福島県いわき市で16日夕、小学校から下校中の女の子が不審な男に連れ回されたものの、大声を出して逃げ切った事件があった。いわき中央署は関係者から届け出を受けて男を逮捕。女の子の勇気が自らの安全を守った。
同署が18日に未成年者略取容疑で逮捕したのは、いわき市常磐西郷町金山の無職、石井誠容疑者（49）。逮捕容疑は16日午後3時45分ごろ、同市内の路上で、歩いて帰宅していた小学生の女子児童（8）の肩をつかみ、刃物を突き付けるなどして脅し、約40メートル連れ回したとされる。女児にけがはなかった。
同署によると、周辺の聞き込みや防犯カメラなどから石井容疑者を特定。石井容疑者は容疑を認めているという。女児は当時一人で下校中で、大きな声を出して自力で逃げ出した。石井容疑者と面識はなかったという。
事件を受け、いわき市教育委員会の担当者は「子どもの安全が脅かされてしまった。怖い思いをした子どもたちや親などのケアを含めて対応を検討している」と話した。市内の学校では学級活動の中で防犯指導などの対策に取り組んでおり、児童や生徒の間で防犯意識は浸透してきているという。
同市内では、事件の前日にも小中学生に対する声掛け事案が発生していた。いわき中央署などは犯罪・防犯情報メール配信システム「POLICEメールふくしま」で、防犯標語「いかのおすし」（不審者について「いか」ない▽車に「の」らない▽「お」お声で叫ぶ▽「す」ぐ逃げる▽「し」らせる）を呼び掛けている。【松本ゆう雅】
