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「まさか、こんなことが…」 市川猿之助さん搬送、ファンに衝撃


 歌舞伎界のスター、市川猿之助さんの救急搬送に、関係者やファンの間では大きな衝撃が走った。

 猿之助さんは1975年、段四郎さんの長男として生まれた。83年に二代目亀治郎を名乗り初舞台を踏んだ。父と共に、おじの三代目市川猿之助(現・二代目猿翁)さんの一座に身を置いた。さわやかな口跡で情味のある芝居に定評があり、身体能力の高さでも観客を引きつけた。2012年に「ヤマトタケル」で四代目猿之助を襲名。先代の精神を受け継ぎ、スーパー歌舞伎などの創作にも傾注している。歌舞伎俳優の市川中車(香川照之)さんはいとこ。

 「中堅として、今後の歌舞伎界を引っ張る俳優の一人」と高く評価するのは歌舞伎界に詳しい関係者。さらに「クレバーでアイデアも豊富。新型コロナウイルスの感染拡大で公演が制限されると演目をコンパクトにまとめるなど、臨機応変に社会情勢に対応した。今後、ますます活躍が期待されている存在」と話す。

 別の演劇関係者も「あの年代で、演技力があって芝居が面白く、集客力のある歌舞伎俳優は猿之助さんをおいて他にいないのではないか。さらに演出もできる頭のよさ、天才的なひらめきがある」と語る。

 近年はテレビなどでも活躍。NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」や「半沢直樹」(TBS系)や、「くりぃむクイズ ミラクル9」(テレビ朝日系)、「風雲!たけし城」(Amazonプライム・ビデオ配信)といったバラエティー番組にも出演している。

 ただ、この演劇関係者は「猿之助さんは、最近いろんなことをやりすぎていて、肉体的にも精神的にも追い詰められていたのではないか」と推察する。さらに「彼がこれから俳優活動を続けていけるか心配。今後、舞台に立てなくなるようなことがあれば歌舞伎界にとって大変な損失だ。ドル箱だっただけに、(歌舞伎公演を制作する)松竹も大きな痛手になる」と述べた。

 一方、亡くなった父の段四郎(本名・喜熨斗弘之=きのし・ひろゆき)さんは46年、三代目段四郎の次男として生まれ、57年に初代市川亀治郎を名乗り初舞台を踏んだ。63年に四代目団子(だんこ)、69年に四代目段四郎を襲名した。大柄な体と確かな演技力、渋みのある声で敵役から武将役までを得意とした。古典では「勧進帳」の弁慶、スーパー歌舞伎では「ヤマトタケル」の帝などをあたり役とした。

 関係者は「風格が大きく、とても優しい方。がんからの復活が望まれていました。残念です」と惜しんだ。

 猿之助さんは東京・明治座の「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」(3~28日)に座長として出演していた。18日の昼の部は公演を中止したが、出演予定だった他の俳優たちが踊りなどを披露。同日夜の部は配役を変えて上演した。19日昼の部は中止に。また、猿之助さんは6、7月、東京・歌舞伎座でも公演を予定している。

 明治座前には、一報を耳にした多くの人々が心配そうな面持ちで訪れた。夜の部のチケットを持っていた東京都立川市の辻祐子さん(67)は「猿之助さんはいつも明るく、どんな役でもぴたっとはまる。まさか、こんなことが起こるなんて。どうかご無事であってほしい」と願った。

 猿之助さんを巡っては、18日発売の週刊誌「女性セブン」(小学館)が、共演者や弟子らへのハラスメント疑惑について報じた。記事は、猿之助さんが共演の俳優に「過剰な性的スキンシップ」をしたとの関係者の証言を掲載している。小学館広報室は毎日新聞の取材に「お答えすることはございません」と回答した。公演をプロデュースする松竹は「パワハラやセクハラはあるべきではない。情報把握に努め適正な対応をしてまいる所存です」とコメントしている。【広瀬登、平林由梨】

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