織物、160年ぶり復元新調 祇園祭「白楽天山」前懸


 祇園祭の舁山(かきやま)の一つ、「白楽天山(はくらくてんやま)」の正面を彩る前懸(まえかけ)が、約160年ぶりに新調された。16世紀にベルギーで織られたタペストリーを江戸末期から使い続けてきたが、退色や傷みが目立ち、川島織物セルコン(京都市左京区)の綴織(つづれおり)技術者が復元制作した。【南陽子】

 白楽天山保存会(京都市下京区)が9日、新旧の前懸をそろえて発表した。メインのタペストリーは、古代ギリシャの長編叙事詩でトロイア戦争を描いた「イリアス」を題材にした巨大な1枚から裁断されたもの。1860年に、当時は巡行しない「休み山」だった蟷螂(とうろう)山から購入した。

 同じ1枚の別の部分は、大津市で行われる大津祭の二つの曳山(ひきやま)の見送(みおくり)に使われている。

 復元制作に当たり、保存会では有識者と協議し、購入した幕末時点の色合いを検討。2022年7月から8カ月かけて織り、290色の毛と絹の糸を使った。

 新調した前懸の全体は縦170センチ、横207センチ。中央のタペストリーの両脇には、数年前に保存会の蔵で見つかった、刺しゅうの絹地を縫い合わせた。旧来の前懸に用いていた、18世紀・清朝の宮廷服の生地が傷むことを見越し、誰かが同じ図柄で制作させていたものという。

 前懸に重ねる別のタペストリーの水引2枚の復元制作を含め、事業費は約1450万円。保存会の小杉源一郎代表理事は「文化庁の補助により、20年来の懸案を果たすことができてほっとしている」と話した。新しい前懸と水引は7月13日から会所で、同17日には前(さき)祭巡行で披露する。

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