starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

道後温泉につかるメーテル初披露 松本零士さん「心の古里」で追悼展


 2月に亡くなった漫画家、松本零士さん(享年85)が太平洋戦争末期、疎開先として少年期を過ごした、愛媛県大洲市新谷地区のまちおこし団体が5月1日から、ゆかりの写真やイラストを展示する追悼展を開く。生前の松本さんが新谷のために描いた石碑のイラスト「魂永遠之故郷」など計4点が初公開される。主催者は「新谷は松本先生が『心の古里』として原風景となった“聖地”。改めてその世界観を味わってほしい」と話している。

 宇宙を舞台にした松本さんの代表作「銀河鉄道999」は、満天の星の下、同地区の神南山(かんなんざん)のふもとを走る蒸気機関車のイメージが同作の原型につながったという。6歳だった戦時中の1944年から約3年間、母親の実家がある新谷に疎開した。2013~18年の6年間は、地元まちおこし団体の呼びかけに応じて、イベントに足を運び、地域おこしの一役を担った。

 追悼展は「銀河への旅立ち」と銘打ち、新谷を題材とした自伝漫画「昆虫国漂流記」のパネル展示の他、愛媛をモチーフに描いた初公開のイラスト3作品など計約70点を展示。初公開の「未来の新谷」と名付けられたイラストは、神南山を背景に近未来のビル群が建ち並ぶ新谷地区の夜空を駆ける鉄道を、「999」に登場する女性・メーテルと少年・鉄郎が見つめる様子が描かれている。

 他に道後温泉につかるメーテルが描かれた作品も初めて披露される。2018年の西日本豪雨後のイベントで、被災した市民に「頑張ろう」と呼びかる姿を写した写真も飾られている。

 新谷地区ゆかりの作品づくりの依頼に尽力したのが、地元まちおこし団体の会長、大塚弘一さん(79)。追悼展に先駆けて4月27日に地元公民館前に設置した記念碑「魂永遠之故郷」(縦約65センチ、横約50センチ)の原画もその一つ。「東京の事務所で松本先生から手渡された際は感動と共に『墓石に刻む言葉』との印象を受け、大事に保管してきた。宇宙に旅立った松本先生の思いを形にしたいと記念碑を建てた」と語る。

 松本さんは1994年に愛媛県大洲市であった講演会で同地区をこう表現した。

 「私の願いは、自然とともに生まれてきた人間が、これからも穏やかに、平和に暮らせるようにということです。そのお手本が大洲だと思います」

 同団体の副会長、亀岡佳章さん(81)は「僅か3年間の疎開先の思い出が松本さんの心で生き続け、その思いは宇宙へと広がっていた。大洲・新谷は松本さんの『聖地』だと日本や世界に広く知ってほしい」と来場を呼びかける。

 入場無料。松本さんの命日が日付の「新谷発アンドロメダ行」の“記念乗車券”のプレゼントもある。5月19日まで。午前9時~午後5時。問い合わせは新谷公民館(0893・25・0024)。【鶴見泰寿】

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.