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肺がんの治療薬、臨床試験中止 死亡防げず 「想定より多かった」


 国立がん研究センターなどは28日、進行・再発した肺がん患者に実施していた治療薬の効果を調べる臨床試験で、治療に関連した死亡が11人(7・4%)確認されたため、試験を3月末で中止したと発表した。

 中止になったのは、未治療で進行・再発した肺がん患者に対し、抗がん剤と2種類の免疫チェックポイント阻害薬(オプジーボとヤーボイ)を併用する治療法と、より広く使われている治療法(抗がん剤と別の免疫チェックポイント阻害薬1種類を併用)で、どちらの治療効果が高いかを比べる試験。専門医らでつくる日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)が2021年4月から全国59施設共同で実施していた。

 試験には全体で295人が参加し、半数の148人が2種類の併用療法を受けていた。このうち50~70代の11人が薬の副作用と見られる肺臓炎などで死亡した。途中で参加する患者の基準を見直したが、死亡を防げなかったとして試験を中止したとしている。

 肺がんに対する抗がん剤と2種類の免疫チェックポイント阻害薬の併用療法は製薬会社の治験を経て20年11月に保険適用になっている。死亡が多い原因は分からないものの、ヤーボイの影響が強いと考えられるという。試験で2種類を併用してきた患者には、オプジーボのみで治療を継続するかどうかなどを、担当医とよく相談するよう周知しているという。

 研究代表の九州大病院の岡本勇・呼吸器科科長は「抗がん剤の場合は一定程度の治療関連死が避けられないが、想定よりも多かった」と話し、安全性や有効性を検証するため、参加した患者の治療経過や副作用のデータを今後も収集していくとしている。この試験以外で2種類を併用している肺がんの患者に対しては「自己判断で治療を中断せず、主治医とよく相談してほしい」と注意喚起している。【下桐実雅子】

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